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2020年09月01日

瀧野由美子(STU48)インタビュー「やらないで後悔はしたくない。ぶつかりに行く勇気を持つことが大事だと思います」

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townworkAKB48の国内5組目の姉妹グループとして誕生し、瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48。3年前の結成当初からセンターに立つのが瀧野由美子さんです。中高時代は吹奏楽部でサックスに打ち込み、音楽系の大学に進学したところでSTU48のオーディションに応募。5thシングル「思い出せる恋をしよう」の発売を前に、重責を担い続けた足跡を振り返ってもらいました。

 

球場のビールの売り子のバイトで全身が筋肉痛に

――STU48の結成前、広島のマツダスタジアムでビールの売り子のバイトをしていたそうですね。

実家が山口で大学に入って広島に来て、バイトをいろいろ掛け持ちしました。仕送りをもらってなくて、サックスの備品も消耗品が多かったので。居酒屋、ファミレス、ティッシュ配り、コンサートのグッズ販売……。その中のひとつが売り子だったんです。

野球がすごく好きなわけではなかったんですけど、若いうちにしかできない経験をしようと思ったのと、住んでいたところがマツダスタジアムから遠くなかったので。売り子をしているうちにカープにハマって、ホームランが出たら、お客さんと一緒に喜んだりしていました。

――背中に担ぐビールのサーバーは重くて大変だとか。

あれは20キロくらいあって、担いでスタンドの階段を上から下まで昇り降りすると、最初は全身が筋肉痛になりましたし、肩も凝りました。しかも、夏場だとめちゃめちゃ暑くて。

でも、私がバイトをしたのはカープが25年ぶりに優勝した年で、チケットが全然取れなかったので、仕事をしつつ、試合もちょっとは観られたのは嬉しかったです。

――瀧野さんは1日に200杯とか、トップクラスの売上げを記録していたそうで。何か工夫をしていたんですか?

ちゃんと声を出して、何のビールを売っているのかアピールしたのと、毎日同じシュシュを付けて、一度買っていただいた方に私だとわかってもらえるようにしてました。

――接客系のバイトが多かったようですが、社交的なタイプだったんですか?

全然です。活発ではあったんですけど、すごく人見知りで、最初はうまく接客できませんでした。でも、マニュアルがあったり、先輩にもいろいろ聞いているうちに、徐々にできるようになって。ティッシュ配りやグッズ販売は今の仕事にも少し繋がって、貴重な経験でした。

 

アイドルは来世でなろうと思ってました(笑)

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townwork――アイドルは小学生の頃から興味あったそうですね。

ずっと憧れてました。AKB48さん、ももクロ(ももいろクローバーZ)さん、モーニング娘。さん……。でも、一番見ていたのはAKB48グループさんですね。クラスのみんなが誰が好きとか話していて、私は峯岸みなみさんや松井玲奈さん、前田敦子さんが好きでしたし、皆さん素敵でした。

自分も生まれ変わったらアイドルになりたいと思っていました。でも、今世ではなれないと中学の時点で諦めたんです(笑)。田舎にいたのと、アイドルは学校でキラキラしている人から選ばれていく感じがしていて。私は地味だったし、来世でもっとかわいかったら、アイドルになるつもりでした(笑)。

――今の瀧野さんを見ていると腑に落ちない話ですが(笑)。音楽系の大学に進学したのは、サックスの道に進もうとしていたから?

中学、高校と部活の吹奏楽のために学校に行く感じで、個人レッスンにも通っていたので、音楽関係の仕事に就けたらいいなと思っていました。

そしたらSTU48ができると聞いて、地方で夢を追い掛けてもいいんだと、初めてアイドルになることを現実的に考えたんです。オーディションに落ちたとしても、受けなかったら絶対に一生後悔する。受ければ他のお仕事に就いても武勇伝になると思いました。

――歌やダンスの経験はあったんですか?

全然なかったです。人前で歌うのが好きでなくて、カラオケに行ったこともなくて。最終審査の前に友だちに付き添ってもらってカラオケには行きましたけど、ダンスはどう練習するかもわからなくて。

でも、2次審査の後、一緒に受けていた今村美月ちゃんが(ドキュメント用の)インタビューで「ダンスを8年間やっている」と言っていたんですね。私が今さらダンスを練習するより、経験がないからこそ、するべき努力がある。他の部分をアピールしようと思いました。

――歌唱審査で歌ったのが『塔の上のラプンツェル』の劇中歌『輝く未来』。他の人はだいたいアイドルの曲を歌っていたと思いますが……。

ディズニープリンセスが好きだった中でも一番好きな曲だったのと、ラプンツェルはずっと塔の中にいて初めて外に出るお話なので。地元で一歩踏み出せずにいた自分と重ね合わせて歌いました。

 

センターに立って自分の未熟さを突きつけられました

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townwork――合格してからダンスで苦労はしました?

STU48ではダンスを習っていた子が多くて、全然ついていけませんでした。ありがたいことに最初からセンターをやらせていただきましたけど、入って半年でAKB48の選抜メンバーにも選んでもらって、あまりレッスンに参加できないのが苦しくて。他のところで、すごく練習しました。

――サックスも朝錬をしたり、お弁当を短い休み時間のうちに食べて昼休みも練習していたそうですが、ダンスもそういう感じで?

私は何ごとにもセンスがあるほうではないので、その分、サックスも人一倍練習しようと思ってました。ダンスもお仕事に支障が出ない睡眠時間は確保しつつ、家に帰ってから寝るまで、ずっと練習しました。

――センターを目指してはいたんですか?

いえ。前田敦子さんが苦労されているのをテレビとかで観ていて、自分には務まらないと思ってましたし、STU48に入った時点で19歳で年上のほうだったので、センターに立つとは本当に考えていませんでした。

入って1ヵ月で最初のオリジナル曲『瀬戸内の声』でセンターをやらせていただいたときも、努力して勝ち獲ったものではなくて。一番良い立ち位置ではあるけど、ダンスも歌もできない自分がやれば、厳しい声も一番聞こえてくる。不安でいっぱいで、私のアイドル人生は壮絶なものになると思いました。

――グループでの活動の他にも、すぐ単独で雑誌の表紙を飾ったり、ドラマ『マジムリ学園』でいい役を演じたり、“超逸材が現れた”という印象でしたが……。

先輩方はいろいろ経験してから表紙やドラマに出演されたのに、私はまだ何も習得してない時点で、そういうところに立たせていただいて。自分の未熟さをたびたび突きつけられる感じで、「これでいいのかな?」と毎回思ってました。

 

自粛期間に自分のアイドル像がガラッと変わりました

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townwork――センターに立ちながら自分に未熟さを感じる状況を、どう乗り越えてきたんですか?

批判もいっぱい聞きましたけど、ファンの方は握手会にたくさん来てくださって、いろいろ誉めていただいて。私は容姿も含めて、自分のことを好きではないんです。でも、雑誌に出るとファンの方が喜んでくださって、「この写真が良かった」とか言ってもらえるのが、本当に嬉しいんです。

私を求めてくれる方が少しでもいるなら、その方たちのために頑張ろうと思いました。応援してくれる方がいなかったら、ここまで続けられませんでした。本当にファンの方の支えは大きかったです。

――ファンの方に応えるために、さっき出た人一倍の努力をいっそう続けた感じ?

そうですね。STU48のレッスンで小さな積み重ねをしていく時間がどうしても足りなくて、そこは自分で何とかしなきゃと、いつも思ってました。

みんながレッスンしている動画をマネージャーさんに送ってもらって、移動中に観たり、1人で練習したり。あと、AKB48の現場に行くと先輩ばかりなので、相談したり、ダンスを教わったりしました。

――STU48結成から3年経って、アイドルの仕事をするうえで大事だと思うようになったこともありますか?

AKB48グループは苦しみや涙も隠さず、ありのままをさらけ出して応援してもらうのが、すごくいいと思っていました。でも、自粛中に他のアイドルをいろいろ観たり、自分の過去の映像も振り返って、人間味のあるアイドルも魅力的だけど、キラキラしたTHEアイドルも素敵だなと、すごく思うようになったんです。

私自身、苦しんでいるところを見せたくないというのは、昔からあって。ファンの方も笑顔を見ているほうが幸せな気持ちになれると思うので、ウソはつかないけど、常に笑顔でいることを心掛けるようになりました。

 

恋愛ソングの新曲は自分の活動にも重なって

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townwork――5thシングル「思い出せる恋をしよう」はSTU48らしいノスタルジックなナンバーですが、こういう路線は瀧野さん自身の好みでもありますか?

さわやかな感じで、すごく好きです。MVを自分でも何度も観返しています。1stシングルからずっと瀬戸内でMVを撮っていて、今回は御手洗の昔ながらの町並みで撮影しました。私たちのことも観てもらいつつ、瀬戸内にはこんなにきれいなところがあるんだと、伝えられたらいなと思っています。

――“いつの日にか思い出せる とっておきの恋をしよう”という歌ですが、思い出になる日々を送りたい気持ちは瀧野さんもありますか?

そうですね。恋愛ソングですけど、自分自身の活動と重なる歌詞がいっぱいあります。“もし世界が終わったとしても悔いのないように”とか“いつの日にかまた出会って 昔話できたらいい”とか。

アイドルはいつか卒業するもので、もう違う道に進んだメンバーもいますけど、何年後かにみんなで集まったとき、アイドルの頃の話がたくさんできるくらい、素敵な思い出になる活動を続けていきたいです。

 

「どうせダメだ」とは考えないで挑戦します

――そんな中、大学受験に再び挑むことも宣言しました。

STU48に入って東京に行く機会も増えて、大学は辞めざるを得なくなってしまったんですけど、自分の中ですごく心残りになっていて。それで、また挑戦しようと思いました。

――でも、瀧野さんは今も忙しいはずで、受験勉強は大変ではないですか?

以前通っていた大学は入試が推薦で音楽を学びに行く感じで、高校も部活をしに行っていたようなものだったので、私はちゃんと勉強したことがなくて。英語が中学生レベルのところで躓いたり、確かにすごく大変です。移動中はずっと単語帳を見ています。

ここで受験しなければ、30歳とかになったとき、後悔すると思うので、やってダメだったほうが絶対いい。だから、挑戦することに決めました。

――「後悔したくない」というのは、瀧野さんの人生のポリシーですか?

自分がやりたいこと、どうしても我慢しないといけないこと……って選択を求められる場面がありますけど、その選択をして後悔しないかは考えます。「どうせダメだろう」とか考えず、やってみるのは素敵なこと。当たって砕けろで、砕けてはダメですけど(笑)、ぶつかりに行く勇気を持つことは大切だと思います。

――その結果STU48に入って、来世を待たずにアイドルになれたわけですしね。

後悔しないためにオーディションを受けて良かったです。自分の人生なので、死ぬまでにやっておきたいことを考えて、最後に振り返ったとき、悔やむことがないようにしたいです。

STU48 瀧野由美子 タウンワーク townwork

■Profile
瀧野由美子
(たきの・ゆみこ)

1997年9月24日生まれ。山口県出身。
2017年にSTU48の1期生オーディションに合格。2018年1月にシングル『暗闇』でデビュー。2020年9月発売の『思い出せる恋をしよう』まで5作連続でセンターに立つ。2017年9月発売のAKB48のシングル『11月のアンクレット』などでも選抜メンバーに選ばれている。

◆瀧野由美子 OFFICIAL Twitter:@stu48_yumianko
◆瀧野由美子 OFFICIAL Instagram:@yumiko_anko
◆STU48 OFFICIAL SITE:https://www.stu48.com

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:小澤太一 取材・文:斉藤貴志

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