LEADER'S VISION 企業トップが働くあなたに伝えたい未来

自分の可能性を信じて、仕事も趣味も取り組んでほしい 株式会社ちよだ鮨 代表取締役社長兼COO 中島正人

現場の空気を知るために 週の半分は店舗へ通う

持ち帰りずしをはじめとして、さまざまなすしビジネスを行っている株式会社ちよだ鮨。中島正人社長は、週の半分はメンバーとコミュニケーションを取りに現場へ足を運びます。

「オフィスには週3日くらいしかいないですね。店舗の業績は数字を見ればわかります。けれど、その数字の裏に何があるかは現場でしかわからない。それを知るために行っています」

その数200店舗以上。それでも数ヶ月に1度、偏りなく訪れているのだそうです。

「行き続けることで、以前との変化がわかるのです。店が清潔かとか陳列棚がどうとかよりも、店の“空気”を見に行く感じですね。働いている人が前向きかどうか、スタッフ間でコミュニケーションはうまくはかれているか。店長だけでなく、メンバーと会話をするようにもしていますよ。“こういうことがしてみたい”“もっとこうするべき”など、メンバーの率直な意見からは教えられることも多いです」

創業当時から、社長が現場に通うことは当たり前のことだったそうです。現場を良くすることが自分の仕事、そう言い切る中島社長。

「現場でのコミュニケーションでうれしいのは、やはりスタッフの成長を感じたときですね。我が社の店舗は規模が小さいので、派手に業績が上がるということはあまりない。けれど、小さな努力がたとえすぐに数字に結びつかなかったとしても、その努力を現場で見ているということは伝えたいんです。努力は無駄にならないと知ってほしい」

年長の先輩から受け継がれる ちよだ鮨スピリッツ

店舗のスタッフは老若男女で、シニアのスタッフも多いちよだ鮨。昔から働いている人の教えが、ちよだ鮨の精神を受け継いできたようです。

「厳しい年配のトレーナーもいます。そういうトレーナーにつくとメンバーは必ず成長する。店長になっても、壁にぶちあたったときは自分を教えてくれたトレーナーに相談しに行くんです。昔は生粋のすし職人さんもいましたし、社員もアルバイトも関係なく、“鮮度”という言葉が日常的に出てきます。我が社のDNAが生きている証かなと思っています」

ちよだ鮨では、長く働く人が多いと中島社長は言います。例えば将来への不安を口にするスタッフが多いことを受け、定年を65歳に延長するなど意見を聞き入れてくれる社風や安心感もあるのでしょう。働き続けてアルバイトから店長になる人もいるようです。

「アルバイトから社員へ飛躍した人たちの共通点は人間性ですね。リーダーシップも必要ですが、むしろいつもにこやかで、周囲も楽しく仕事ができることのほうが大切かもしれません。とはいえ、まずは自分のためにいい仕事をしてほしいです。頑張れば自ずといい仕事ができるようになるし、それが会社にとっていいことなのですから。やる気さえあれば大きな仕事ができるし、その気になれば管理職になれる可能性もある。自分のライフスタイルに合わせて働き方も変えていける柔軟さもあります。お魚をおろせるようにだってなりますしね」

最後に若い人へのメッセージを聞くと、“自分のことを大切に”というお答えでした。

「真剣に自分のことを考えてない若者が多い気がするんです。苦手なことをあえて克服してみるとか、自信が持てることに取り組むとか……。それが自分の可能性を広げることになるでしょう。仕事だけじゃなくて、趣味でもいい。人材としての価値を高めることは、人生の可能性も広げること。そういう気持ちでなんでもやってほしいですね」

中島正人

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COMPANY PROFILE

株式会社ちよだ鮨

1959年に中島水産株式会社食堂部を継承し、「株式会社毎日食堂」を設立。64年に「千代田食堂株式会社」に商号を変更。「寿司乃千代田」1号店を開店してから「ちよだ鮨」100号店を94年に達成。98年、200店舗を達成。2012年、すしビジネスのスペシャリストを育成する教育機関「日本すし学院」を設立、13年4月に開校。

首都圏を中心に、スーパーや百貨店の食品売場、商店街などで200店舗以上。ちよだ鮨以外に、創作すしを取り扱う「さうざん」「なか与」も展開している。

LEADER’S PROFILE

なかじま・まさと

なかじま・まさと

1967年、東京都生まれ。立教大学卒業後に飲食店、農業に従事したのち「ちよだ鮨」入社。2012年に代表取締役社長就任。今後の目標は首都圏300店舗。持ち帰りすしを中心に飲食など多業態での事業展開を予定している。