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2022年02月04日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」バレンタインバイト編

カレー沢 バイト タウンワークマガジン townwork先日遅ればせながら初詣に行った。

時勢柄、混雑は避けるべく、あえて正月も10日すぎてから行ったのだが、神社は結構な人出であり、行列もできていた。

もしかしたら、向かいから歩いてくる人を避けようとして相手も同じように避けるという苦笑い現象をやってしまったのかもしれない。
今年はより一層「自分如きが考えつくことは他人も考えている」という事実を肝に彫っていきたい。

お守りなどを売るコーナーにも人だかりができていたので、おそらくあの中に先日紹介した巫女バイトが存在したと思われる。

何故曖昧かというと、私は欲しいものがあっても混んでいる時点で諦めて帰る、経済を回さないバブル崩壊脳なので、人混みの先に存在したであろう巫女の姿を肉眼で見ていないのだ。

見ていないし正月も過ぎているので、もしかしたら装束ではなく思い思いの私服で着膨れた町内会み溢れる方々が販売していたのかもしれないが、それでも正月3日間ぐらいは巫女がいたのではないかと思う。

風が吹けば桶屋が自社ビルを買う、と昔からいうように、イベントがあれば特需が発生し、それに対応する「スポットバイト」が現れる。

ただイベントあるところにバイトあり、と言っても「家に閉じこもり一日中オリジナルの経を唱えるイベント」の場合はあまりバイトが発生しないかもしれない。
だがそのイベントに「必ず頭にキャベツをかぶる」というルールがあれば話は全く違ってくる。
まず、頭にかぶる用のキャベツ農家に人手が必要になるし、さらに梱包出荷、そして自らもキャベツをかぶり、かぶりやすさをアピールしながら販売する人間が必要になってくる。

つまり人が集まり、なおかつ物品が流通するイベントにはバイトが発生しやすいということだ、今回紹介するのはそんな条件を満たしたイベントバイトである。

バレンタインアルバイト

これが今回紹介するアルバイトだ。

 
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バレンタインとは、言わずと知れた意中の相手に己の心臓を捧げることにより、その愛情と感謝を示す奇祭のことである。
しかし心臓は基本的に1人一個なので、捧げると今後に響く。
よって、心臓という意味でハート形をしたチョコレートをプレゼントするのが通例となっている。

それは嘘だが、愛情や感謝を示すためにチョコレートをプレゼントする日というのは本当だ。
つまり大量のチョコレートの製造販売が必要になるため、それを捌くバイトが発生する。

バレンタインバイトは、カカオ農園の求人はあまりないが、チョコレートの製造、そして梱包、さらに小売店での販売業務などがある。

バレンタインは2月だが、2月に「バレンタイン開催決定!」ということはなく、それは前々からわかっていることだ。
よって12月ごろから募集が出ているので、バレンタインバイトがしたければ年末から求人をチェックしておこう

まずチョコレートの製造だが、パティシエのようなお菓子作りをするというわけではなく、工場でのライン作業が主になる。
チョコレートに腹に溜まらないトッピングをしたり、製品を並べる単純作業になるので、製菓技術は必要ない。
バレンタイン用のため業務用板チョコではなく、見た目の良いチョコを製造、さらに栄える梱包をするため、工場での単純作業でありながら、華やかな気分になれた、という意見もある。

ただ、スポットバイトというのは繁忙を見越して募集されているため「忙」は確実と思った方が良いし、バレンタインに間に合わすために残業もあるかもしれない
可愛いチョコレートを作る優雅な仕事というイメージでいくと、可愛くない仕事量に却ってチョコレートにトラウマを抱える恐れがある。

販売はバレンタイン用のチョコレートを催場や店頭で販売する仕事である。
スポットバイトゆえに、特別なスキルや経験を求められたりすることはないが、基本的に扱うのがチョコレートのみなため、チョコの種類を覚え、見分けるのが大変だったという意見もある。
赤福とトリュフの見分けがつかないタイプには難易度が高いかも知れないので、元々スイーツに興味がある方が仕事は覚えやすいだろう。
また、ごく稀に終了後に余ったチョコをもらえる場合もあるようなので、チョコ好きの方がメリットが感じられるバイトなのは確かだ。

また販売の方も「忙」はほぼ確実で、前日や当日は一日中途切れることなく客がやってくるようだ。
ただ、忙しい分、製造も販売も時給は普通の製造販売よりも高めに設定されていることが多いようだ。

また販売の仕事は「自分のバレンタインは捨て」の覚悟で臨んだ方が良い。
バレンタイン前から当日までバタバタするため、自分のバレンタインに力を入れる余裕がないらしい。
パートナーがいる場合「なんでバレンタインにバイト入れるんだよ」という揉め事に発展し、他人の恋をサポートするバイトをしたせいで己の恋が終焉する可能性があるので、どちらかというと「我こそはバレンタインにノー予定」の自信がある人向けである。

私のバレンタインは、例年当日にコンビニで購入したものを家人にあげている。
最近のバレンタインチョコはクオリティが高いため、コンビニで買ったものですら、見劣りがあまりしないのである。
我々が良いチョコを安価で購入できるのはバレンタインアルバイトのおかげだ。

しかし、家人はもともとチョコが好きでなく買ったチョコを永遠に食わないので、最終的に「どけ、俺が食う、お前は下がっていろ」と私が颯爽と登場するのがお決まりになっている。

バレンタインチョコはあげることに意味がある。
私がバイトなら自らの携わったチョコが朽ち果てていくより、好きな人の口に入って欲しい。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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