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2023年12月26日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」確定申告バイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork2023年の漢字は「税」だそうだ。

詳しい言及は避けるが個人的には思うところがありすぎる一文字だ。
私はフリーランスゆえにどちらかというと「税」を五感で感じる生活をしており、ある意味2023年のトレンドに乗ったと言えるが、残念なことに私の生活は2024年も「税」であり、11月末に今年の大きな税金をやっと払い終わったが、一か月もすれば年が明けて「確定申告」がはじまる。

だが、そんな税が終わって税がはじまるスペース税金状態になっているのは私だけではなく多くの個人事業主はそうだし「確定申告」に至っては、給与一本でやっているという会社員や、限りなくノージョブノーインカムだという人以外は行う必要がある人も多い。

つまり毎年二月半ばから三月半ばにかけて税務署には確定申告者が大挙するということであり、とてもいつもの職員だけではさばき切れない。

そんなわけで今回のアルバイトは「確定申告バイト」である。

 
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つまりイベント特需のために召集されるスポットバイトであり、カテゴリ的にはクリスマスバイトや海の家バイトと同じなはずなのだが、字面の渋さが段違いだ。

念のため言っておくが、クリスマスバイトはケーキの余りを持って帰れたり、海の家バイトはバイト後、海で遊べたりするが、確定申告バイトは「残った税金を持って帰れる」などの特典はないし、そもそも税金は余らない。

しかし「バイトしながら社会勉強をしたい」という、信じられないほど真面目な人はこちらのバイトの方がお勧めである。

おそらく時期的に学生は春休みだと思うので、ぜひ確定申告バイトで周囲に差をつけてほしい。

確定申告バイトの内容だが、まず会場に来た人の案内、書類の受け取り、提出された書類の整理やデータ入力などである。

データ入力は専用端末にひたすら数字を打ち込むことになると思うので、特に税知識は不要かと思われる。

ただ私は直接税務署に出向いて申告したことがないので現場の様子は知らないのだが、確定申告シーズン中は税務署に「確定申告書類作成コーナー」が出現し、その場で書類の作成と提出を済ませる人もいるようだ。

そのコーナーでのパソコン操作補助も確定申告バイトの仕事の一つだ。

この確定申告作成も申告者が持参しているであろう、書類の数字を打ち込むだけなので、税制に詳しい必要はないのだが「このアマゾソの領収書の数字を所得欄に打ってください」などとバイトが適当なことを言い出すようでは困るので、最低限、所得や経費、控除などの概念はあった方がいいとは思うが、多分その程度の知識や操作方法は事前の研修などで教えてもらえるのではないかと思う。

おそらく税務署で書類を作製する人は単純な申告の人だと思うので基本がわかればそんなに困らないと思うが、もし「現地で青色に挑戦!」というチャレンジをしに来た人がいたら、早めにわかる人に変わった方が良い。

タウンワーク調べの確定申告アルバイト体験者の声によると、やはり圧倒的に「勉強になった」という感想が多い。

実際、日本には納税が義務なのに納税のために必要な確定申告のやり方を義務教育でほとんど教えない、というバグが存在するため、確定申告のやり方を実戦で学べる機会は貴重である。

これでいつ確定申告の必要がきても安心だが、確定申告が必要なフリーランスなどの立場はご時世的に安心とは言えないので、もし確定申告バイトをして「こんな面倒なことはしたくない」と感じたなら「会社員」という基本的に確定申告不要の職業があるので参考にしてほしい。

確定申告のしくみが分かる上に、将来について考えるきっかけにもなる、まさに若者にとって一石二鳥のアルバイトと言える。

逆に確定申告バイトのデメリットだが、これも「何故かうすくムカつき気味で来る人がいる」という点が圧倒的である。

これに関しては大変申し訳ないが「あきらメロン」としか言いようがない。

「納税」という決して楽しいとはいえない行為をするために、時間と労力を使い、時には税務署まで出向いて書類を作成しなければいけないという状況に御不満をお持ちの方も少なからずいらっしゃるのだ。

それに「家でやろうとしたけど全然わからねーから来た」という、長時間よくわからないものと格闘してエンジンが温まった人が来ることもある。

だからと言ってアルバイトに当たっても仕方がないとは思うが、正直イラついている方の気持ちも同じ確定申告者として良くわかる。

確定申告バイトをする以上、ホットな申告者に当たることは避けられないかもしれないが、申告者は背後にあるもっと巨大なものに怒っているのであり自分に怒っているわけではない、と思ってあまり気にしないでほしい。

ただ、よくわからないからわざわざ税務署まできたのに、聞いた相手に「自分も何かよくわかんねーっす」みたいな態度を取られたら、温度がさらに上がってしまうので、ただでさえナイーブになっている訪問者がさらに傷つかぬよう、端末操作や確定申告に関する予習はしっかり行うことをお勧めする。

居酒屋で酔客を相手にするのとはまた一味違う、むしろ大の大人がシラフの状態で、明らかに学生のバイトにさえ冷静さを欠いてしまいかねない「確定申告」そして「納税」という行為に思いを馳せる機会になる、極めて社会学習度の高いアルバイトである。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
X(旧Twitter): @rosia29
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