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2016年01月06日

美容業界の常識を覆す─日祝休み、17時閉店…独自のシステムでママさん美容師を支援【女性が働きやすい会社とは?】

厚生労働省の調査によると、女性美容師の平均年齢が「30歳未満」の美容室は全体の6割強(※)。出産を機に離職する人が多いと言われる美容業界にあって、東日本を中心に10ブランド、約80店舗の美容室を運営するCEPホールディングスではスタイリストの約8割が「ママさんスタッフ」として活躍している。女性が長く安心して働ける環境をつくるために、同社がどのような取り組みをしているのかを人事の柳さんと「ジャストカット 幕張店」に勤務する美容師である中野さんに取材した。

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「日・祝休み」「17時閉店」など、独自のシステムで労働環境を変える

執行役員 柳陽子さん 2007年入社。2015年執行役員に就任。店舗統括を担当し、ほぼ毎日現場に足を運び、スタッフからの信頼も厚い。

執行役員 柳陽子さん
2007年入社。2015年執行役員に就任。店舗統括を担当し、ほぼ毎日現場に足を運び、スタッフからの信頼も厚い。

――他社にはあまり見られない「再雇用制度」、「一人親手当」の支給など働く女性をサポートするための独自の制度を用意されていますね。

「美容業界の労働環境を変えたい」という思いが社長(代表取締役・猪爪一徳氏)にあり、当社では創業当時(1993年)から男女問わず、スタッフが長く働き続けられる環境の整備に力を入れてきました。女性のみを支援しているわけではなく、どの制度も男女ともに適用されます。例えば、「一人親手当」はシングルファザーのスタッフのための制度でもあるんです。

家庭と両立しやすい勤務体制づくりをしているのも、美容業界のなかではユニークかもしれません。美容室は一般に休みが少なく、残業も多く、育児など家庭の事情がある人にとってはハードルとなりがちですが、当社の場合、パート勤務のスタッフは営業時間外の勉強会もなく、定時退社が基本です。シフトはできるだけ家庭の事情を考慮して組みますし、お子さんの発熱などによる急なお休みも大丈夫。必要に応じて店舗にヘルプスタッフを派遣するなど本部で対応する体制ができています。なお、有給休暇はパートのスタッフも取得でき、取得率は9割を超えています。

また、当社は10ブランド約80店舗を全国に展開しており、そのうちの8割の店舗数を占める3ブランドの閉店時間が17時(一部17時半・16時の店舗もあり)。日曜・祝日は定休日です。家族との時間を犠牲にせず働けるので、たくさんの「ママさんスタッフ」が活躍してくれています。

社員のさまざまな働き方を応援することが、会社の成長にもつながる

jinji_MG_4999――働く人にとって至れり尽くせりの環境ですね。ただ、17時閉店、日曜・祝日定休では、お客さまが利用しづらい気もします。お客さまの反応はいかがですか? また、勤務時間の限られたスタッフのスキルアップはどのように図っているのですか?

「17時閉店、日曜・祝日定休」のブランドは主婦層をターゲットにしており、お客さまの年齢層も30代以上が中心。営業時間に制約があっても、スタッフとお客さまが同世代ということもあり、お客さまが来店する時間帯とスタッフが働きたい時間が似ています。「平日の日中にちょっと空いた時間できれいになりたい」というお客さまのニーズと「働ける時間は限られているけれど、技術を生かしたい」というスタッフのニーズが合い、双方に喜んでいただけています。

スキルアップのフォローももちろんあります。また技術力が弱いスタッフに対しても、技術指導専門のチームが希望者に研修やセミナーを開き、必要に応じて新しい技術を教えています。パートから正社員への登用も積極的に行っており、正社員には仕事関連の資格取得のための費用を補助したり、勤務時間を優遇する支援制度や海外実技研修制度も設けています。

女性は一般に結婚、出産、育児、介護などライフスタイルの変化が大きく、その時々で「働きやすさ」の条件も変わります。弊社では、30〜40代の女性スタッフの割合が6割以上、50〜60代が約2割となっており、子育て世代が数多く活躍しているのも特徴のひとつ。近年は親の介護をしながら働くスタッフも増えています。家事をしながら、トイレや食事の介助、病院への送迎などフルタイム勤務が難しいスタッフが無理なく働けるよう配慮しています。「子どもが小さいうちはパートとして働き、中学生になったら正社員として収入もアップしたい」「50代、60代になっても技術を生かして社会とつながっていたい」といったさまざまな働き方を応援することで、スタッフが意欲的に仕事ができる。その結果、お客さまにより良いサービスが提供でき、会社の成長にもつながると考えています。

「土日・祝日出勤」がネックで前職を退職。美容師を辞めることも考えた

ジャストカット幕張店 スタイリスト 中野亜弥さん なかのあや●1982年生まれ。2002年美容専門学校卒業後、東京都内の美容室に正社員として勤務。2012年、長女出産を機に退職。2013年5月、カット専門店に入社(雇用形態:パート)。2014年12月、CEPホールディングスに入社。ジャストカット幕張店のスタイリストとして活躍中(雇用形態:パート)。

ジャストカット幕張店 スタイリスト
中野亜弥さん

なかのあや●1982年生まれ。2002年美容専門学校卒業後、東京都内の美容室に正社員として勤務。2012年、長女出産を機に退職。2013年5月、カット専門店に入社(雇用形態:パート)。2014年12月、CEPホールディングスに入社。ジャストカット幕張店のスタイリストとして活躍中(雇用形態:パート)。

――美容師として10年以上のキャリアをもつ中野さん。以前はどのような職場でお仕事をされていましたか?

もともとは一般の美容室で働いていましたが、忙しい職場で時短勤務が難しく、出産を機に退職。美容師の仕事が好きで、ずっと続けたかったので、早いうちに仕事復帰をしたいと思い、子どもが0歳の時にカット専門店にパートとして転職しました。土日・祝日は出勤でしたが、平日は16時に仕事をあがれるので続けやすいと考えたんです。ところが、いざ働きはじめてみると、土日・祝日にまったく子どもと過ごせないのがつらくて。パートだからといって夕方のお客さまが多い時間に自分だけ帰るのも肩身が狭く、精神的に落ち着かなくて、いつもイライラしている状態でした。

夫にも心配され、「このままでは子どもにもいい影響を与えない」と退職。再び転職先を探しましたが、美容師は土日・祝日の出勤が必須の求人ばかり。美容師を辞めることも考えていた時に「ジャストカット」の求人を知り、応募したんです。「日曜、祝日定休、17時閉店の美容室なんて、本当にあるの?」と半信半疑でした(笑)。

制度が充実しているだけでなく、同僚に理解があるから働きやすい

――実際に働いてみて、家庭と仕事の両立はしやすいですか?

はい。日曜・祝日に子どもとゆっくり向かい合えるのがうれしいです。しっかり休める分、気持ちの切り替えができて、仕事もますます頑張ろうと思うようになりました。

有給休暇など制度が充実しているのも心強いのですが、職場に育児中のスタッフが多く、状況を理解してもらいやすいのがすごくありがたいです。私の終業時間は16時で、みなさんより1時間早いのですが、いつも笑顔で「おつかれさまでした」と言ってもらえます。

お客さまは主婦が多く、育児の話で盛り上がることも。「年齢を重ねると、若いスタッフばかりの美容院には入りにくいというお客さまもいらっしゃいます。私自身も主婦なので、お客さまにくつろいでいただきやすいようで、うれしいですね」と中野さん。

お客さまは主婦が多く、育児の話で盛り上がることも。「年齢を重ねると、若いスタッフばかりの美容院には入りにくいというお客さまもいらっしゃいます。私自身も主婦なので、お客さまにくつろいでいただきやすいようで、うれしいですね」と中野さん。

子どもの発熱で急に早退しなければいけなくなった時も「お大事にね」と快く送り出してもらって、ほっとしました。一方、ほかのお店で急にお休みするスタッフがいて人手が足りない場合、ヘルプに入ることもあります。スタッフ同士で自然に助け合う雰囲気があるので、リラックスして働けます。

――限られた時間での勤務ですが、忙しさや物足りなさはないですか?

職場のチームワークがよく、ストレスがないので、勤務時間中にサロンワークに集中しやすく、充実しています。また、同じブランドでも店内ディスプレイやイベントの企画は店舗ごとに任されていて、雇用形態に関わらず意見が反映されるので、工夫しがいがあるんですよ。

また、当社は20〜70代と、幅広い年齢層の女性がたくさん活躍しているので、「私も働き続けられるかも」と将来イメージを描けるようになったこともやりがいにつながっています。

■中野さんの一日
6:00 起床。身じたくをして、子どものお弁当を作る
7:00 子どもを起こし、朝食を食べさせる
8:00 子どもを保育園に送り、出勤。開店準備
9:00 始業。1日に約10名のお客さまを担当。ちょっとした空き時間に同僚の協力を得て技術の勉強をすることも
16:00 終業。子どもを保育園に迎えに行く
17:00 帰宅。夕食の準備
18:30 夕食。家事をしたり、子どもを入浴させる。腰を落ち着かせる余裕はないが、子どもと向かい合える大事な時間
21:00 子どもと一緒に就寝
■編集部より
「日曜・祝日定休」「17時閉店」という店舗形態は美容業界の常識ではあり得ないもの。CEPホールディングスにも創業当初はなかった店舗スタイルで、スタッフが無理なく働き続けられる環境づくりを追求した結果、生まれたものだ。客層を主婦に設定し、リーズナブルな価格でサービスを提供する経営上の戦略があってこそ実現できた「働き方」であり、その裏には社長の猪爪一徳さんの強い意思があったという。女性が働きやすい会社を見分けるには、制度だけでなく経営者の考えもチェックしたい。
■企業データ
CEPホールディングス株式会社
本社:千葉県浦安市入船1丁目5番2号 NBF新浦安タワー9F
Tel 047-390-5544(代表) Fax 047-390-8833
http://cep-hd.jp/
http://cep-hd.jp/brand/
事業内容:理容室、美容室、ネイルサロンの経営

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