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2018年05月11日

おもしろい話し方には公式がある。人気放送作家がたどりついた3つのコツ

面白い 話し 伝え方 公式 笑い タウンワークマガジン
人と話をすることは苦手じゃないけど、会話を盛り上げたり、面白い話ができない。実は面白い話をするために必要なのは「センス」ではなく簡単な「公式」を知っていればいいんだとか。その公式のなかのテクニックを活用すれば、誰でもおもしろい話ができるようになるのだとか。

今回はこの公式の考案者である放送作家・石田章洋さんに誰でもはじめられる公式の活用法について伺いました。

テレビ番組の片すみで芸人のトークを観察。生まれたのが「おもしろい話し方の公式」

石田章洋さんは、「世界ふしぎ発見!」「TVチャンピオン」など、数々のテレビ番組の企画・構成を行い、「おもしろい話」の頂点ともいえる人々=芸人さんの姿を約30年、スタジオの片すみから見続けてきました。

そこで気がついたのが「おもしろい伝え方」には「公式」があるということ。しかも多くの人が応用可能だというのです。

 
その公式とは、

①空気を読む×②笑いの原理×③伝える技術

ちなみにこの公式、すべてマスターしなくてもとりあえず、空気を読むだけでも、原理だけ、技術だけ、など一つだけでもとりいれるだけでも効果あり! 順番に解説していきましょう。

公式その(1)空気を読む――観察力を高めよう!

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おもしろい話をするというと、話し方のテクニックから入りそうですが、公式その(1)は、まずは「場」の空気を読むことだそう。場の空気が読めなければ、冗談をいっても笑いを起こすどころか、たちどころに「浮く」「痛い」存在になってしまうそう。

ただ、空気を読むといってもキョロキョロと周囲の顔色を伺うことではなく、言い換えれば「場の観察」をするということ。

「今、話している人はどういう人なのか、何を目的としているのか、話をどこにもっていこうとしているのか、よく観察してみましょう。観察力が高まれば、空気が読めるようになり、場がコントロールできるように。すると話題に困ることはありません」と話します。

また、こうした「観察力」「気配り」はバイト先でも重要な要素のひとつ。お客さんや社員さんの誰がキーパーソンなのか? バイト先は、「観察力」を身につけるための「リアル道場」です。よく観察して「空気を読む力」を養いましょう。これが「おもしろトーク」の第一歩といえそうです。

公式その(2)笑いの原理――キンカンの法則を理解しよう!

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世の中には、「おもしろい話」をする法則やテクニックがあまたあるそうですが、石田さんがいきついた原理とは、「キンカンの法則」だそう。

キンカンは、「緊張」の「緩和」という意味で、緊張が緩んだところに笑いは生まれるというもの。たとえば、「お葬式」のように笑ってはいけない緊張感がある場所に、ふっと場にそぐわないできごとがおきる(例:おなら)、人は脱力して笑いをこらえられないのだとか。

年末の特番でおなじみ「笑ってはいけない」シリーズも、このキンカンの原理を利用したものだそう。

ただ、ひと口に緊張→緩和といってもそのバリエーションがは多数あります。

・倒置法 ・自慢と自虐のセットで伝える ・思い込みを裏切る ・謎を解決する
・権威を失墜させる などなど

<例1>倒置法
「先週洋服を買ったんだけどさ、もう大ショック! A子と丸かぶりだったの」

⇒「先週洋服を買ったんだけど、A子と丸かぶりで大ショック」というところ、ショックと丸かぶりをひっくり返して、引きつける

<例2>自慢と自虐をセットにする
孫正義さんのツイート「髪の毛が後退しているのではない、私が前進しているのである」

⇒前進しているという自負のコメントに、髪の毛の話の自虐をまぜこんで、笑いを起こす

キンカンにはほかにもたとえてつっこむ、ノリつっこみなどがあり、明石家さんまさん、所ジョージさん、松本人志さんなどの大御所の笑いも、このテクニックを多用しているそう。

このなかで、もっともはじめやすいのが、「自慢と自虐セット」、なかでも「自虐」。

「たとえばバイトを始めたばかりのころは、バイト仲間も『こいつどんなやつ?』と警戒感をもってあなたを見ています。つまり『緊張』がある。そこでちょっと自分を落とすと、おもしろいやつと思われます。ムリに「自慢」とセットにしなくても大丈夫。意外な弱点を見せたりするのも効果的です」。

自己紹介時に、たとえば珍しい名字なら「珍しい名字ですが、平凡な○○です」、同じ苗字の有名人がいるなら「今、旬の大谷といいます。私の家族とはなんの関係もありませんが(笑)」など、自分流のアレンジの方法を考えていくのも楽しいですね。

また、身体が大きな人が「こうみえてハムスターが苦手です」など、ギャップのある弱点を出すことで、親しみをもってもらえそうです。

公式その(3)伝える技術―映像をイメージしてそれをなぞるように話す

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公式の最後は、「伝え方」。それは、単に説明するのではなく、場面が思い浮かぶように伝えるという技術です。

これは、石田さんだけでなく、多くのおもしろい人が徹底しているようで、ビートたけしさんは若手時代、先輩から「頭の中に先に映像を浮かべろ」とアドバイスされたそう。

まず、自分の頭のなかで映像を思う描き、その映像をつぶさに観察して、なぞるように伝えるようにするのがコツだそう。

とはいえ、いきなり映像化して伝えるといっても難しいもの。そこで使いたいのが、擬音語・擬態語となる「オノマトペ」。マンガなどでも使われているので、イメージしやすいはずです。

「たとえば、光ったことを伝えるのなら、ギラギラ、キラキラ、ピカッとなど、その時の感覚を素直に表現するといいでしょう。話を聞いた人が、頭のスクリーンにおもしろい映像が浮かぶと笑ってしまうんですよ」。

技術というだけあって、さすがに一朝一夕に身につけるのは難しいようですが、映像化を意識するだけで、だいぶ話し方も変わりそうです。プロであるお笑い芸人さんたちも、映像化して伝える技術がつまった「落語」を聞いているそう。興味が沸いた人は落語を聞いてみてもおもしろいのではないでしょうか。

まとめ

「おもしろい伝え方」のコツ、どれもシンプルながら「目からウロコ」な人も多いのではないでしょうか。もちろんすぐに「芸人レベルにおもしろい!」とまではならなくとも、「気のきいたひとことが言える」「自己紹介で笑いを起こす」くらいにはなるはず。笑いは生活の潤滑油です。ぜひ学校やバイト先で、笑いを起こしてみてくださいね。

■取材協力 石田章洋さん

1963年生まれ、放送作家。大学のアルバイト先で聞いた落語に興味をもち、落語家を志すものの、あとから入門してきた弟弟子が笑いをとっている姿に自信を失い、放送作家の道へ。ちなみに、弟弟子はのちの伊集院光氏。著作に「おもしろい伝え方の公式」「ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?」(ともに日本能率協会マネジメントセンター)。「落語はぜひライブで聞いてほしい!」とアドバイスする

取材・文:嘉屋恭子

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