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2015年09月16日

漫画家のモチベーションをMAXにする、究極の差し入れを探してみた

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漫画編集者。それは作家にとって大事なビジネスパートナーであり、最初の読者でもある。世の漫画好きにとっては憧れの職業かもしれない。

このほど、そんな漫画編集の仕事を体験できるバイトが募集されるという。

講談社『モーニング』に新米編集者として勤務。人気作品『バトルスタティーズ』を連載する「なきぼくろ」先生の仕事場にお伺いし、上がったばかりの原稿をチェックするという重要なミッションだ。

個人的にモーニングは毎週愛読しているし、もちろん『バトルスタティーズ』も好きな漫画のひとつである。これは応募するしかあるまい。

なお、今回のバイトには原稿の受け取りだけでなく、「先生への差し入れを選ぶ」という任務も課せられている。

なるほど差し入れか。信頼関係を築くためには第一印象が肝心である。ここはひとつ、なきぼくろ先生の心をわしづかみにする気の利いた差し入れを用意し、ぐっと距離を縮めたいところだ。

そこで、漫画家のモチベーションを上げる、最高の差し入れを考えてみることにした。

バトルスタティーズとは?

今回差し入れを選ぶにあたって単行本で復習してみたところ、夢中でむさぼり読んでしまった。改めて熟読するとめちゃくちゃおもしろい作品だな、コレ。

単行本2巻まで好評発売中

単行本2巻まで好評発売中


高校野球の超名門「DL学園」に入学した狩野笑太郎が、同じく関西圏から選抜された野球エリートとともに全国制覇を目指すストーリーなのだが、ただの野球漫画と違い「高校野球の理不尽な上下関係」「ハードすぎる練習や寮生活」といった内情をリアルに描いているのが同作の醍醐味。

なんせ、「おのれら楽勝こいとったらトラックに結びつけて、血ヘド垂らすまで走らせたろか?」とか言うコーチが普通に登場するのだ。僕だったら1時間で退部届を出している。

じつは、なきぼくろ先生は「PL学園」の硬式野球部出身で、自身も3年夏の甲子園にレギュラーとして出場したという異色の経歴を持っている。スポーツもできて絵もうまいなんて、うらやましすぎる。

おもろい!

おもろい!


笑太郎たち一年生を苦しめる上級生の理不尽な「指導」や、寮生活における「鉄の掟」は先生自身の実体験に基づくものなのだろう。それだけに生々しいのだ。遵守すべき掟のなかには「女子を見るのも禁止」という、野球とまったく無関係に思える理不尽なものまである。

禁止されるまでもなく女子と縁がなかった筆者のような人間ならまだしも、モテモテの野球エリートたちにはきつい掟だったに違いない。

何を差し入れすべきか?

前置きが長くなったが、差し入れである。なきぼくろ先生に喜んでもらうには、どんな一品がいいだろう? 下手なものを持っていったら、金属バットで尻をしばかれるかもしれない。

先生の過去のインタビューなどもチェックしてみたが、どれも野球のことが中心で好物などをプロファイリングすることは難しかった。

デパ地下の高級スイーツなどでお茶を濁そうか。でもそんな無難なチョイスだと、500度に熱したスパイクでヤキを入れられそうだ

デパ地下の高級スイーツなどでお茶を濁そうか。でもそんな無難なチョイスだと、500度に熱したスパイクでヤキを入れられそうだ


そこで、「贈り物のマナー」に関する文献を読み漁り研究したところ、陣中見舞い的な差し入れのポイントが見えてきた。

・差し入れは、その場で飲食できるものが好まれる
・手土産ほどきちんとしたものでなく、カジュアルなもの
・切り分けたり、調理したりせず、そのまま食べられるもの
・作業中や合間に食べられて、お腹にたまるもの
・限定品など入手困難なもの

逆に、先方の職場の近くで購入したものなどは、「手近で済ませた」「慌てて購入した」印象を持たれるためNG。うむ、差し入れひとつとっても奥が深いものなんだなあ。

贈り物美人への道は険しい

贈り物美人への道は険しい


こうしたもろもろと、作風から読み解く先生のキャラクターをふまえつつ、差し入れを探してみよう。

差し入れ候補(1)吉祥寺「さとう」のメンチカツ

やってきたのは吉祥寺。都内屈指のグルメタウンとして知られるこの街には、差し入れに適したうまい惣菜やスイーツの名店が目白押しである。昼夜を問わず行列のできる人気店も多い。

吉祥寺の台所「ハモニカ横丁」

吉祥寺の台所「ハモニカ横丁」


漫画家という商売は激務であると聞く。ましてや常に締め切りに追われる週間連載ともなれば、行列を待つ余裕などあるわけがない。

そこで忙しい先生の代わりに僕が行列に並び、評判のグルメをお届けするのはどうだろう。なきぼくろ先生も感激して本当の涙を流すかもしれない。

至るところにみられる行列

至るところにみられる行列


というわけで、差し入れ候補に選んだのはこちらの行列店。

そこにはひときわ長い行列が

そこにはひときわ長い行列が


界隈でひときわ長い行列をつくっていた「さとう」は、創業23年の精肉店。国産の黒毛和牛を使ったメンチカツは大人気で、いつも長蛇の列ができている。

作業の合間に食べられて、しっかり腹にたまるメンチカツ。追い込みで食事をとる暇もないときにこれが登場したら絶対うれしいはずだ。

同じく列に並ぶ常連らしき人が「今日は一時間コースかな…」とつぶやいたのは気になるが、ひるまず並ぶ。

同じく列に並ぶ常連らしき人が「今日は一時間コースかな…」とつぶやいたのは気になるが、ひるまず並ぶ。


ちなみにこの日は地元のお祭りが開催されていて、豪華な神輿が行列のそばを横切って行った。ぜひこの感動も先生に伝えたいと思う

ちなみにこの日は地元のお祭りが開催されていて、豪華な神輿が行列のそばを横切って行った。ぜひこの感動も先生に伝えたいと思う


楽しそうだ!

楽しそうだ!


そんなこんなで待つこと20分。お店に近づくにつれ、食欲をビンビンに刺激しまくる匂いがしてきた

そんなこんなで待つこと20分。お店に近づくにつれ、食欲をビンビンに刺激しまくる匂いがしてきた


買えました

買えました


何とも美味しそうな香りを放つメンチカツ。きっと肉だけでなく油もいいものを使っているに違いない。5個買って3個つまみぐいしてしまったことは、先生には内緒にしておこう。

黒毛和牛がみっしり詰まったメンチカツ。和牛の肉汁がこれでもかと押し寄せてくる

黒毛和牛がみっしり詰まったメンチカツ。和牛の肉汁がこれでもかと押し寄せてくる


差し入れ候補(2)渋谷「ガイトーン」のカオマンガイ

続いての差し入れ候補は、昨年渋谷にオープンした「ガイトーン」のカオマンガイである。

店頭に吊るされたチキンが目印

店頭に吊るされたチキンが目印


カオマンガイとは、チキンスープで炊いたご飯の上に鶏肉をのせたタイの屋台料理。ガイトーンはタイ・バンコクで1960年に創業したカオマンガイの専門店で、昨年日本に初上陸した。オープンから1年経った今も、ランチ・ディナータイムには行列ができるほどの人気だという。

「行列×日本初上陸」。この掛け算は差し入れとしてかなりヒキがある。しかも…

パクチーもてんこ盛りなのだ

パクチーもてんこ盛りなのだ


最近流行りのパクチーもこんもりと添えられているのがうれしい。別に小分けにされているので、なきぼくろ先生がパクチー嫌いでも安心だ。

こういう気遣いができるタイプの編集者だということを作家にアピールする効果も期待できる。

ちなみに差し入れは経費になるのだろうか。念のため領収書の宛名はモーニングにしておいた。まったくの部外者だけど

ちなみに差し入れは経費になるのだろうか。念のため領収書の宛名はモーニングにしておいた。まったくの部外者だけど


さて、ここまで順調に差し入れをゲットしてきたわけだが、待てよ、よく考えたら僕は重大なミスを犯しているのではないか? 体育会系のなきぼくろ先生はきっと肉好きに違いないと、ガッツリした肉料理ばかりをチョイスしてきたが、アシスタントのみなさんの好みを考慮することをすっかり忘れていたのだ。

先生のスタッフ構成は分からないが、なかには肉が嫌いな人もいるかもしれない。女性中心の職場だったりしたら、もっとヘルシーなものの方が好まれる可能性もある。その場合、肉料理ばかり差し入れる僕にはきっと「肉太郎」というあだ名がつくだろう。「肉太郎さん、今度はメンチカツ持ってきたわよ。ダイエット中なのにデリカシーない人ね」なんて陰口をたたかれるのは勘弁だ。女性対策として、スイーツ系も用意しておくべきだったかもしれない。

差し入れ候補(3)表参道「ドミニク・アンセル・ベーカリー」のクッキーショット

だが、幸いにも渋谷・原宿・表参道界隈は人気店の宝庫だ。行列ができているスイーツのお店にかたっぱしから入ってみよう。

犬も歩けば行列店にあたるといわれる界隈だけあって、すぐに見つかった

犬も歩けば行列店にあたるといわれる界隈だけあって、すぐに見つかった


店内は満席のため、外で食べている人も多い

店内は満席のため、外で食べている人も多い


表参道のメインストリートから一歩路地裏に入ったところにある「ドミニク・アンセル・ベーカリー」。ニューヨーカーを魅了する人気のペイストリーショップで、今年の春に日本に上陸してきたらしい。ペイストリーの意味も分からないまま(※)行列に並ぶと、入口に近づくにつれ甘い香りが漂ってくる。

※穀粉、バター、 ショートニング、ベーキングパウダーまたは卵等の材料を焼いて作った食べ物、だそうです(Wikipediaより)

見た目にもかわいいお菓子がズラリ

見た目にもかわいいお菓子がズラリ


同店のペイストリーは、クロワッサンとドーナツを合体させた「クロナッツ」や、チョコレートとジェラート入りのマシュマロをバーナーで炙った「フローズンスモア」など、まさにネオ・ペイストリーとでも呼ぶべき斬新なものばかり。

ペイストリー自体さっき知ったので偉そうなことはいえないが、ともかくこれは女子ウケがよさそうだ。

フローズンスモアはその場で炙るパフォーマンスも好評

フローズンスモアはその場で炙るパフォーマンスも好評


テイクアウトもできる「ミルク&クッキーショット」を購入。オシャレな化粧品みたいなパッケージも良い感じ

テイクアウトもできる「ミルク&クッキーショット」を購入。オシャレな化粧品みたいなパッケージも良い感じ


チョコチップクッキーに温かいミルクを注いで食べる。本店ではニューヨーカーも行列をつくる新感覚スイーツである。新感覚すぎて食べ方が分からずしばらく悩んだ

チョコチップクッキーに温かいミルクを注いで食べる。本店ではニューヨーカーも行列をつくる新感覚スイーツである。新感覚すぎて食べ方が分からずしばらく悩んだ


差し入れ候補(4)表参道「GREENS OMOTESANDO」のGREENS

肉、タイ、そしてペイストリー。我ながらなかなか良いチョイスではないかと思う。なきぼくろ先生もアシスタントさんも、きっと喜んでくれるだろう。この差し入れを携え、さっそくバイトにエントリーしよう。

と帰宅しようと駅に向かう道すがら、また気になる行列を発見してしまった。

女子の行列。その先にはうまいものがある

女子の行列。その先にはうまいものがある


カラフルな店内。なんの店だろう?

カラフルな店内。なんの店だろう?


なんと、野菜ジュースでした

なんと、野菜ジュースでした


ここはカゴメが9月10日から11月1日までの期間限定でオープンしているジュースバー「GREENS OMOTESANDO」。

フレッシュな野菜やフルーツを使った作り立て生ジュースの専門店で、黄にんじん、グレープフルーツ、パイン、レモンをミックスした「Yellow mix」など、4種類のカラフルなジュースを販売している。

「行列」かつ「期間限定」。うん、レア感は申し分ない。加えて「私はあなたの健康を気遣っていますよ」という印象も与えられる。見た目がかわいいのもグッドだ。

また、野菜ジュースの染み渡るような味わいは、締め切り前の殺伐とした仕事場にも一服の癒しを与えてくれるだろう。じっさい、僕の前にいた外国人はレジで両替ができないことに激しくクレームをつけていたが、これを飲んだら大人しくなった。

激おこなクレーマーをも静めてしまう癒し効果は、激務で心身を消耗しがちな漫画家にこそ必要だ。

うまい!

うまい!


というわけで、勝手に色々と思案してきたが、最後になきぼくろ先生の(本物の)担当編集から「差し入れの心得」を教えていただいたのでご紹介しよう。

「差し入れは基本的に漫画家さんではなく、アシスタントさんたちのために持っていくものです。精魂尽くして頑張ってくれているアシスタントさんたちに喜んでもらえるように、『バトルスタディーズ』担当編集は、ファミチキ30個、ちょっと高いアンパン30個などモノだけでなく見た目(豪華さ、ボリューム感)でも心おどるようなさしいれを選んでいます」

なお、実際のバイトの際には先輩編集者が色々とアドバイスをしてくれるそうなのでご安心を。漫画の制作現場の最前線を体感できるまたとない機会、ぜひ応募してみては?

取材・撮影・文:榎並紀行(やじろべえ)

▼応募はこちらから▼

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<作品情報など>
■『バトルスタディーズ』あらすじ
狩野笑太郎、15歳は、中学時代から憧れた野球の超名門校・DL学園に入学。同級生18人はみんな中学時代の有名選手ばかり。上級生はプロ注目のスターばかり。そんな集団の中で笑太郎の甲子園優勝を目指す激動の日々が始まった――! 名門・PL学園で甲子園に出場したなきぼくろが描く、超絶リアル高校野球漫画『バトルスタディーズ』。『モーニング』と『週刊Dモーニング』で絶賛連載中。10月23日には単行本第3巻が発売予定です。
(『バトルスタディーズ』作品紹介ページ⇒ http://morning.moae.jp/lineup/469

■「週刊Dモーニング」とは?
「週刊Dモーニング」は、『バトルスタディーズ』『GIANT KILLING』『宇宙兄弟』『グラゼニ~東京ドーム編~』などの人気作品が連載中の週刊コミック誌「モーニング」の電子版です。週刊コミック誌史上初となる定期購読サービスとしてiOS/Android対応のアプリ版&パソコンやスマホで読めるウェブ版を提供中で、いつでもどこでもあなたのお好きなタイミングで「モーニング」をお楽しみいただけます。月額500円で毎週木曜0時からスマホやPCで最新号が読めたり、有料会員登録後の号はバックナンバーに保存できるなど、とてもお得なサービスです!下記URLよりアクセスしてお楽しみください!

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