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2020年06月10日

作業療法士とは? 理学療法士との違いから、必要資格、仕事内容、なり方、年収、働く場所など

作業療法士 資格 年収 職場 タウンワーク townwork病院や介護施設などでリハビリテーションを行う専門職、作業療法士。同じくリハビリを担当する理学療法士との違いから、作業療法士の仕事内容、なるために必要な資格、働く場所や年収などをわかりやすく解説します。

作業療法士の仕事とは

作業療法士は、ケガや病気で日常生活での身辺動作や趣味、仕事、余暇などの活動を自立して行うことが難しい、もしくは参加が困難な人に対し、再び動作、活動、参加が行えるように支援していく仕事です。例えば、食べる、入浴する、トイレに行く、料理や掃除洗濯をするなど、本人や家族が回復したい動作のリハビリを行います。また、疾患により、就労、就学など社会的自立や参加が難しくなった人に対しアクティビティ、レクリエーションなどの作業を通して支援していく仕事もあります。

作業療法士と理学療法士の違い

リハビリの現場では理学療法士と協力して仕事をすることも多いです。理学療法士は、患者の状態や希望を聞き、座る、立つ、歩くなど身体的な基本動作のリハビリを行います。作業療法士は、その上で、自分で食べ物を食べる、入浴するなど、「応用的動作」と言われるリハビリを行います。

作業療法士 理学療法士
目的 患者の基本的動作的能力、応用的動作的能力、社会的適応能力の維持と改善 患者が日常生活を送るうえでの基本的動作能力の回復や維持
仕事内容 身心機能をはじめ、食事・トイレなど生活で行われる活動の訓練やリハビリを行う。手芸、工作その他の作業を通して回復を図る。作業を通した精神疾患のケアも行う 立つ、座る、歩く、起き上がる、寝返るなどの基本的動作能力回復に向け治療体操その他の運動や、電気刺激などの物理的手段を加えた訓練やリハビリを行う
働く場所 病院、障がい者施設、リハビリテーション施設、介護施設、訪問看護ステーション、保健所、特別支援学校 など 病院、障がい者施設、リハビリテーション施設、介護施設、保健所、スポーツ関連施設、プロスポーツチームへの帯同など

作業療法士になるには

作業療法士になるには国家資格の取得が必要です。国家試験の受験資格は、文部科学大臣または厚生労働大臣が認定した養成施設である大学(4年)、短期大学(3年)、専門学校(3年・4年制)で所定のカリキュラムを修了し、卒業することが求められます。

高校卒業

大学(4年)、短期大学(3年)、専門学校(3年・4年制)

作業療法士 国家試験に合格

作業療法士

作業療法士の給料

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2018年度)によると、作業療法士の平均年収は約408万円(従業員数10名以上、平均年齢32歳、勤続年数6年)です。過去約10年、大幅な増減はなく、安定した年収が得られる仕事です。

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 平成30年賃金構造基本統計調査より

 

作業療法士の働く場所

作業療法士の働く場所は多岐にわたり、勤務先により仕事内容は少しずつ異なります。
病院や診療所などの医療施設、保健所や保健センター、障がい者福祉センターなどでは、ケガや病気、障がいなどにより体が不自由な人々に対して、日常の動作ができるようリハビリを行います。介護老人保健施設やデイサービスセンターなどでは、集団でのリハビリ(アクティビティやレクリエーション)や運動マシンを活用した筋力トレーニングなどのリハビリが行われています。児童福祉施設や特別支援学校では、障がいや発達障がいを持つ子どもたちの言葉や動作獲得の遅れなどをサポートします。
精神科病院や精神障がい者支援センターでは精神疾患による日常生活の不自由の緩和を促し、社会生活、参加への復帰を目指します。訪問リハビリテーション施設では通院や通所が難しい患者の自宅でリハビリを行います。

 

作業療法士に求められる力

作業療法士は、対象者ひとりひとりが望む生活を一緒に考え、習得を支援する仕事です。その対象者や家族がどういう生活をしたいと考えているかを読み取る、汲み取る力や対象者の気持ちに寄り添う力が求められます。身体的、精神的に障害をもつ人々は不安な気持ちを抱えています。リハビリを拒否されたり、ときには体が思うように動かないイライラをぶつけられても冷静でいる力も必要です。また、医師の指導のもと、看護師、理学療法士、ケアマネジャーなど、周囲のスタッフと連携してチームで患者の支援を行うため、コミュニケーション能力や柔軟性があることも重要です。

履歴書や面接で伝える志望動機と自己PR例文

転職の志望動機や自己PRでは、作業療法士を目指したきっかけや、対応した疾患、症例の状態、アプローチ方法、各専門分野との連携経験などを具体的に伝えます。働く先によって求められる経験が異なるため、応募先で役に立つことは積極的にアピールするようにしましょう。対象者の状態や希望、ニーズは、変化することもあります。柔軟で臨機応変な対応力、考察力も自己PRになります。

<文例>
「大学を卒業してから4年間、リハビリテーション病院に勤務し、回復期リハビリに従事して参りました。自宅復帰を目指す患者さまの自宅訪問や住宅改修など退院後の生活を親身にフォローすることにやりがいを感じておりましたが、「もっと長期的に支援に関わりたい」と思うようになり、御社の訪問リハビリテーション事業を志望いたしました。訪問リハビリは患者さまの日常生活に密着した中長期的な支援となり、これからの高齢化社会において必要不可欠なサービスです。これまでの病院での経験を活かして、患者さまやご家族の希望に寄り添いながらリハビリテーションやレクリエーションの工夫を行い、よりよい社会生活を送ることを支援していきたいと思っております。御社の「真心をもち患者さま一人ひとりの声に耳を傾ける」という企業理念にも大変共感しております。ぜひ、こちらで患者さまの笑顔と心身の健康を取り戻すお手伝いができればと考えています」

記事監修:松嶋 健太(獨協医科大学病院 作業療法士)

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