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2024年01月12日

自分らしさとは?自分らしさを知る方法やコツなどを紹介(精神科医監修)

自分らしさとは,Townwork,タウンワークマガジン「自分らしさ」とは何なのか…。自分自身のどういう面が自分らしいのか、うまく説明できなかったり、そもそも分からないという人も多いのではないでしょうか。今回は自分らしくいるとはどんな状態か、どうやって自分らしさを知るのか、自分らしくいるためのコツについてについて、精神科医の益田裕介先生に伺いました。

自分らしさとは何か

自分らしさとは、一般的には「他者にとらわれず自分の価値観や性格を尊重している状態のこと」です。ちなみに、個性は「他人との違いから生まれる特性」、長所は「その人の得意や生まれ持った能力」を意味します。個性は他者との比較から生まれ、長所が「自分らしさ」との一部です。

精神医学では「自分らしさ」を「脳の現象」のひとつと捉え、次の3つによって引き出されると考えています。

  • DNAで作られたタンパク質の塊(=脳)が持つ情報(生まれ持った素質、体質、才能)
  • 脳に蓄えられた記憶(知識・経験・体験)
  • 脳への外部刺激(今の状況や環境)

「自分らしさ」は、「生まれもった才能や素質、体質」というハードウェアと「学習経験、記憶・知識・経験」というソフトウェアと「現在の状況」の掛け合わせで構成されるものです。つまり、年齢とともに「状況」が変化するので、経験や知識も増えていくため、自ずと「自分らしさ」も変わっていきます。

 

自分らしいって、どんな状態?

ここからは、自分らしい状態とは具体的にどういうことか、自分らしくいると、どんな変化が起こるかを解説します。

自己と現状がマッチしていること

精神医学からみた「自分らしくいられる状態」とは、ハードウェア・ソフトウェア・状況の3つがマッチしている状態を指します。
言い換えると、その人の得意なこと、やりたいこと、社会の評価の3つが合っているとも言えます。

  • 自分が得意なこと(素質や体質)
  • 自分がやりたいこと(経験や意欲)
  • 社会が求めていること(状況)

たとえば、運動が得意でサッカーを続けていて、サークルや部活で活躍、周囲から評価・頼りにされている、といった状況です。自己の素質や体質、経験、積み重ねが発揮できていて、周囲にも認めてもらえている現状は、自分らしくいられる状態と言えます。

自分らしくいられると起きること

自分らしくいられる人は、いわば自分の「トリセツ」を知っています。「自分の体質や性質、経験」といった「自分らしさ」をきちんと把握できていると、以下のようなメリットがあります。

  • 自分の得意不得意、弱点や苦手を理解しているので、苦手な人、場所や状況を避けることができる
  • 自分の得意や体験を理解しているので、努力の仕方や目標を立てやすい
  • 他人と比較せずに、自分を受け入れることができる

たとえば、人と話すのが苦手だからコミュニケーション能力が必須のバイトは自分に合わないといった決断ができます。また、人と自分が違うことを受け入れ、自分と気が合う人/合わない人がわかっていれば、人間関係もぐっとラクになることでしょう。

 

なぜ、人は自分らしくいられないのか?

とはいえ、自分らしくいたいと思っていても、そう簡単にできないと感じてしまう人がいるのはなぜでしょうか。ここからは、その理由をお話しします。

周囲の状況に影響を受けてしまう

自分らしくありたいと思っていても、周囲から求められること(状況)がマッチしないことがあります。学生でも社会人でも、以下のような状況ではミスマッチを起こすことはよくあります。

  • 親を含めた周囲の抑圧(スポーツが得意で続けてきたのに、家業を継ぐために断念したなど)
  • 友人や周囲に影響され、決断してしまう
  • パートナーのために引っ越しをして、仕事、住む場所、友人関係が一変する
  • 女性であれば、出産をきっかけにキャリアを諦める
  • 作家をしていたがAIが台頭し、本が売れなくなってしまった、等

自分のやりたいこと、得意なことを押し殺して、周囲から求められることに合わせていれば、「本当はこんなはずではなかったのに」「生きにくい」と感じることでしょう。

決断が受け身で自分が見えなくなる

「自分らしさ」には、自分を理解し、能動的に決断することが欠かせません。ただ、「親や人に言われたから」「周囲の顔色を窺ってしまう」と受け身、受動的で決断することは多く、人にとっても楽な生き方です。そうして周囲の声に流されてその場限りで生きていると、一貫性がなく、「自分らしさ」を見失ってしまいます。

そもそも、自分らしさを見つけることは地味な作業で、骨が折れるし刺激もありません。忙しいときはもっと時間があれば趣味に費やせるのに…と思っているのに、いざ時間ができたのに無意味にスマホを見続けてしまう、そんな状況に似ています。情報や娯楽が溢れている今、ぼんやりしていると、自分らしさを見失いやすい状況といえるかもしれません。

 

自分らしさを知るための方法とは?

自分らしさを知るためには、心身を健康な状態を保ちながら過去の自分について理解していきます。「生まれもった才能や素質、体質」「学習経験、記憶・知識・経験」「当時の状況」の3つを交えながら、自分について振り返っていきましょう。

まずは心身の疲れを取ることから

現代人は圧倒的に過労の状態です。睡眠時間も足りず、常にカフェインやアルコールが入っている状態が続いています。体と脳が疲れた状態では思考もネガティブになり、正しく自分と向き合うことはできません。まずはよく寝ることからはじめ、30分でよいのでスマホを手放し、ぼんやりして脳を休めるところからはじめましょう。

自分の記憶、知識、経験をありのまま振り返る

自分らしさを理解するには、精神医学では「今の状態を客観的に見る」「生い立ちを語りなおす」ことが欠かせません。成功経験も失敗経験も、一つずつひも解いていく必要があります。自分と向き合うことは勇気が必要ですが、言い訳をしたり、目をそらすことなく「ありのまま」を振り返り、直視していきましょう。

特に失敗体験は、悪い感情に引っ張られ起こった出来事を正しく整理することができません。そんなときには親や友人、先輩など、信頼できる人に頼ってもいいです。まずはエピソード、事実だけ語っていきます。その際、自分がどう思ったかなどの感情は持たないようにしましょう。そうすることで、過去の出来事や事実を客観的に見ることができます。

また生まれ持った要素(素質や体質)について、自分の親について知ることも一つの方法です。自分の親は若い時や今の自分と同じ年齢の時に何をしていたかなど、親の人生や特徴を知ることで、自分との共通点や今後の自分の参考になることもあります。

紙に書く前に頭だけで整理してみる

精神医学で、自分と向き合うのに取り入れられているのが「マインドフルネス」です。いわゆる瞑想で、深呼吸を繰り返しながら、雑念を振り払って、過去について思いついたことを観察してみても良いでしょう。ネガティブな方向に考えたり、違う話題が思い浮かんでしまったら、呼吸に集中します。まずは30分頭の中だけで、過去を整理してみましょう。

なるべく毎日、自分と向き合う

日々刻々と状況が変わっていくように、自分らしさも日々、変化していきます。また、過去の経験や知識の棚卸は1日ではできません。毎日、少しずつ自分と向き合う時間を作ってください。1日のできごと、過去の様々な思い出と向き合っていきましょう。失敗体験や苦い思い出と向き合い、受け入れるのは容易ではありませんが、瞑想を続けていくうちに、「こんなこともあったな」と自然と受け入れられることでしょう。

 

自分らしくい続けるために重要なことは?

人は状況によって自分らしくいることが難しいことも多いですが、その中でも自分らしくい続けるためのコツを紹介します。

常に今の状況と自分が合っているか確認する

自分らしくいるコツは、「確認し続ける」ことにあります。「自分らしさ」は「状況」によって変化していきます。ストレスを感じるようであれば、「自分らしさと現在の状況はマッチしているか?」を問いかけてみましょう。もしかして、現在の状況がマッチしていない場合は、思い切って環境を変えてみるのもひとつの選択肢です。

  • 自分らしさを整理する
  • →自分にあった目標/目的を定めて行動する
  • →状況を見極める
  • →行動修正をしていく

というサイクルが作れるようになると、より自分らしくい続けることができます。

どんな状況でも自分らしくいると覚悟を決めること

ライフステージの変化や年代によって、自分ではどうにもできない状況に直面することが多くなっていきます。その場合は、「◯年はここで働く」「この3年間は子育てに専念する」などと覚悟を決めて、状況を受け入れることも大切です。短期的な時間軸で考えるのではなく、長期的な視点で考えることで、覚悟も決まりやすくなります。

 

監修:益田裕介
精神保健指定医、精神科専門医・指導医。岡山県出身、防衛医大卒。早稲田メンタルクリニック院長
精神疾患や治療法、カウンセリング技法などの解説を行なう、youtube「精神科医が心の病気を解説するCh」は、チャンネル登録者数は52万人超 (2023年12月時点)
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