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2017年04月26日

真緒(The THIRTEEN)インタビュー『誰かがミスをしたら誰かがカバーする。そのチーム感が好き』【俺達の仕事論vol.7】

真緒 The THIRTEEN V系 バンド タウンワークマガジン Sadie

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

ラウドで攻撃的なサウンドを奏でるThe THIRTEEN(サーティーン)のヴォーカリスト真緒(まお)。大学をやめて20代で飛び込んだ音楽の世界。バンド活動を続けるために選んだという“料理”関係のアルバイト。そこで感じた、バンドとアルバイトの共通点や、彼ならではの仕事の楽しみ術を伺いました。

 

初めてのバイトは楽しくて仕方がなかった

――真緒さんがミュージシャンになりたいと思ったのはいつ頃ですか?

僕が本気で思い始めたのは、20代になってからなんです。音楽は10代のころから好きでしたけど、ごくごく普通に大学生活を送っていました。

ただ、3回生のときに半年間イギリスに留学したら、すごく刺激を受けて、“やっぱり好きなことをして生きたい”と思ってしまったんですね。基本的に飽き性でなにをやっても続かなかったんですけど、音楽だけはずっと好きだったので、本気で音楽に向き合おうと決意して、4回生になった直後に中退しました。

――大学をやめて、バンド活動に打ち込もうと。ただ、学生ではないのでバイトをしないといけませんよね。

そうなんですよね。そこから、バイトのかけ持ち生活が始まりました。

――そのかけ持ち生活のお話を聞く前に、最初のバイト経験談をお聞きしておきましょう。

まだバンドを始める前ですね。初めてバイトをしたのは、高校1年生の夏休み。総合雑貨店というか、大型スーパーみたいなところでレジ打ちをしました。

――初めてのバイトはどうでしたか?

1週間くらいレジ打ちをしたあと、日用雑貨コーナーの担当になって商品の陳列・整理なんかをしたんですけど、楽しくて仕方がなかったですね。アルバイトをするっていうことに憧れがあったし、実際に自分でお金を稼ぐ喜びを感じられて。短期で8万円くらい稼げたので、大好きな音楽をいい音で聴くためにコンポを買いました。

その後、高校生の間は、長期休みに引っ越しとか短期のバイトをしつつ、高校生の終わりくらいからは、お昼にはランチメニューがあって、夜も食事メニューがあるような地元のオシャレなカフェの厨房で、バイトを始めたんです。

――料理に興味があったとか、得意だったからですか?

もともと料理をするのが好きだったし……。今思うと、いろいろな楽器をどういうバランスで入れるか考えて曲を作ることと料理って似ているなと思うんですよね(笑)。

――お昼時だとか夜だとか、時間帯によってはすごく忙しかったのではないですか?

その忙しさも、充実感があって。アルバイト同士、誰かがミスしたら誰かがカバーするというチーム感も好きだったんですよね。

 

バンドとの両立。当時はまかないがつくことが重要でした(笑)

真緒 The THIRTEEN V系 バンド タウンワークマガジン Sadie――そういった団結感もまた、バンドに通ずるものであるような気がします。

そうですね。だから、僕にとって当時のバイト先はものすごく居心地のいい場所でした。自分が休みのときでも手伝いに行ったり、シフトは18時からなのに16時から入ったりして。最年少だったんですけど“先輩たちのために俺、頑張ります!”っていう。

――先輩方にも、さぞかわいがられたことでしょう。そして、その後バンドを本気でやるために、学校をやめてバイトのかけ持ち生活を始めたわけですよね。

やっぱり料理関係がいいなと思って、昼はレストランで、夜は和食屋さんでバイトを始めました。バンドを始めて髪の毛の色を明るくしていたから、ホールではなく厨房で。

ひとり暮らしを始めてお金がなかったから、まかないがついて、なんなら余った食材を持ち帰れるっていうのがとにかくありがたかったですね。バンド練習がある日は、昼だけ働くとかして、なんとか両立させていました。

 

玉ねぎのみじん切りには相当の自信があります

真緒 The THIRTEEN V系 バンド タウンワークマガジン Sadie――時間的、体力的なことはじめ、大変なこともあったのではないでしょうか?

まずは洗い場から始まって、そのうち仕込みができるようになるんですけど、包丁さばきは最初のころ苦労しました。1日に何百個もの玉ねぎを、ひたすらみじん切りにするとか。おかげで、玉ねぎのみじん切りには相当自信があります(笑)。

そうやって仕込みができるようになったら次は盛りつけ、さらには調理とか、段階を踏んでいろんなことを学んでできるようになるのは、すごく楽しかったですね。

――ちなみに、一番自信のあるメニューは?

最初に持ち場を持たせてもらったのがパスタだったこともあって、オイル系パスタです。パスタのゆで時間、塩加減、体で覚えました。

――となると、女性にも料理の腕を求めてしまいそうですけど……。

味には全然うるさくないですよ。作ってくれるだけでうれしいですから。ただ、どうしても段取りは気になっちゃいますね(笑)。

 

今でも覚えている先輩から言われた3つの言葉

真緒 The THIRTEEN V系 バンド タウンワークマガジン Sadie――仕事でさんざん鍛えられた人ならではの視点ですね(笑)。のまま“音楽ではなく料理の道に進もうかな”と思ったことは?

楽しかったんですけど、気持ちが揺れたことはないんですよね。だから、どんどん昇給して仕事を任されるようになると“ごめんなさい、料理の道に本気で進むことはできません”っていう申し訳なさから、ほかの店に移るっていう。

――でも、行く先々で認められて……。

そうなんですよ、下積みがあるから出来ちゃうんですよね(笑)。もともと、不器用ではないし、今自分がなにをすべきで、どういう段取りで進めるべきかっていう状況判断は、得意なほうだと思います。

――処理能力が高いわけですね。

最初のカフェで“君は料理関係の仕事をするために必要な要素をいくつか持っている”って言われたことがあるんです。適応力、スピード、背が低いことの3つだそうです。

“背が低いことはコンプレックスかもしれないけど、接客業としては有利。笑顔もあるし、腰の低さもあるから、自信を持って”とも言われました。自分を活かせる職種だったんだなってあらためて思います。

ただ、あまりバイトに一生懸命になるとバンド活動がおろそかになるので、Sadieを始めてからはバンド活動を優先できるバイトを転々としました。

 

自分の知らない世界を知っているオトナと出会える場所

真緒 The THIRTEEN V系 バンド タウンワークマガジン Sadie――振り返ってみると、バイト時代の経験、そこで得たものが今に活かされているなという実感もありますか?

基本的に目上の方と接する機会が多かったし、コミュニケーション能力は高められたと思います。いろいろなバイト先で尊敬できる先輩方に導いてもらったから、自分もそうなりたいと思いましたし。

――実際、真緒さんは先輩や後輩など、たくさんの人に慕われていますもんね。

だとしたら、それはバイト時代の経験があったからこそです。

――という真緒さんが、夢を追ってバイトに励んでいる人、これからバイトを始めようかなと思っている人に言ってあげたいのは、どんなことでしょうか。

アルバイトに対してなにを求めるか、これは一番重要だと思うんですよ。とにかくお金が欲しいなら、多少我慢しても時給が高い仕事をすべきだし。やりがいを重視したいなら、時給が安くても頑張るガッツが必要だし。

でも、どんな仕事にしろ、自分の知らない世界を知っているオトナがたくさんいて、人生観を聞くことが出来ると思うんです。僕の経験上、上に立つ店長さんやオーナーさんがしっかりしているところっていうのは、アルバイトのみなさんもいい人が多かったんですよ。

長くバイト生活を楽しみたいなら、自分が面接を受けに行くところの店長さんやオーナーさんの人間性を見るっていうのも、アリなのかなと思います!

 

■Profile
真緒(The THIRTEEN)

2005年に始動し、2015年9月に活動休止したSadie(サディ)のヴォーカリスト。Sadie活動休止後、ギターの美月と新ユニットThe THIRTEENを結成。現在、ニューシングル「GAMUSHARA」「WHITE DUST」を引っさげ、全国ツアー『The THIRTEEN Spring tour 2017 ANARCHY BOYS & ANARCHY GIRLS』を開催中。

◆The THIRTEEN OFFICIAL SITE:http://www.the-thirteen.com/
◆真緒 Official Twitter:@mao_Sadie

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:杉江優花 撮影:河井彩美

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