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2020年07月29日

瑠伊(vistlip)インタビュー『自分に暗示をかけられるアイテムを身につけることで理想に近づいていける』〜俺達の出発点vol.7〜

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork

華麗な容姿とそれに劣らぬ実力で、日々メロディアスな音楽を奏でるアーティ ストたち。そんな彼らは、過去のどんなことを経て今の活躍を手にしたのか——。この連載では、過去から現在に渡って彼らを支えてきた音楽や思い入れのある物についてご本人に赤裸々に語っていただきました。

7月7日に結成13周年を迎えたvistlip(ヴィストリップ)から、ベースの瑠伊さんが登場。本格的にバンド活動を始めた頃から、現在もステージで常に着け続けているという指輪の話を中心に、瑠伊さん自身の変化について伺いました。

 

本格的にバンドを始めた頃、憧れていた指輪をバイト代で購入

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――アーティストの方々に“自分を支えてくれた物”についてお伺いする企画なのですが、瑠伊さんは何が支えになりましたか?

デビュー前からずっと付けているALEX STREETERというブランドの「エンジェルハート」というシリーズの指輪です。国内外問わず、僕の憧れのミュージシャンの方たちが身につけていた指輪です。元は映画で悪魔のモチーフとして使われたモノで、その全てがカッコよくて一生懸命バイトをして買いました。

――その頃の瑠伊さんは、どういった時期だったのでしょうか?

今のバンド(vistlip)の前身バンドを始める頃で、それまでもバンドはやっていましたが、ちょうど本格的にヴジュアル系のバンドとしてプロを目指そうとしていたタイミングでもありました。ステージに立つためには煌びやかでいたいという願望とも重なって、よりこの指輪に憧れたんだと思います。

――当時から、ヴィジュアル系の世界観も好きだったんですね。

そうですね。音楽に視覚を加えることで、最大限にその曲の世界観を引き出せるのがヴィジュアル系の魅力だと思うし、その時々で色々な自分に変化していけるのも醍醐味だと思っています。

 

メイク・衣装・指輪、全てが自分を変化させる大事なアイテム

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――話は戻りますが、その指輪を支えだと感じるのはどうしてでしょうか?

僕はすごく人見知りで、どちらかというと引っ込み思案な性格だから、ステージに立つ時に自己暗示が必要なんです。メイクをして、華やかな衣装を着て、香水をつけて、この指輪を着けます。最後に鏡を見て“よしっ、いける”と暗示をかけることで自分を覚醒させられるというか。メイクや衣装、どれが欠けてもダメなんですけど、その中でも唯一身に着け続けているアイテムがこのシリーズの指輪なんです。

――着ける指にもこだわりがあるそうですね。

左手の薬指につけます。一般的には結婚指輪をはめる位置なんですけど、その理由は左手の心臓には“心臓から直結する血管”が流れていて、その指を縛ることで“相手に一生を捧げる”という意味があるからという説を聞いたことがあって。このリングは悪魔も象徴しているので、自分の中では“異世界のものに身を捧げるからステージに立つ勇気を下さい”みたいな。言葉にすると、中二病っぽくてかなり恥ずかしいんですけど(笑)。

――実際は、それを鏡の前で唱えていると。ちなみに指輪はいくつか持っているんでしょうか?

様々なタイプの石の色があるので、“この衣装にはあの石の色が合いそうだな”と考えると、どんどん増えていってこれまでに手に入れたのは合計で8個です。でも、人にゆずったり割れちゃったりで、今も現役として手元にあるのは今日持ってきた3つですね。1つの指輪に執着しているというよりは、“決まった指に、この意味合いのある指輪を着けること”が大事だったんです。

ただ、薬指にしていることで一時期、既婚説が流れたこともあって(苦笑)。変な捉え方をされるのはイヤだったから着けるのを止めようと思ったこともあったけれど、暗示のほうが自分の中では大事だったので、それを跳ね除けて着け続けました(笑)。

 

指輪がないとステージに立てないくらい依存していた時期もあった

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――それだけステージに立つというのは特別なことなんですね。

そうですね。昔は、この指輪がないとステージに立てなかったくらい依存していました(苦笑)。

――ないとどうなるんでしょう?

一度ライブハウスに到着してから家に忘れてしまったことに気づいて、すごく不安な気持ちになった事があったんです。その当時はまだ、実家にいた頃だったので親に電話して持ってきてもらったことがあります(笑)。こんなちっちゃい指輪1つを届けるために、ライブハウスに呼ばれるなんて親も相当迷惑ですよね。

――そこまでとは思いませんでした(笑)。

自己表現欲求はあるんだけど、気恥ずかしさに負けちゃうというか…少しマインドが弱いんだと思います(苦笑)。vistlipを13年続けてきた今も、どんなに小箱の会場でもライブ前は、毎回めちゃめちゃ緊張しますからね。

 

バンド10周年を迎えた頃に生まれた意識の変化

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――指輪をするのはライブの時だけですか?

初めて買った頃は嬉しくて普段からずっとしていましたが、最近はライブの時だけです。年齢を重ねて、普段使いにするにはちょっと主張が強いなと。だから今は、ステージ上のvistlip瑠伊になるための変身ベルトみたいな感じですね(笑)。

――普段の瑠伊さんは、大人になってしまったと。

あはははは、そうですね。でもステージ上で非現実的な自分でいたいのは変わらないですし、そのための暗示はあいかわらず必要なんです。

――あえて伺いますが、ステージ上の瑠伊さんは当時と変わらないんでしょうか?

根本は変わらないんですけど、ずっと避け気味にしてしまっていたMC(ライブの合間のトーク)を少し積極的にするようになったり、バンドが10周年を迎えたあたりからステージ上でも少しずつ変化してきた部分はあります。

――その変化を具体的に教えてもらえますか?

これまでは何かを始めてもすぐに諦めたり興味がなくなったりと、同じことを10年以上続けられたことがなかったんです。でも、バンドが10周年を迎えて自信がついたことで、少し表現の仕方が変わってきました。たとえばさっき話したMCでいうと、僕はもともとゆっくりとした話し方をするから、その状態をライブ中に出すのがイヤで…。どれだけ自分に暗示をかけていても、話すことで一気に素の自分に戻ってしまう感じがして怖かったんです。

――そうなんですね。

でも10年経ってみて、MCでは自由に話したり笑ったり、素の自分でファンと向き合えたらいいなと思えるようになりました。それをしても、演奏になったらスイッチを入れられる。ステージ上でも切り替えが出来るようになったという点では、少しは成長できたのかなと思っています。

 

指輪の必要性がなくなったら、次は「ありがとう」の気持ちを込めたい

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――少しずつ自分自身でコントロール出来るようになってきたということは、いつか指輪がなくてもステージに立つ日はくるのでしょうか?

来ると思います。でも、その時が来てもきっと指輪は外さないと思います。この指輪たちが長年支えてくれたわけだから、いくら自分が大丈夫になったからといって、「もう必要ないよ」っていう割り切り方はしたくないんです。指輪に頼らない自分になった時は、次は「ありがとう」の気持ちで着け続けられたらと思っているし、もう石が割れて壊れてしまったものも捨てずに大事に保管してあります。

――ファンの方たちは、瑠伊さんがこの指輪をしている意味は知っているのでしょうか?

ずっと付けているから大事にしていることは知っていると思いますが、こういう意味合いで着けているというのは初めて話しました。ファンの中には、同じ指輪を真似して着けてくれている子もいて、握手会とかで「買っちゃいました」みたいに見せてもらえるとやっぱり嬉しくなりますね。もともとは憧れで着け始めた物が、いつの間にか自分のアイコンとして感じてもらえているという意味でも、バンドを続けてきた13年という重みを感じます。

――年月を経て着ける意味合いや、価値観が変わってくるというのは素敵ですね。

バンドを結成して13周年を迎えましたが、指輪だけでなく色々な物や出来事、身近なメンバーやスタッフ、そして応援してくれるみんなに力を借りて支えてもらいながら生きてきたと思うと、本当に“ありがとうの人生”ですね(笑)。

 

落ち込んだら鏡に向かう。作り笑いでも笑顔を作れたら大丈夫だから!

瑠伊 vistlip V系 インタビュー タウンワーク townwork――ステージに立つ以外にも、自分に暗示をかけることはありますか?

鏡を見て無理やり笑うということをやっていた時期があります(笑)。「作り笑いでも笑えるならOK、大丈夫!」と自分に言い聞かせるんです。学生時代に、学校で先生に怒られてめちゃくちゃ落ち込んだ時とかにやっていましたね。今は、ステージに立つ前に多少神経質になる以外は、そこまで落ち込むタイプではないんですけど、たまに凹んだ時はやっています。これは誰でも出来る方法なので、よかったら試してみてください!

――では、最後に読者にメッセージをいただけますか?

僕みたいに最初は物に頼ってもいいと思うし、自分に言い聞かせることで前に進めることはたくさんあると思うので、これからも一緒に頑張りましょう!

■Profile
瑠伊
(vistlip)

2007年に、智(Vo)、Yuh(Gt)、海(Gt)、瑠伊(Ba)、Tohya(Dr)の5人で結成したvistlip(ヴィストリップ)のベース。メンバーチェンジすることなく、今年7月7日には、13周年を迎えた。ヴォーカルの智が作詞を手がけ、楽器陣全員が作曲をおこなう。瑠伊は、智とのユニット・Lill(リル)としても活動をおこなう。

◆vistlip OFFICIAL SITE:http://www.vistlip.com/
◆瑠伊 Official Twitter:@ruiofficial_t

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原千夏 Hair&Make:高野紋子

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