【激レア 体験レポ】こんな星空見たことない!? 星空映像作家・KAGAYAさんと行く! 石垣島・星空ツアーガイドアシスタントバイト☆
いつか南の島で満天の星を見上げながら過ごしてみたい…。
なんとまさかの…そんな夢のようなひと時を“激レアバイト”が実現! 星空を求めて世界中を飛び回る星空映像作家・KAGAYAさんに同行して、石垣島・星空ツアーのガイドアシスタントを務めるのが今回の業務内容だ。
広大な夜空にきらめく無数の星々の下、ツアー参加者とともに感動を分かち合ったバイトメンバー2人の物語を星空と一緒にご紹介しよう。
激レアバイトと晴れ渡る空に感謝!
舞い降りたのは沖縄県・石垣島。
“星空に一番近い島”八重山諸島が今回の激レアバイトの舞台だ。
採用されたのは、ともに大学生の2人。
天文学を専攻している鹿熊亮太さん(左)と、写真をこよなく愛す稲毛百合香さん(右)。
鹿熊さん「美しい星空はただ純粋に眺めているだけで、その神秘さ、奥深さに包まれます。今回は素晴らしい環境で星もきれいに見えるはず。自分の研究する分野を勉強しつつ、ツアーに参加されるみなさんを感動させられるようなサポートをしたいです」
稲毛さん「星座にまつわる神話が大好きで、時間があればプラネタリウムに足を運ぶこともしばしば。中でもKAGAYAさんの映像や写真は、どの作品も美しすぎて目も心も奪われます。私が最も尊敬する人と会える夢のような機会…会っても失神しないように頑張ります」
「今回のバイト“激レア”すぎませんか(笑)」
鹿熊さんも稲毛さんも、照りつける日差しに負けないまぶしい笑顔。そんな2人の願いが通じたのか、空を仰ぐと見事な青空が広がっている。きっと夜には満天の星が輝くはずだ!
星空ツーリズムの上野さんとご対面! 我々は“星の子”!?
まず2人は、今回の『KAGAYAさんと行く! 石垣島の星空浴ツアー☆』を企画された星空ツーリズムの代表取締役・上野さんとご対面。本日の業務の流れを聞くことに。
「八重山諸島は一部地域を除いて国内初の星空保護区の認定候補地です」観光PRのパンフレットに目を通しながら上野さんの話を聞く。
“星空保護区”とは簡単に言うと“星空の世界遺産”のようなものだそう。今日2人が業務で向かう“久宇良(くうら)”という場所は、その星空保護区の認定エリアで、星を見るためだけに作られたツアー専用の特別なスペースとのこと。もちろん一般の人は入れないシークレットスポットだ!
2人の業務内容は、ツアー前後の準備や片付けと参加者へのガイドに決定。現地は真っ暗で1メートル先も見えないという。渡されたヘッドライトだけが頼りだ。
「白いライトは星を見る時の妨げです。ツアーが始まったら赤いライトを使ってください」
説明に感心する2人。これは星を見る時の最低限のマナーだそう。
受け取ったスタッフポロシャツの裏を見ると“We are Children of the Stars.”の文字が。
「我々は“星の子”という意味です」上野さんが優しく解説する。
「星が無かったら、僕たちは存在しない」
鹿熊さんがつぶやくように答えると、呼応するように上野さんが語り始めた。
「そうですね。最初に地球が出来た時は、生命の元となる成分がなかった。それは小惑星同士が衝突して…」
うなずく鹿熊さん、目を星のように輝かせて話を聞く稲毛さん。
「だからね、私たちは“星の子”なんですよ」
みんな星のことになると夢中! 業務説明が終わる頃には少し陽が沈んでいた。
満天の星が輝く夜が近づいている。
いざ星空のステージ“久宇良”へ!
ヘッドライトと“星の子”ポロシャツを身にまとった2人。市街地から車で片道45分の場所にある“久宇良”へ向けていざ出発!
目的地へ近づくうちに、辺りがだんだんと暗闇に包まれてきた。
到着すると外は真っ暗。ヘッドライトがないと何も見えない。ただ上を見上げると、そこには無限に広がる星たちがきらめいている。
スタッフさんの指示を仰ぎ、ツアー参加者のリクライニングシートを並べることからスタート。
さすがは日本最南端の星空特等席。業務を遂行しながらも自然と目線が上にいってしまう。
「きれいだ~」
星空に吸い込まれていると、スタッフさんからお呼びがかかった。
「KAGAYAさんいらっしゃいますよ。お客様が来るまでに聞いておきたいことがあれば」
なんと…暗闇で全く見えていなかったが、KAGAYAさんは既に到着していたのだ。
広がる無限の宇宙! 憧れのKAGAYAさんと星空を眺める!
「お会いできて嬉しいです。いつも写真を拝見させていただいていて、あ~どうしよう…」
失神こそしなかったものの、憧れの人を前に緊張で早口になる稲毛さん。
「それは、それは(笑)。ありがとうございます。今日は晴れて良かったですね」
無数に輝く星空をバックに、優しく温和な口調で2人に話しかけるKAGAYAさん。
「ところでお2人は天の川をご覧になったことありますか? スタッフの方、レーザーあります? 全てのライトを消して見てみましょう」
ここでまさかの…KAGAYAさんから星空レクチャー! 激レア過ぎるぞ!
「これが、さそり座のアンタレス。これは金星だ。ここが天の川ですから、こっちが織姫星で、挟んだこれが彦星。ここに北十字もありますよ。夏の大三角も。完璧な星空ですね」
「あぁ~、すごい」「うわ~」
シンプルな言葉しか出てこない。本当に美しいものを見た時、人はこうなるのだろう。うっとり見入っていると
「あっ! 流れ星!」
KAGAYAさんの言葉と同時に「見ました!」と2人も感嘆の声。なんと1時間に10回は流れ星があるそう。願い事を考えるのも大変だ。
「うわ~、すごい」
バイトメンバーが発した言葉と同様の声が暗闇のどこかから聞こえてきた。どうやらツアー参加者が到着した様子。2人は急いで誘導業務を行うことに。
稲毛さんは、到着した人たちをリクライニングシートへご案内。鹿熊さんは、車で来場されたお客様を誘導するべく、隣接した駐車場で対応を行う。
ツアー参加者が全員揃ったところで、上野さんが赤いライト点灯の呼びかけを行い、KAGAYAさんを紹介する。いよいよ星空ツアーの開幕だ!
まるで天然のプラネタリウム!
「本日のスペシャルゲストをお呼びします! KAGAYAさん! って、どちらに…」
「ここです。真っ暗ですね(笑)。今日は、みなさんの願いが叶って満天の星となりました」
KAGAYAさんが登場すると、笑い声とともにツアー参加者の拍手が夜空に響く。KAGAYAさんによる星の解説が始まった。
「では、空をご覧ください。空に白くわたる帯、これは天の川ですね」
まるで天然のプラネタリウム! 2人もツアー参加者の邪魔にならないように耳を傾ける。
「あっ、流れた!」
解説途中に流れ星が出現すると、参加者の歓声が夜空を包む。
ツアー中盤、天体望遠鏡や双眼鏡を使用した天体観測とKAGAYAさん直伝のカメラ講習の時間になると2人もお手伝い。
天体望遠鏡のガイドに任命された鹿熊さんは、天文学科で身に着けた知識をいかんなく発揮! レンズを覗き込む参加者が「赤や青と星の色が違うのはなぜ?」と問いかけると
「このアルビレオの色の違いは、星の年齢の違いで、若い星が青いです。ちなみに火星は…」星空スタッフの一員として、申し分ない働きだ!
KAGAYAさんが星空撮影の極意を伝授するカメラ講習では、お客さん同士が衝突しないよう不測の事態に備えて稲毛さんが暗闇の中で耳を澄ます。カメラが趣味の稲毛さんにとっては、業務と同時に貴重な勉強タイムとなった。
スペシャル企画として長めに設定されていたツアー時間もあっという間。最後は、KAGAYAさんを囲んで参加者全員と星空記念撮影で幕を閉じた。
「今日はどうもありがとうございました」
KAGAYAさんと上野さんの声に応じるように再び夜空に大きな拍手が鳴り響いた。
星空の美しさを後世にも届けたい!
ツアーが終わっても2人の業務は終わらない。参加者をお見送りした後は、シートの片づけに取り掛かる。
そして、星空を求めて次なる撮影地へ向かうKAGAYAさんにご挨拶。
「ありがとうございました!」
ここで激レアバイトは終了…と思いきや、スタッフさんの粋な計らいで、業務を頑張ったご褒美にじっくり星空を堪能できる特別タイムへ突入。
時間の許す限り、星空のシャワーを浴び続けたバイトメンバーたち。帰路に着いても疲れの表情を見せない2人に今日一日を振り返ってもらった。
鹿熊さん「星空でお腹いっぱいです。今まで見た中でダントツの輝きでした。僕の使命は“どうして星空がきれいなのか”を伝えること。今回の経験で、研究のモチベーションがグンっと上がりました。これからも星空の美しさを解き明かしていきたいと思います」
稲毛さん「これまで見たことのない素敵な星空を見ながらKAGAYAさんの解説を聞けるなんて…もうこれ以上の幸せがあるのかなと。“うわ~”と夜空を見上げたお客様の反応が、私たちと一緒だった時、この星空を守って行きたいという思いに強く駆られました」
「星空を見て“いいな”と思う人が、これからもたくさんいて欲しい」
そう語る2人の目には一番星を見つけたようなきらめきがあった。流れ星にかけた彼らの願いが叶うことを信じたい。
