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2016年08月09日

シンガーソングライター・井上苑子さんに聞く「夢を叶える秘訣」

井上苑子2

※撮影:八木虎造

井上苑子さんは現在、大学1年生のシンガーソングライター。小学5年生のときに歌手を目指し、高校生のときにツイキャスを始めて、現在、視聴者数が200万人を突破! 17歳でメジャーデビューを果たした彼女に「夢を叶える秘訣」を聞いてみました。

3歳から歌いはじめて11歳で歌手になることを決意!

――井上さんが「歌手になろう」と決めたのは何歳の頃ですか?

小学校5年生のときです。歌は3歳ぐらいの頃から歌っていたんですけど、スクールに通って本格的に歌い始めたのが小5のときでした。

――小学生の頃は夢っていろいろあると思いますが、なぜ歌手を選んだんですか?

歌うと周りの人が褒めてくれるし、自分の自信にもなってきたんですよ。母親がボイストレーナーをしていたので、ちゃんと習ったほうがもっとうまくなるかなと思ってスクールに通うことにしたんです。

――それで、お母さまから教えてもらったんですね。

いえ、母親ではなく、別のスクールに通い始めました。母親から教えてもらうのって恥ずかしいし、親子の甘えみたいなのが出ていややないですか。でも、母親から出された条件が、入学の際にテストで賞をとると授業料が3ヵ月間免除になるので、絶対に賞をとるということ。そうじゃないと「入らせへん」って言われて、お金のために頑張りました(笑)。

――いわゆる家庭の事情ですね(笑)。結果はどうでしたか?

賞をとれて見事、授業料免除になりました!! でも、賞がとれたことも自分の中ですごく自信になったんですよ。それで歌を勉強しながら、同時にギターも買って練習し始めて。

――ギターもスクールで習ったんですか?

いえ、独学です。私、歌謡曲の楽譜が掲載された本が大好きで毎月買って歌っていたんですけど、その本にギターのコードも書いてあるので、それを見ながら練習していました。

ギターをやろうと思ったのは当時『タイヨウのうた』という曲が大好きでギターで弾きながら歌ってみたいと思ったから。『タイヨウのうた』を練習しながら、自分でも作詞作曲を始めたんです。

――作詞作曲まで始めたんですか!!

ミュージシャンなら曲は自分で作らんとあかんと思っていましたから(笑)。ギターがある程度弾けるようになってきたときに、コードを見ながら自分でも曲が作られへんかなと思って、一番最初にできた曲が『こころ』という歌。この2曲をマスターしたところで路上ライブに出始めたんです。

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誰も止まってくれなくても、ヤジを飛ばされても、やっぱり歌いたかった

――小学生で路上ライブ!?

私、大阪出身なんですけど、大阪ってめちゃめちゃ路上ライブをしている人が多いんですよ。それを小さい頃から見ていたんで、私もギターが弾けるようになったら路上に出ようと思っていて。その頃、自分が小学生だからとか考えなかったんですよね。「歌いたいから歌う」って気持ちが強くて。

それで、小6のときに梅田の歩道橋の上で歌い始めたんですけど、警察の人がしょっちゅう見回りに来ていて「これはあかん」と思って、アメ村で歌うようになったんです。

――とはいえ、最初は人の足を止めるのは難しかったのでは?

みんな素通りです。止まってくれる人なんて誰もいませんでした。1日中、誰も止まってくれない中で歌うことも何度もありましたし、やっと止まってくれて、嬉しくて笑顔で歌ったら「ヘラヘラしてるんじゃねーよ!」とヤジを飛ばされたり。チラシを配っても目の前で捨てられたこともありました。撤収するときに自分が作ったチラシが捨てられて踏まれていると恥ずかしいし、悲しい気持ちでいっぱいになりましたね。

――それを聞くだけでめげそうですけど、路上ライブをやめようと思ったことはなかったんですか?

なかったですね。私、路上ライブを始めてからブログをやっていて「この日に何時から路上ライブやります」って書いていたんです。だから、「今日も誰も聞いてくれなかったらいややな」と思っても、誰かがブログを見て来てくれるかもしれないし、その時に自分が歌っていたなかったらあかんと思って行っていました。ブログで発信することで、お客さんに伝えるだけでなくて自分にも気合いを入れてたんやと思います。

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足を止めてくれた人には、もっと井上苑子を知ってください!って思いだった

――ブログで発信するほかに、路上ライブでお客さんを集めるために努力したことがあれば教えてください。

とにかく笑顔でいることを心掛けました。やっぱり楽しそうに歌っていると足を止めてくれる人が多かったので。それと歌詞を伝えたかったので言葉をしっかり聞きやすく大切に歌いましたね。路上ライブはスルーされるのが当たり前と思っていましたら、足を止めて歌を聴いてくれた人に井上苑子の歌の良さを分かってもらいたいということを一番に考えていました。

――なるほど! リピーターを増やしたんですね。

そうです! あとはCDを焼いて手売りもしました。母親に手伝ってもらいながら、真っ白のなんも書いていないディスクに自筆で曲のタイトルを書いて100均で買った安い紙袋に入れて。

中学生になってからは毎週土・日曜に歌っていました。1日1時間、15時~16時って決めて毎週通っていましたね。土曜日は学校から帰ったらすぐに着替えてギターを持ってアメ村へ直行!

そうすると少しずつお客さんが増えてきて、毎週来てくれる人もできたんです。暑い日は飲み物を差し入れしてくれたり、寒い日は簡易のストーブを持ってきてくれたり。路上ライブはツライだけじゃなくて人の温かさも感じられました。

それで、中学3年生のGWに手売りのCDが100枚売れたんです。このときが一番、大勢のお客さんが集まりました。でも、このままでいいのかなと思う自分がいて…。

お客さんが増えて嬉しいけれど、このままじゃ何も変わらないなと考えて「東京へ行こう!」と決めた

――着実にお客さんが増えてきているのに、このままじゃダメだと思ったんですか?

お客さんが増えてきたのは本当に嬉しかったんですけど、このまま続けていても同じことの繰り返しだなと思って、環境を変えなきゃあかんと感じたんです。それで中3のときに上京すると決めました。

――ご両親に反対されませんでしたか?

まーったく(笑)。むしろ「まだ東京行かんの?」って言われていましたらからね。基本、ほったからしの親なんで(笑)。でも、東京で高校が決まったときに家探しを手伝ってくれたりして、すごくサポートしてくれています。

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流行っていたツイキャスをやったらどんどん視聴者数が増えてびっくり!!

――高校で上京してから歌手になるために挑戦したことは?

高校では路上ライブではなく『ツイキャス』で歌うようにしました。当時、高校ですごく流行っていて、めっちゃおもしろそう!と思って自分も始めたんです。最初は大阪で路上ライブをやっていたときのお客さんが観ていてくれて、何十人ぐらいしかいなかったんですけど、どんどん増えてきて、半年で視聴者数が2,000人ぐらいになったんですよ。

――半年で2,000人はスゴイ! 一体、何をやってフォロワー数を増やしたんですか?

トップページや「おすすめ」に表示されたときに、「何をやっているかすぐ分かる」ようにギター持って笑顔のキメポーズをトップ画面にしました。そして、私もいろんな方をフォローして、そこから私のアカウントに飛んでくれる方もいましたね。あとはフリーライブを開いて告知したり。そうしたら100万人ぐらいになっていて、ホンマ、桁がおかしい、ウソやろ?って思っていました(笑)。

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夢を叶えるためには、なりたい職業を自分でめちゃくちゃ調べるしかない!

――それで話題になって、17歳のときにメジャーデビューという夢を掴んだわけですが、小学生の頃の夢を叶えられた大きな理由はなんだと思いますか?

やっぱり行動するってことが一番やと思います。あとはストレスを溜めないこと! きっと夢を諦めるときって悩んでしまって辞める人が多いと思うんですけど、悩みやストレスはいろんな人に聞いてもらうのが大事。困ったことをひとりで溜めこむよりも、人に話すことで「そんな考え方あるんや」って新しい世界が開けることがあるんで。

――今、夢を叶えたいと思っている高校生や大学生がまずするべきことは何でしょうか?

なりたい職業のことをめっちゃ調べること。私も歌手になりたいと思ったときに大好きなミュージシャンの方のことをほんまに調べたし、ライブにもたくさん行きました。そうするとこの職業の何が好きで、どうなりたいのかが見えてくるんです。自分がなぜやりたいのか、どうして惹かれているのかを自分自身で分析すると、夢が近付いてくると思います。

――最後に夢を叶えて良かったことを教えてください。

私、歌うことぐらいしかできないんですけど、でも、それが一番好きなことなんです。私自身がツラいときや悩んだといはいつも音楽を聴いて前向きな気持ちになってきました。きっと音楽って目に見えて何かを与えるわけではないけれど、人の心を精神面で支えてくれるものだと思うんです。だから、私が音楽で支えられたように、私も誰かを支えたい。それができるようになって、ほんま良かったと思います。

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■Profile
いのうえそのこ/1997年12月11日生まれ。最新シングル『ナツコイ』が発売中。

HP:http://www.inoue-sonoko.com/

取材・文:中屋麻依子

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