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2017年03月30日

『“楽しい”より“正しい”で行動しなさい』大谷翔平を導いた「言葉」のチカラ

大谷翔平 北海道日本ハムファイターズ タウンワークマガジン
超人的なアスリートが集うプロ野球界にあって、さらに異次元の輝きを放つ大谷翔平。

日本球界最速165キロ、二刀流……。

「誰もやったことがないことをやりたい」。そのために、肉体を鍛え、技を磨き、心を育てることに人生の大半を費やしてきた。

圧倒的な心・技・体。その礎となっているのが、8歳からつけている「野球ノート」だ。そこには、大谷選手の今につながる数々の言葉が綴られている。

大谷翔平を育て、導いた「言葉」について、本人に伺った。

「先入観は可能を不可能にする」160キロのきっかけとなった恩師の言葉

大谷『毎日つけているわけではないですけど、日々の練習や試合の中で気づいたことを一言、二言、箇条書きでメモしています。主には野球のこと、技術的な部分や試合の入り方といった内容が多いです』

「野球ノート」は、プロ入り後もずっと習慣として続けている。きっかけは特にない。「必要だと思ったから」と、野球を始めた時から気づけばつけていた。

たとえば、小学生時代のページには「一生懸命声を出すこと」「一生懸命走ること」「一生懸命キャッチボールをすること」と書かれている。
純粋な野球少年の誓い。読み返す度に大切な姿勢を思い出すなど、過去の言葉が力を与えてくれることがあるという。

大谷『この時はこう思っていたんだ、と。それが、今の自分が求めていることだったり、直接的でなくてもヒントにつながることがある。野球の時はもちろん、何かに迷った時に、言葉に助けられることはあるんじゃないかと思います』
大谷翔平 北海道日本ハムファイターズ タウンワークマガジン

大谷翔平(おおたに・しょうへい)。1994年7月5日、岩手県生まれ。身長193cm、体重97kg、右投げ・左打ち。花巻東高校から2012年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズ入団。2016年シーズンでは投打両輪の活躍でチームを日本一に導き、自身もパ・リーグMVPに輝く

代名詞の「二刀流」をはじめ、道なき道に挑戦する大谷選手。それも、過去の言葉に原点を探すことができる。花巻東高校時代の指導者・佐々木洋監督から伝えられた「先入観は可能を不可能にする」というフレーズだ。

大谷『高校時代、当初は150キロを目指すつもりでいました。でも、監督からは160キロを目標にしようと言われたんです。正直、無理なんじゃないかと思いました。でも、最初から出来ないと決めつけるのはやめようと。先入観を捨ててやっていくうちに、手応えを感じるようになりましたね』

それから約2年後、3年夏の県予選で160キロを出した。高校生はおろか、アマチュア野球界全体でも前人未踏の境地である。恩師の言葉にならい、不可能をねじ伏せた瞬間だった。

ちなみに現在の野球ノートには、近い将来の目標として「170キロ」の文字が刻まれている。

大谷翔平 北海道日本ハムファイターズ タウンワークマガジン

次に目指すのは「人類最速」。そのためにも1分1秒、なるべく多くの時間を野球のために使いたい。この日のインタビュー終了後も、一目散にトレーニングルームへ走って行った

自分に制限をかけて行動できるのが大人。楽しいより“正しい”を基準にしたい

もう一つ、恩師はこんな言葉も授けている。「“楽しい”より“正しい”で行動しなさい」。これこそが、ストイックに自分を律する大谷選手の行動規範だ。

大谷『自分に制限をかけて行動することが大事で、それが出来る人が大人なんだと思います。たとえば、誰だって厳しい練習は楽しくない、やりたくない。でも、成長のために必要だとしたら、自分から取り組まないといけない。今の自分はまだまだですが、何が正しいかを考えて行動しようと意識するようにはしています』
大谷翔平 北海道日本ハムファイターズ タウンワークマガジン

読書家としても知られる大谷選手。野球関連だけでなく、小説、漫画、ビジネス書まで広く読み、心に留まった言葉はやはり野球ノートに書き留める。最近のおすすめは『イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者』

それは、野球を離れたところでも同様。生活における行動の一つひとつ、たとえば「ゴミが落ちていたら拾う」といったレベルのことから「正しく」あろうと心がけている。

大谷『そのほうがスッキリとした気持ちでゲームに臨めますし、自分に運気が回ってくるんじゃないかと思う。他人がポイって捨てた運を拾っているというか。知らんぷりして前を通り過ぎても、(ゴミに)”お前はそれでいいのか?”って呼ばれている気がして戻って拾う。まあ、悪いことをするよりは善いことをした方が気持ちいいですから(笑)』

 
もちろん、それによって全てが決まるわけではない。ゴミを見過ごしたからといって、球が遅くなることもない。ただ、内面も含めてベストな自分を作るために大切な要素の一つだと考えている。

大谷『気持ちが弱いんじゃないですかね。基本的にマイナス思考ですし、試合前も普通に緊張します。でも、だからこそ不安の裏返しで、やれることは全部やっておきたい。日本一の選手になるためには、野球の技術だけでなく私生活も含めて日本一の取り組みをしなくてはいけないと思っています』

大谷翔平 タウンワークマガジン

 

■Profile:
大谷翔平(おおたに・しょうへい)

1994年7月5日、岩手県生まれ。身長193cm、体重97kg、右投げ・左打ち。花巻東高校から2012年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズ入団。2016年シーズンでは投打両輪の活躍でチームを日本一に導き、自身もパ・リーグMVPに輝く。

■取材協力
北海道日本ハムファイターズ

取材・文:榎並紀行(やじろべえ) 撮影:八木虎造