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2020年06月14日

契約社員から正社員になるには?社員登用制度、無期雇用転換制度、メリットデメリットなどを解説

契約社員 正社員 タウンワーク townwork「契約社員から正社員になりたい」という人の中には、今の会社で正社員登用のチャンスを考えている人もいると思います。ここでは契約社員から正社員への登用制度や、契約社員のまま無期雇用になる制度のことを解説します。

契約社員と正社員の違い

契約社員と正社員の大きな違いは、雇用期間の定めの有無です。正社員は一般的に無期雇用ですが、契約社員は有期契約となり、期間毎に更新するかを会社と労働者の間で確認していきます。1回の契約期間は1年、2年と会社や職種によって違いますが、最大3年(※)です。契約社員の更新の最大年数は法律では定められていませんが、5年を超えると無期雇用への転換を労働者から申し出ることができます。ただしあくまで雇用期間の期限をなくす措置であり、次に説明する正社員への転換とは異なります。

専門的知識等を有する者、満60歳以上の者は上限5年、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約はその期間

 

正社員登用制度とは

正社員登用制度とは、パートやアルバイト、契約社員など非正規雇用労働者が正規雇用、つまり正社員へ雇用形態の転換を行う制度です。正社員登用の基準は各企業に任されていますが、一般的に勤続年数や人事評価などの要件と、筆記や面接などの登用試験を設けているところが多いです。
正社員登用については、パートタイム・有期雇用労働法により、幅広くその機会を講ずることが義務づけられため、多くの人にキャリアを見直すチャンスが広がっています。

 

正社員登用制度の利用で確認したいこと

契約社員で入社して、将来的に正社員登用制度を利用したい、または利用するかもしれないと考えている人は、次の3つの点を確認することが大切です。

1.正社員登用制度があるか
2.非正規雇用から正規雇用登用の実績があるか
3.正社員登用されるための基準や流れ

正社員登用制度そのものは、全ての会社にあるわけではありません。実際に制度があるかは会社に確認する必要があります。求人欄への記載は必須ではないので、応募や面接時に気になる企業があれば直接確認する必要があります。
あわせて、過去の正社員登用実績の有無や、正社員登用されるための具体的な採用基準や実施時期などの流れを確認することがポイントです。
また、入社の際には、正社員への転換推進措置について、会社が口頭で説明する義務がありますので、その際には、詳細な資料などを求めてみましょう。

 

有期雇用から無期雇用になる方法

前述のように、正社員と契約社員との大きな違いは雇用契約期間の有無ですが、雇用契約の期限を外し、無期雇用になる方法があります。

無期雇用転換制度とは

パート、アルバイト、契約社員など有期労働契約者が契約更新して通算で5年を超えて同じ企業にいる場合には、労働者からの申し出により期間の定めのない無期労働契約に転換できるという制度があります。平成25年4月1日以降(労働契約法第18条/平成25年4月1日施行)の有期労働契約が対象で、それ以前に締結された期間は通算5年には換算されません。

また、これはあくまで雇用期間の期限をなくす措置であり、正社員に転換する制度ではありません。ただし無期雇用になることで、労働者は「次の更新時に契約を解除されるかも」という不安はなくなり、企業側も長期的な視点で仕事を任せることができます。給与や待遇、その他の雇用条件などは契約社員のときのものが基本的に引き継がれますが、無期雇用転換後に適用になる就業規則で労働条件を確認しておきましょう。

無期雇用転換制度を利用するには

契約を無期雇用に転換しようと思うなら、まず自分の雇用契約が最初の契約から何年経っているか確認しましょう。同一雇用主との間で、有期労働契約が5年を超えていれば、この制度を利用することができます。また、この制度は自ら申し出た場合のみ適用されるもので、自動的に無期雇用になるわけではないため、希望する場合には必ず自ら申し出ましょう。このとき、雇用主は有期労働契約者からの申し出を断ることはできません。そして、申し出をした時点で契約している有期労働契約の終了日の翌日から、無期雇用に転換しますので、事前に転換後の労働条件を明示してもらいましょう。

 

社会保険の加入・休日や有給の条件は同じ

会社の社会保険(厚生年金、健康保険など)の加入は、正社員と同じフルタイム勤務の契約社員であれば、加入が必須となります。有給休暇も、一定期間・所定の労働時間を勤務していれば正社員と同等に有給休暇も取得できます。また、働き方改革関連法の成立により、2019年4月から「年次有給休暇の取得義務化」がはじまり、10日以上年次有給休暇を付与される方については、「年5日の有給休暇」を会社側が労働者に必ず取得させることが定められました。産休も労働基準法に則り、同じように取得できますが、育児休業については、入社1年以上などの条件がありますのでお勤めの会社で確認しましょう。

契約社員も休日や有給休暇は正社員同様

 

正社員のメリット

・長期の就業がしやすい
・仕事の裁量権が大きい
・教育研修など機会に恵まれやすい
・給与(昇給・ボーナス含)が高くなりやすい
・中長期でスキルアップしやすい
・会社独自の福利厚生の利用範囲が広い
・社会的な信用度を得やすい

基本的に無期雇用が多い正社員は、長期で働いて会社の業績貢献をすることが期待され、契約社員より、仕事の範囲(職務範囲)が広く、転勤や部署異動による配置の変更範囲も広いのが特徴です。そのため、教育研修の機会が多かったり、仕事の裁量権が広く、結果、リーダーなどの管理職や、事業の中核に関わる仕事に携わるチャンスが増えて、中長期での経験スキルを上げやすい環境にあります。また、その職務要件や配置変更範囲の違いにより、会社独自の福利厚生である、通勤手当、住宅手当、社員寮、健康診断補助、財形などで、会社によっては契約社員の利用が一部できないことがあります。ちなみに、正社員は、長期に渡って収入・雇用の面で安定していると判断されることから、クレジットカードや住宅購入などの長期ローンの審査が通りやすいともいわれています。

 

正社員のデメリット

・やりたい仕事ができるとは限らない
・転勤や部署異動の機会が他より多い
・仕事の責任が重い、休暇が取りにくい場合も

上記のように、正社員は、会社内の配置変更の範囲が最も広いのも特徴です。結果、必ずしも希望する仕事ができるとは限りません。また、思いもよらぬ場所への転勤、急な部署の異動の機会も、有期雇用の契約社員よりは増え、断ることは難しいものです。より責任のある仕事を任せられるため、人によっては、重たく感じたり、仕事をやりきるために希望する日に休暇がとりにくいことも出てきます。

 

契約社員のメリット

専門性を発揮しやすい、パートより月収が高め

半年、1年などの単位で雇用する契約社員の場合、お願いしたい業務範囲が明確なことも多く、これまでの経験や専門性を発揮しやすいことも多いです。正社員よりも業務範囲が限定されることで、仕事のプレッシャーや残業も軽く、自分のペースを守りながら仕事がしやすい傾向にもあります。一方、パートと比べると、業務範囲が広く一定の経験が積めたり、パートより勤務時間もフルタイムなど、まとまった月収が得られるなどのメリットもあります。

副業をしやすい

正社員では大半で副業が認められていない、もしくは許可制とされていますが、契約社員であれば副業やかけもちを認めている会社も多いもの。自身の夢を追いかける、得意なことをいかしてちょっとしたお小遣い稼ぎするといったことも可能です。ただし、副業を始める前に、会社に就業規則を確認しましょう。

正社員に比べて面接のハードルが低め

雇用期間が限定された契約社員の場合は、正社員と比較して、面接のハードルが低めです。希望の業界や会社で契約社員として働き、キャリアアップをはかったり、正社員採用を狙うのもよいでしょう。また、自分に社風があわない、仕事内容が思っていたのと違った場合、契約期間が満了すれば、更新しなくていい気楽さもあります。

 

契約社員のデメリット

雇用期間の定めがある

契約社員は原則として3年を超える契約期間を設定できません。企業の業績が悪化した場合など、あらかじめ就業規則や労働契約書(就業条件明示書)で明示した合理的な理由に該当することにより、働く側が希望しても契約が更新されないこともあります。

アシスタント的な仕事内容になる場合も

雇用期間、業務内容が限られての契約になるため、比較的簡単な作業・アシスタント的な仕事になることもあります。契約社員として働きつつキャリアアップをのぞむ場合は、業務内容について契約時にしっかり確認しておくのがおすすめです。

昇進・昇給は契約時に要確認

契約期間内は昇進、昇給は期待できないことが多いようです。ただし、契約更新時に、昇進(役付きの補佐やリーダーなど)や昇給について交渉の余地がある会社も。会社の制度によるので、こちらも契約時に確認しておく必要があります。

ボーナスや退職金、福利厚生は会社による

ボーナスや退職金、会社独自の福利厚生の制度は正社員のみに用意している場合が多く、契約社員がどれだけ享受できるかは会社によります。そのため臨時収入をあてにせず、住宅購入や老後資金など、自身でライフイベントに備える必要があります。

住宅や車のなど長期ローンが組みにくい場合も

雇用期間の定めがある契約社員の場合は、正社員に比べると、住宅や車などの長期ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなる場合もあります。

 

それぞれの特徴を理解して選びましょう

契約社員は、雇用期間が決まっている分、待遇などで正社員との差はありますが、仕事とのメリハリがつけやすい働き方とも言えます。2020年4月からは、法律で「同一労働同一賃金」がより進みます(※)。同じ会社で、仕事内容、判断が任されている仕事の範囲、転勤や異動などの条件が同じ場合、正規非正規、有期無期に関係なく、給与や手当などの待遇に不合理な差をつけてはならない、という内容です。また、その差に対して、就業中でも会社に説明を求めることができこれから契約社員か正社員で仕事を探す人は、求人内容や面接の場で確認したり、すでに入社後の場合でも、疑問に感じることがあれば確認し、自分に合う働き方を選ぶようにしましょう。

「パートタイム労働法」は、2020年4月1日、「パートタイム労働者」に加え、「有期雇用労働者」も適用として対象者の範囲を広げ、法改正とともに「パートタイム・有期雇用労働法」に名称変更。中小企業は、2021年4月1日から適用。

「同一労働同一賃金」ガイドライン(厚生労働省)

監修:冨塚祥子(トミヅカ社会保険労務士事務所)
 
※2022年2月19日の記事を更新しました。

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