LEADER'S VISION 企業トップが働くあなたに伝えたい未来

考え方や価値観を変えれば、人は劇的に伸びるもの 株式会社ライドオン・エクスプレス 代表取締役社長兼CEO 江見 朗

“人間”が問われる フードデリバリー業界

電話で注文を受けた料理を、お客様のもとへ届けるフードデリバリー事業。「銀のさら」では、アルバイトクルーがお客様との唯一の接点となるため、江見社長はクルーを“生命線”ととらえています。

「弊社では、調理、電話応対、宅配の大半をクルーが担当します。店長はお店に常駐しますが、お客様と接触するのはクルーのみなさん。また、ポスティング(ちらし配り)や配達においては、他のスタッフの見ていないところで仕事をするわけですから、その責任は重大です。だから、『お客様に良いものを届けるんだ』という成長意欲をもち、自発的に仕事をしてもらいたいのです」

そんなクルーに向けて江見社長が続けているのが、自身の理念を浸透させること。

「“おいしいお寿司をもっと身近に”という、われわれの存在意義や社会のなかでの使命、そしてそこに込められた思いをまず理解してもらうようにしています。その上で、われわれの夢を叶えるためには、どれほどクルーの力を必要としているのか伝えるんです。技術的なノウハウなど、基本はもちろんおさえていただく必要はありますが、それ以前に、そんな組織風土づくりこそが最も大事なことなのです」

そのために、江見社長は、まずは社員との意思共有を徹底的に行いました。

「昨年は、1週間に一度、毎回社員6人くらいずつとの食事会を1年間つづけ、1年間で約300人すべての社員と腰を据えて話すことができました。そのなかで『今度は1対1で!』という希望もあったため、今年に入ってからは20人くらいとマンツーマンでの食事会を開催。ときには、話が8時間に及ぶこともあり、みんなさまざまな思いを抱いていることが分かりました。社員のみなさんがそこで消化したものが、アルバイトクルーのみなさんへも伝わっていきます」

姿勢や価値観次第で 人はどこまでも伸びていける

そんな地道な取り組みが、社員の育成や業績の改善につながった例がたくさんあると江見社長はつづけます。

「私の理念には“感謝”というキーワードがよく出てきますが、たとえば日々うまくいかないことも多いけれど、良いことも悪いこともすべて自分の学びだと思えば、毎日は感謝の連続です。そういう考えをもてば、行動原理も変わるのです。入社時にはヤンキーのようにとんがっていた方が(笑)、私の理念を理解し、今では最前線で活躍している、なんてケースもあります。人はどこまででも伸びていけるのです」

そんな江見社長が、人を採用するときのポイントはなにかうかがいました。

「学歴や技術にはこだわりません。実際、私自身が、学歴も学力も金もコネも根性もない人間だったところから会社を始めているので(笑)。誰でもいい、というと語弊がありますが、最低限のことができる人間であればいい、と思っているんです。人は会社に入って変わるものだし、変化の前のタイミングで選り好みして、拒んでどうするのって思います。だから私は、優秀な人だけで組織をつくろうと思ったことはありません。彼らが良い方向へ変わるために、いかにわれわれが力になれるか。そのステージ作りをするのが私の役目だと思いますね」

江見 朗

一覧を見る

COMPANY PROFILE

株式会社
ライドオンエクスプレス
ホールディングス

宅配寿司最大手「銀のさら」や宅配釜めし「釜寅」をはじめ、カレーやお弁当など、ジャンルレスな食の宅配事業を手がける。2012年には「銀のさら」が350店舗を達成。

「銀のさら」「釜寅」をはじめとする自社ブランドのほかにも、人気レストランの料理を宅配する『fineDine』にも力を入れている(現在登録店舗220店以上)。

LEADER’S PROFILE

えみ・あきら

えみ・あきら

1960年、大阪府生まれ。岐阜県の高校を卒業した後、単身渡米。現地で寿司職人として7年半を過ごし、帰国後、フードデリバリー業を開始。宅配寿司業界国内シェアNO.1の企業に成長させた。その独自の“怒らない経営”方針は、テレビ東京系『カンブリア宮殿』で紹介され話題に。近著に『怒らない経営』(イースト・プレス)がある。