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2022年05月03日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」映画館バイト編

カレー沢 バイト タウンワークマガジン townwork最後に映画館で観た映画は何かと聞かれると、某刀がイケメンになって戦うゲームの映画版か、現在新作が上映中の100億の男が出るやつか、記憶が定かでないのだがとりあえず「オタク以外の何者でもない」ということだけは伝わると思う。

私の住んでいる僻地に映画館などという文化的施設があるのか、と思われるかもしれないが、なんと6館もある。
県の面積に対し数が少なすぎるように見えるが、この6館が絶妙の距離で県内に分布しているのだ。
おそらくもう1館でも増やしてしまったらどれか潰れると思う「均衡」とはまさにこのことだ。
もちろん「どの映画館からも微妙に遠い」という人間もおり、そういうタイプは一人で映画デビューが異常に遅い、私は18歳である。

ちなみに内4館は今全国的にホットな映画を上映するいわゆるシネコンで、もう2館はサブカルの方が好むを超えて「住んでいる」おなじみのミニシアター系であり、ホットではないが良い映画、もしくは3ヶ月ぐらい前にホットだった映画を上映している。
おそらく「映画館に行くぞ」と言って子供をここに連れて行ったら泣くだろう。

しかし6館しかない、と言ってもそもそも我が村には娯楽自体が少ないため、遠出するのはダルいがどこにも行かないのもどうか、という煮え切らない連休に行く場所として必ず候補に上がってくる。

私も連休には映画に行くことが多かったのだが、時勢柄行きづらかったのと、まさに今「どの映画館からも微妙に遠い場所」に住んでいるためなんとなく足が遠のいていたが、某刀がイケメンになる映画の続編も発表されたことだし、そろそろたまには映画を観に行っても良いのではないかという気がしている。

そんなわけで今回紹介するのは映画館でのアルバイトだ。
ここでいう映画館とはサブカルの住所ではなく田舎の心臓ことイオソモールとかに入っている映画館のことだ。

 
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映画館のアルバイト。と一言で行っても仕事の種類はかなり豊富のようである。

まず「ボックス担当」という、チケット販売、上映時間案内、空席案内などをする仕事がある。
最近は券売機を設置しているところも多いが、田舎の駅みたいにチケット販売が完全に無人になっているということはないし、券売機の前で長考に入られたお客様に操作を説明するなどの新しい仕事も生まれている。

次は、チケットをもぎり、座席に案内し、上映後は館内の清掃をする「フロア担当」がある。

これだけ全てが自動化している中、映画のチケットだけ手でもぎっているというのは不可解であり既に自動改札のようになっているところもあるらしい。
しかし駅の自動改札すら最近まで導入されていなかったことで都会者をビビらせたことで有名な我が地元は当然まだ人力である。
おそらく全国的にみてもまだ手動もぎりの映画館も少なくないだろう、入場者が多い時は次から次へとチケットをちぎっては投げなければいけないので意外とテクニックがいる場所なのかもしれない。

次に「コンセッション担当」がある。
聞きなれない仕事だが、フードやドリンクを販売するブース担当だ。
扱うのはドリンクやポップコーン、その他軽食であり、難しい調理を必要とするものはほとんどないが、よほど映画館のキャラメルポップコーンに惚れ込んでいる人間でなければフードを買うのはこれから映画をみる人間だ。
つまり「上映時間が迫っている」場合もある。
また、人気作の上演前にはフードにも行列ができることが珍しくない。

既に上演時間3分前なのに、フードの行列が全くはけていないという光景はある意味これから観るアクション映画よりスリリングだ。
頼むから余裕を持って入場してくれと思うだろうが、それができない人もいる。
よってフード担当は手際の良さが求められ、映画館バイトで最もインポッシブルなミッションを課せられる場所と言われているようだ。

そして、パンフレットや関連グッズを売る物販担当」もある。
フードよりは慌ただしくはないかもしれないが、人気映画のグッズ販売ともなれば混むし、ある意味フードよりも客が殺気だっていることもあるかもしれない。
また「ポップコーンとコーラ」など、比較的注文が明快なフードに対し物販は「○○の××のアクキー全ポーズ」など専門知識が求められ、入れ替わりも多いであろうから、フードより映画に対する知識が必要で、商品名を覚えたりするのは大変かもしれない。

最後に映像や音声など上映機器の調整をする「映写担当」があるが、これをアルバイトが担当することは珍しいそうだ。
やるとしても研修があり、手動で切り替えを行い、ミスると謎の空白の後、さっきまで走っていた車が爆破済みになっているという事故が起こっていたフィルム時代と違い、今はほとんどがデジタル上映なのでそこまで難しい操作ではないようだ。

このように、職種も様々であり、我が村であればどんなに遅くても日付変更前には全てが終了するが、都会は早朝から深夜まで上映している館もあるので時間帯の選択肢も多く、早朝と深夜は時給も高い

そしてアルバイト中、たまたま上映されている映画が視界に入ることもある。
つまり「タダで映画が観られる場合がある」というのも映画館アルバイトのメリットの一つだ。

年を取ってから「この映画みたいな」と思っているうちに上映が終了していることが増えた。
いっそ映画館で働いてしまえばそういう見逃しもなくなるかもしれない。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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