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2023年02月28日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」引越しバイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townworkもうすぐ春である。
夢や希望を持って新天地へ向かう人も多いだろう。

つまり夢や希望がない私はここから一歩も動くつもりはない、ということだ。

むしろ夢や希望ぐらいなければ「引っ越し」などという大仕事に挑むのは無理なのではないか。

この不況下、住宅ローンが払えず立ち退きを余儀なくされる人を追ったドキュメンタリーで、引き渡し期日目前で荷造りが全然終わっておらず、呆れられるシーンがあったりするが、そんなの当たり前だろう。
そもそもこれからマイホームを失う人間にそんな重労働をしろと言うのが酷すぎるのだ。
本来なら子キャット様1匹持ち上げるのも無理なはずである、もう少し優しい視点を持ってほしい。

私が最後に引っ越しをしたのは、現在の家に来た時である。
新築のマイホームへの転居であり、これ以上うれしい引っ越しはもう「退院」ぐらいしかないだろう。
それでも引っ越し自体はだるく、できれば二度とやりたくないと思っているが、自分の人生にもいつ「引き渡しは明日だというのに荷造りは一向に進まない」というテロップが入るかわからない。

だが、どれだけ希望に溢れていても引っ越しを全部自分でやるというのは、やたらでかい車を持った仲間がたくさんいる地方のマイルドヤンキーでなければ無理だ。

無理してセルフ引っ越しに挑むと「病院」という新天地に数か月詰めることになりかねない。

少なくとも大きな荷物の運び出しと搬入は「引っ越し会社」に任せる人が多いだろう。

そんなわけで今回のテーマは「引っ越しバイト」である。

 
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諸事情による不本意な引っ越しはオールシーズン起こるが、夢と希望に満ちた引っ越しは春に集中するため、引っ越しバイトの募集もこの時期が多い

しかし、引っ越しバイトに対し「重い物が持てる屈強な人間のやるバイト」というイメージを持っている人も多いだろうし、「男性しか採用されない」と思っている人もいるかもしれない。
だがそれは誤りであり、女性ももちろん採用されるし、学生などだけではなく、主婦にもおすすめのバイトだそうだ。

引っ越しのバイトにはまずリーダーの指示通り、荷物を家から運び出したり搬入したりする「アシスタント」の仕事がある。
その際確かに、冷蔵庫や洗濯機など大物を運ぶこともあるだろう。
しかし、逆に運ぶ荷物が全部洗濯機や冷蔵庫ということもない
電気屋の引っ越しでももっとレパートリーがある。
女性一人でも運べる荷物はいくらでもあるし、大物は複数人で運ぶ、雇用主もそこはわかっているので、無理そうな人間を採用し、無理な荷物を一人で運ばせて労災沙汰にする真似はしない、ちゃんと可能な仕事を指示するはずである。

また、最近は引っ越し会社の仕事も多様化している。
お客が梱包した荷物の運搬搬入だけをする場合もあるが「梱包」から引っ越し会社がやる場合もある

私が引っ越した時もこの「梱包サービス」はあり、頼もうかと思ったが、何を梱包するか指示するのは当然こちらである。
私の荷物には「ゴミ」が多分に含まれているので「それはゴミ、それもゴミ、それはどうみてもゴミな重要書類」と指示するのが嫌だったので自分でやった。

梱包作業は、小物を段ボールなどに詰めて運びやすくする作業だが、中には「食器」など割れ物も含まれるので、割れないようなテクい梱包をしなければいけない。
また茶碗ひとつにつき段ボール(大)1個という無駄な梱包をしていたら運び出し作業が増えるだけだし、地球にも厳しいのでできるだけコンパクトな収納をしなければならない。
よって日ごろから食器などを扱い慣れており、明らかに押し入れの体積以上の物を収納してみせる四次元力を持つ主婦がここで活躍できるという。

「アシスタント」と「梱包」や「荷解き」のバイトは分けずに募集されていることも多いが、分けられている場合もあるので、あまり力に自信がなければ「梱包」と「荷解き」の募集に応募した方が良いだろう。

どちらにしても多少物を持ち運びする仕事なので、子キャット様1匹でも運ぶのは無理、という人にはあまりお勧めできない。
また「お前は今まで割った皿の数を覚えているのか?」がキメ台詞の人も念のためやめておいた方がよいかもしれない。
人様の物を運ぶ仕事なので、ある程度の慎重さは必要である。

実際「慣れるまで体力的にきつかった」という感想を述べる体験者も多いようだが同時に「それゆえに時給がおいしかった」という感想も多いので、多少体力的に大変でも時給が高いバイトがしたいという人にはお勧めである。
逆にいえば「体力問題さえクリアできれば簡単なバイト」でもあり「荷物の持ち方と運び方さえ覚えればあとは筋力と体力をつけるだけだったので楽勝」という頼もしすぎるコメントを残した二十歳の女子大生もいる。

引っ越しは当分したくないが、老になったら車を運転したくないので都会に引っ越したいと漠然と思っている。
しかし老になったらいよいよ引っ越しを自分でするのは無理だろう。
それこそ引っ越し会社に、梱包から不用品の回収まで依頼することになるはずだ。

私もその時までには「全部ゴミ」と明確な指示ができるように環境を整えておきたいと思う。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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