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2014年12月29日

『赤毛のアン』で英語づけ〜〝大事なこと〟にはこだわっていい~その②│茂木健一郎

★日本語で、だいたいの意味を見ていきましょう。

“Well, don’t cry any more. We’re not going to turn you out-of-doors to-night. Y ou’ll have to stay here until we investigate this affair. What’s your name?”

⇒「さあ、もうそんなに泣かなくていいわ。何も、今夜、あんたを追い出そうというんじゃないんだから。この間違いを調べるまで、あんたはここにいないとならないのよ。名前はなんというの?」
 

The child hesitated for a moment. “Will you please call me Cordelia?” she said eagerly.

⇒その子供は、少しの間、ためらった。そして、「コルデリアと呼んでくださらない?」と熱心に言った。
 

 ”CALL you Cordelia? Is that your name?”

⇒「コルデリアと呼ぶ? それがあなたの名前なのかい?」
 

 ”No-o-o, it’s not exactly my name, but I would love to be called Cordelia. It’s such a perfectly elegant name.”

⇒「いいえ。正確に言うと、それが私の名前ではないの。でも、コルデリアと呼んでくださるとうれしい。とてもエレガントな名前なんですもの」
 

 ”I don’t know what on earth you mean. If Cordelia isn’t your name, what is?”

⇒「一体全体、何を言っているんだか。コルデリアでないなら、なんていう名前なの?」
 

 ”Anne Shirley,” reluctantly faltered forth the owner of that name, “but, oh, please do call me Cordelia. It can’t matter much to you what you call me if I’m only going to be here a little while, can it? And Anne is such an unromantic name.”

⇒「アン・シャーリー」と、その名の持ち主はしぶしぶ言った。「でも、お願いだから、コルデリアと呼んでください。私がほんの少しここにいるだけなら、なんと呼ぼうとたいしたことじゃないでしょう? アンなんて、ぜんぜんロマンティックな名前じゃないもの」
 

 ”Unromantic fiddlesticks!” said the unsympathetic Marilla.

⇒「ロマンティックじゃない? くだらないこと!」とマリラは冷たく言った。
 

“Anne is a real good plain sensible name. You’ve no need to be ashamed of it.”

⇒「アンは実に飾り気がなくて、理にかなった名前ですよ。何も恥じることなんてないわ」
 

 ”Oh, I’m not ashamed of it,” explained Anne, “only I like Cordelia better. I’ve always imagined that my name was Cordelia-at least, I always have of late years.

⇒「ああ、恥じてなんていないわ」アンは説明した。「ただ、コルデリアのほうが好きなだけ。私、いつも自分の名前はコルデリアだって想像してきたんです。少なくとも最近は」
 

When I was young I used to imagine it was Geraldine, but I like Cordelia better now. But if you call me Anne please call me Anne spelled with an E.”

⇒もっと小さいころは、ジェラルディンだと思っていたけど、今はコルデリアのほうがいい。でも、もしアンと呼ぶのなら、「E」のついているほうのアンと呼んでください」
 

 ”What difference does it make how it’s spelled?” asked Marilla with another rusty smile as she picked up the teapot.

⇒「綴り方で、どんな違いがあるというの」 やかんを取り上げながら、マリラはさびたような笑いを浮かべて言った。
 

 ”Oh, it makes SUCH a difference. It LOOKS so much nicer.

⇒「ああ、ぜんぜん違います。そっちのほうがずっと素敵。
 

When you hear a name pronounced can’t you always see it in your mind, just as if it was printed out? I can; and A-n-n looks dreadful, but A-n-n-e looks so much more distinguished.

⇒名前が呼ばれるのを聞くと、まるでそれが印刷されたものみたいに心に浮かばないかしら。私はそう。『Ann』はひどいけど、『Anne』はずっと上品に見える」 
 

If you’ll only call me Anne spelled with an E I shall try to reconcile myself to not being called Cordelia.”

⇒もしEのついたほうのアンで呼んでくださるなら、コルデリアと呼ばれなくても、我慢します」
 

“Very well, then, Anne spelled with an E, can you tell us how this mistake came to be made? We sent word to Mrs. Spencer to bring us a boy. Were there no boys at the asylum?”

⇒「いいわ、だったら、Eのついたアンさん、どうしてこんな間違いが起きたのか、教えてくれる? 私たちはスペンサー夫人に、男の子をよこしてもらうよう、言づけをしたの。孤児院には、男の子がいなかったのかい?」

(つづく)

企画:プレタポルテby夜間飛行

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『赤毛のアン』で英語づけ〜〝大事なこと〟にはこだわっていい~その③│茂木健一郎
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『赤毛のアン』で英語づけ〜〝大事なこと〟にはこだわっていい~その①│茂木健一郎

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脳科学者・茂木健一郎茂木健一郎
脳科学者。1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『「赤毛のアン」で英語づけ』など著書多数。