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2024年03月21日

パート・アルバイトも厚生年金保険に加入できる!加入条件と適用範囲の拡大、メリットなど解説

パート 厚生年金 タウンワークマガジン townworkパートやフリーターなど学生でないアルバイトも、一定の条件を満たすと、勤務先の厚生年金保険に加入することになります。この記事では、パート先やアルバイト先で厚生年金保険に加入するための条件や加入のメリット・デメリットなどを解説します。

◆106万円の壁の条件は2024年10月より、現行の101人から51人以上の規模の会社まで拡大されます。厚生労働省では、106万円での社会保険加入や130万円での扶養を外れることに対し、手取りを減らさない「年収の壁・支援強化パッケージ」を公表しています。
(参照)厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」

厚生年金保険とは

厚生年金保険は、会社員や公務員が加入する公的年金で、支給開始は65歳です。保険料の基本的な考え方は、月の給料に保険料率を掛けて算出します。納付する保険料は、会社などの勤務先が半分負担します。また、保険料には国民年金の分も含まれているため、国民年金+厚生年金保険の2階建てで支給されます。

国民年金と厚生年金の仕組み タウンワークマガジン townwork

厚生年金と国民年金の違いとは

国民年金は、老齢基礎年金とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の日本在住者が加入します。支給は65歳からが原則です。

厚生年金と国民年金の違いはいくつかありますが、中でも重要なのは、受給資格についてです。国民年金は、状況に応じて保険料納付の猶予や免除の制度がありますが、受給資格を得るには、10年以上の納付と認められる期間が必要です。

一方、厚生年金は自身で1ヶ月以上、保険料を納付すれば受給資格が得られます。なお、厚生年金は2階部分なので、厚生年金の受給には、1階部分である国民年金(基礎年金部分)の受給資格を満たす必要があります。

 

厚生年金加入のメリット・デメリット

加入のメリット

・年金額は厚生年金分が増える
・保険料は会社が半分負担してくれる
・障害年金、傷病手当などの保障が厚い
・遺族年金を家族がもらえる

厚生年金保険をはじめ、社会保険に加入するメリットは、将来の年金と、就業中のケガや病気などのアクシデントへの保障が厚いこと、自分が将来先に亡くなった時の遺族年金制度の対象になることなどがあります。

 

加入のデメリット

・扶養を外れて加入する人は保険料負担が増える

夫の扶養にいる間は、被扶養者の妻の分の社会保険料は発生しません。そのため、夫の社会保険の扶養に入っていた人が扶養を外れると、社会保険料の負担が世帯として増えるのがデメリットです。年収106万円程度の場合、厚生年金保険料と健康保険料は合わせて年間15万円前後(40歳未満の場合)なので、扶養から外れて世帯年収を増やすには、パート収入で年間の概算125万円以上となります。
なお、それまで家族が自営業などで国民健康保険や国民年金に加入している人は、これにはあたらないので、労働時間は気にせずパートで社会保険に加入した方がかえって保険料負担が減るケースもあります。

 

厚生年金の保険料と将来の年金額の例

では実際、厚生年金保険の保険料と上乗せされる年金額はいくらになるのでしょうか?年収約106万円(月収で約88,000円)で加入した場合で、シミュレーションしてみましょう。

▼1年間加入の場合
保険料の自己負担額は月額8,100円
年金は1年あたり5,400円増える

▼10年間加入の場合
保険料の自己負担額は月額8,100円
年金は1年あたり54,100円増える

参考:厚生労働省 厚生年金_ガイドブックP3より

 

厚生年金保険の加入条件

会社などの法人や、常時5名以上の従業員を雇う個人事業主(※理美容業、飲食業などのサービス業、農林漁業を除く)は、社会保険に加入することが法律で義務付けられています。これらの事業所で働く従業員は、1カ月以上の雇用契約であればパートやフリーターなどアルバイトも社会保険の加入対象になります。会社は以下の2ついずれかの条件を満たす人を加入させる義務があるので、詳しく見てみましょう。

正社員の3/4以上働く人

勤務日数と時間が、フルタイムの正社員の1カ月の勤務日数と1日の所定労働時間の4分の3以上で2か月以上雇用される見込みがあれば加入義務があります。
この条件は、会社の規模や年収額に限らず適用され、学生であっても条件に当てはまれば適用されます。

年収約106万円以上の人

年収が106万円以上で、下記条件を満たす人も加入の義務があります。この条件は、2024年10月にさらに適用範囲が拡大される予定です。

<2022年10月時点の適用条件>
1.勤務先の従業員数が101人以上(厚生年金保険の被保険者数)であること
2.週の労働時間が20時間以上であること
3.月に8万8000円以上の収入があること(年収106万円以上)
4.雇用期間が2ヵ月を超える(見込みも含む)パートやアルバイトであること
5.学生でないこと(夜間学生や定時制の学生などは加入対象となるケースあり)

<2024年10月以降の変更点>
・勤務先の従業員数が101人以上から51人以上に変更

 

今の手取りか将来の年金かで考えよう

社会保険料は人にもよりますが、年収106万円程度の場合、厚生年金保険と健康保険料は合わせて年間15万円前後です。今の手取りを減らしたくない人は、厚生年金保険の加入義務が発生しないように勤務時間や収入を抑えておくといいでしょう。現在年収106万円程度で社会保険に加入していない人が、社会保険に加入した場合、今の手取りを維持するには年収約125万円程度が目安となります。どの働き方が自分にとって良いのか、賢く判断してみてくださいね。

■監修
渋田貴正

司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

※初回公開:2019年07月26日、更新履歴:2022年10月1日、2023年6月28日、2023年10月31日

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