【激レア 体験レポ】種子島でロケット発射を見届ける！打ち上げカウントダウンバイト！
「…３・２・１・０！」
その瞬間赤い光が閃いた。バイトたちは声も出せずただその奇跡の光景に見入るだけだった…。
今回の激レア「宇宙バイト」はJAXA種子島宇宙センターから打ち上がるH-2Aロケットの打ち上げカウントダウンイベントをサポートするというもの。その激レア体験を密着レポート！
打ち上げ延期のショックから5日！ 今日こそは打ち上がる？
世界一美しいロケット射場と呼ばれるJAXA種子島宇宙センター。今回ここから発射されるのはH-2Aロケットの記念すべき30号機。積んでいるのはブラックホールや銀河団の謎の解明に迫るX線天文衛星「ASTRO-H」だ。
(左から)Nさん Mさん Iさん
このロケット打ち上げのカウントダウンイベントを今回サポートするのは、ミュージカル女優を目指すIさん（写真右）、誰よりも宇宙に詳しいNさん（写真左）、そして社会人陸上選手のMさん（写真中央）の3人。実はこのメンバーは天候不順で打ち上げができなかった5日前も種子島に来ていたのだ。
Iさん「ロケットの打ち上げを見たくてケネディー宇宙センターまで行ったこともあるんです。でも残念ながらその時も延期で見られず。先日も延期になって、私、持ってないのかなあって…。だから今日こそは！という思いです」
西本さん「大学で宇宙工学を学んでいてロケット製作サークルの部長もやっています。実は昨年の夏もH-2Aロケット打ち上げを見に種子島に来ていました。その時も天候不順で飛ばず…。でも今日は絶対打ち上がりますよ！」
Mさん「陸上競技の夢を追いかけるために悩み抜いて数か月前に会社を辞めたばかりです。まさかこの激レア宇宙バイトに採用されるとは！今日は最近嫌なこと続きだった自分の転機となるよう全力で仕事に取り組みます！」
ところで本当に今日打ち上がるのか？その時の状況で急に中止・延期となる可能性も十分にあり、次はもうバイトに来られない可能性も。だからこそ今日にかけるバイトたちの意気込みは半端ないのであった。
またやって来たぞ種子島！ ロケットを目にして大興奮！
空路・陸路・水路。長い時間をかけてやっと種子島上陸。
さっそくロケット打ち上げ見学場の長谷公園へ。
発射場に設置されているH-2Aロケットを目の当たりにし、３人は大興奮。
まず役場のスタッフの方とご挨拶だ。
「なんて呼べば良いかな？『Nくん』に『Mちゃん』、あなたは『Iちゃん』だね！」
まずはテント設営やスピーカー設置などから。
会場設営がほぼ整ったところで激レア宇宙バイトおなじみの青いツナギに着替える。
「これが着たかったんですよ！」
３人のテンションが上がったところで、本格的業務のスタート！
イベントはバイトたちが手作り！これは責任重大だ！
今回の延期に伴い、打ち上げイベントの進行は大幅に変更となり、演し物はバイトたちが行う◯×クイズのみとなった。
本来は司会進行MCが手配されていたのだがこの日はいない。代役は舞台経験もあるIさんが抜擢された。そして誰よりもロケットに詳しいNさんがクイズ担当、営業経験のあるMさんが盛り上げ役担当、と各自ぴったりの役に。
知恵を出し合い新たな台本を作っていく。
実際にマイクを持って読み合わせリハーサル。
上々の出来。３人のチームワークは完璧だ。
しかし最後に問題発生！ 用意されたクイズの数が足りなかったのだ。
Nさんが追加のクイズの作成を買って出た。パソコンをネットに繋ぎ、良問を作り出す。
これで準備は万全！あとは打ち上げイベントの時間を待つばかりだ。
イベント本番！ 臨機応変に対処せよ！
打ち上げ時刻が近づき、公園にも続々と人が詰めかけてきた。
さあ、イベントの開始だ。IさんとMさんがマイクを握り所定の位置につく。
「まもなく『打ち上げカウントダウンイベント』を開始いたします。みなさま、ぜひこちらへお集まりください！」
「◯×クイズも行います！ぜひご参加ください！」
何度も呼び込みを繰り返すと、公園内のほとんどの人が集まってきた。
そこでイベントの説明や、打ち上げ時刻の情報などをアナウンスするIさん。さすが舞台度胸は満点。最高のMCを披露した。
「それではお待ちかね、◯×クイズです！」
司会進行はNさん。出題・解答に加え、アドリブで宇宙知識を織り交ぜながらの解説もこなす。
Mさん盛り上げ役も上出来。
お客さんは大喜び。会場は大いに盛り上がった。
優勝者に記念品、全員に参加賞を配りイベントは無事成功。安堵する３人の顔には達成感が現れていた。
そして打ち上げの時間が刻一刻と迫ってきた！
待ちに待ったその瞬間がついに訪れる！
予定通りの17時45分に打ち上げとの知らせが入る。
公園内の全員の目がロケットに注がれる中、カウントダウンを行うIさん。
そしてその時がついにやってきた。
「…３・２・１・０！」
その瞬間、静寂が訪れ、見たことのないほど明るい光が目を刺した。
ロケットが力強く上がっていく。遅れて轟音が響き渡り、ロケットは白く輝く噴煙を残しあっという間に青空へ吸い込まれていった。
バイトたちは声を出すことすら忘れ、その奇跡のような光景にただただ見入っていた。
打ち上げは見事成功したのだ！公園は全員の拍手喝采に包まれた。
いつしか日も暮れようとしている。バイトたちは撤収を最後まで手伝いこの激レアバイトは終了した。
Iさん「一生に一度はロケットの打ち上げをこの目で見たいと思っていました。その夢が叶いとても満足しています。イベントも皆さんに喜んでもらえて本当によかったです。この大切な経験を活かしてこれからも頑張ります！」
Mさん「陸上競技と仕事の両立などで悩んでいた自分ですが、ロケットが打ち上がった瞬間、あの閃光と空に明るく描かれたロケットロードを見ていたら清々しい気分になって、あれこれ悩むよりまず行動だと気付きました！」
Nさん「打ち上げの瞬間はロケットの難しい知識など全部吹っ飛び、ただただあの光の玉に見入っていました。ロケット関係の仕事に就きたい気持ちはもちろん変わりませんが、アプローチを変えるかもしれません。もうこれ以上は言葉では表せないくらい最高の体験でした！」
そして最後の最後にバイトたちを待っていたのは、打ち上げ後に命名されるX線天文衛星の名称が、なんと「ひとみ」に決定したというニュース！
この奇跡にIさんはにっこり笑って女優ばりに一言。
「私、やっぱり、持ってますね！」
待ちに待った生で見る大迫力のロケット打ち上げ。この感動の激レア体験をバイトたちは一生忘れることがないだろう。
