突然の解雇。明日からバイトに来なくていいと言われた時、どうすべき？

長期雇用の場合は、「解雇予告手当30日分」を支払わない限り、解雇はできない

アルバイトも会社から一方的に「明日から来なくていい」と言われれば、一般的には解雇通告に該当します。この場合、解雇予告手当の支払い又は解雇の30日前の予告が必要となります。（解雇予告／労働基準法第20条）
一方で、日雇い、2ヶ月以内の期間を定めて雇用される短期バイトや、試用期間中で働き始めてから14日以内の場合、4カ月以内の季節労働者の場合は、解雇予告手当の支払い又は解雇の30日前予告義務などはないので、解雇予告手当の支払いや解雇の30日前の予告は不要となります。

※日雇いでも、結果1か月を超えて継続勤務している人は除く

解雇予告手当とは

解雇予告手当とは、雇用側の都合で30日以内に解雇する場合に30日に満たない分相当を払う補償のことです。
即日解雇の場合、平均賃金×30日分の手当てを受け取れます。来週から解雇なら、来週を7日とすると、平均賃金×23日分が解雇予告手当となります。30日以上前に解雇予告をされたら、手当無しとなります。例えば、4月30日の退職なら、3月31日より前に予告されると、解雇予告手当は受け取れません。
解雇理由が、無断欠勤や遅刻が多いなど、勤務態度に問題があった場合でも、原則として、30日以上前の予告と、予告ができないときには解雇予告手当の支払いが雇用主には義務付けられています。ただし、本人に重大又は悪質な義務違反や背信行為があると労働基準監督署が認める場合には、この解雇予告や解雇予告手当の支払義務は無くなります。

解雇予告手当の請求をするためには？

①解雇通知書をもらっておく
「明日から来なくていい」と解雇予告をされたら、その日のうちに、予告された日と、解雇日、解雇される労働者の氏名、使用者名のある解雇通告書を必ずもらっておきましょう。また解雇理由を明確にしておきたい場合は、理由も書いてもらうようにしましょう。

②解雇予告手当の請求方法
支払いがない場合は、まずは直接会社に請求します。会社が話し合いに応じてくれなければ、書留郵便など相手が受け取ったかわかる形式で書面で請求しましょう。それでも支払われない場合は、労働基準監督署に、解雇通知書など、それまでの経緯のわかるものを揃えて相談しましょう。

解雇予告手当の計算方法

解雇予告手当は、1日当たりの平均賃金×30日分で計算します。1日当たりの平均賃金は、原則、解雇予告日以前の直近3ヶ月分の賃金の総額を、その期間の総日数（暦日数）で割った金額になります。
ただし、時給や日給のアルバイトやパートなど日数変動が大きい人は平均賃金が低くなる場合があるため、総額を総労働日数で割った6割に当たる額の方が高い場合はその額を平均賃金として適用します（最低保障額）。

尚、賃金総額は給与の締め日がある場合締め日ごとに、通勤手当、時間外手当など諸手当を含み、税金や社会保険料などの控除前の額で計算します。

法律で解雇を禁止する主な例

下記理由での解雇は、法律で禁止されており無効となるので、よく確認しておきましょう。

上記のような法令で解雇無効と定めのある理由以外の解雇についても、解雇理由の合理性が必要とされています。納得がいかない解雇理由の場合や、証明書を出してもらえない場合は最寄りの労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談をしましょう。

※初回公開：2014年3月27日、更新履歴：2021年02月17日、2024年2月9日