【激レア 体験レポ】モットーは頑張らないこと? 目からウロコの三田紀房先生語録! 人気漫画「インベスターZ」の編集アシスタント
今回の激レアバイトは、人気漫画「インベスターZ」の編集アシスタント。発表前の原稿に触れ、物語が生まれる瞬間にも立ち会い、さらには作者の三田紀房先生に聞きたいことをぶつける! 貴重な体験をしたバイトたちを密着レポート。
憧れの職業にワクワク! プロの話が聞きたい!
「インベスターZ」はモーニングで好評連載中の「投資」をテーマにした人気漫画。中学1年の財前孝史が強引に引き込まれた「投資部」は、学生だけで学園の資産3000億円を投資で運用していて…というストーリー。面白いだけでなく、投資やお金にまつわる様々なことも学べる、読んでいて本当にためになる作品なのだ。
作者の三田紀房先生は、大学受験をテーマにした異色作品「ドラゴン桜」を大ヒットさせ、現在は週刊連載をなんと2本も持っていらっしゃる大人気の作家さんだ。

(左)O・Mさん (右)O・Nさん
今回この編集アシスタントバイトに採用されたのは、O・Mさん(写真左)とO・Nさん(右)。共に就活も終わった大学4年生。
O・Mさん「幼い頃から絵を描くのが大好きで漫画家を夢見ていた時期もありました。春からは全く違う道に進むのですが、今回は憧れの職業に携われる最初で最後の機会なので、とてもワクワクしています!」
O・Nさん「野球ばかりしていた大学時代を経て、春からはパイロット候補生としての道を歩みます。今回はプロフェッショナルな方のお話が聞きたくて応募しました! 体力には自信があります!」
コツは文脈を追うこと!「文字起こし」に苦戦
2人は三田紀房先生のエージェンシー「株式会社コルク」へ。「宇宙兄弟」の小山宙哉先生のマネージメントでもお馴染みの敏腕会社だ。
まずバイトたちに与えられた仕事は「文字起こし」。
これはネーム(マンガ家が考案したストーリーを絵の配置やセリフで表したもの)の手書き文字をPCに打ち込んでいく作業だ。
2人それぞれに別の回のネームが配られる。もちろんまだ世に出ていない回のネームだ。
早速作業開始。しかし、三田先生の走り書きの文字はかなり読みづらくバイトたちは早くも苦戦する。
「だんだん先生の字に慣れてくるはず。コツは文脈を追うことです」とスタッフさんからアドバイス。
確かに。ストーリーを追えばセリフの文字を予測しやすくなる。バイトたちは根気強く丁寧にネームを読み込んでいった。
そこへコルク代表の佐渡島さんが様子を見に来てくれた。誰の文字起こし? の問いに、三田先生ですと答えると、
「ああ…三田先生かあ (笑)。慣れれば大丈夫。頑張って!」と意味深長な言葉を残し去って行った。
苦心して打ち込んだ文字が雑誌に載る?!
ひたすら集中してネームの文字と格闘を続けるバイトたち。
どれほどの時間が経っただろう。いつの間にか先生の文字が分かるようになり、PCに文字を打ち込むペースも徐々に上がっていった。
「できました!」先に作業を終わらせたのはO・Nさん。
「すみません、私はまだです…」とO・Mさんは焦り気味。
しかしそれもそのはず。三田先生の作品は『読ませるスタイル』。特にO・Mさんのネームでは解説するシーンが多く、O・Nさんのネームに比べて倍近い情報量があったのだ。
しばらくしてO・Mさんも作業完遂。ここでバイトたちは席を交換し、お互いの仕事をチェックしあった。
最後にスタッフさんがバイトたちの成果物をチェック。
「はい。OKです! お疲れさまでした!」
ホッと一息つくバイトたち。
2人が苦労して文字起こしした回の作品は何週間後かにはモーニングに掲載される。
「楽しみにしていてくださいね!」
これでコルクでの作業は終了。さあ次は後半戦。いよいよ三田先生の仕事場だ!
三田語録に釘付け! スピーディーな会議はプロのなせる技!
三田紀房先生の仕事場にお邪魔したバイトたち。
ある経済誌による三田先生への取材に同席させてもらった。
ひょうひょうと記者の質問に答える三田先生。お話はとても面白い!
「ビジネスとしてお金のために漫画を描いている」とあっさり言い切る姿勢はまさにプロフェッショナル。他の漫画家とは一味も二味も違う三田先生の独特な仕事観やお金に対する考え方をバイトたちは熱心に聞き入った。
取材終了後は編集会議。もちろんバイトたちも同席。
コルクの敏腕編集者・柿内さんが詳細かつコンパクトにまとめた資料。これを一同が読み込む。
そして先生と編集者さんたちとでしばし意見交換。
新しい物語が見る見る立ち上がってくる様子にバイトたちは息を飲む。
そうこうするうちに三田先生の頭の中にはもうネームの骨子が出来てしまったようだ。
「OK。じゃあスケジュール確認して終わろう」
恐ろしくスピーディーな会議! これぞプロ。作家と編集が真に信頼しあい、同じ熱量で作品に向かい合っているからこそなせる技だ。
結果を出すための仕組み作りが三田先生のプロの流儀!
すべてがきっちり時間通りに運ぶ三田先生のお仕事。最後にバイトたちから三田先生へ質問する時間が予定通り確保されていた。
「よろしくお願いします!」とバイトたち。
まずはO・Mさんから質問。
「先生が仕事をするうえで心がけていることは何でしょうか?」
「うーん。頑張らないこと」と三田先生。
「頑張ると続かなくなっちゃうんだよ。身も心も傷つける。だから頑張らない。ただ、頑張らないためにはきちっとした『仕組み』作りが大事。そこには労力をかける。あとはそれをうまく稼働させるだけ。そうすると自分は頑張らなくていいからね」
これが三田先生流だ!
次にO・Nさんが質問。
「作品の冒頭で主人公・財前が野球部に入るか投資部に入るかで悩みますが、『やりたい事』と『才能がある事』で選択を迫られた場合、先生だったらどちらの道を選びますか?」
「才能ってのは分からないでしょ。かといって可能性を感じるものはなんとなく分かるよね。漫画の中で投資部主将・神代が言った一言がすべてだね」
その一言とはこうである。
『一流になれないものを目指してどうするの。そんなの無駄な努力だよ』
三田先生はおっしゃる。
「野球だってなんだって勝たなきゃ面白くない。勝つという結果が大事なんだよ。努力よりも結果。だから僕は結果が出るものを考えて『仕組み』を作る。そこにはベストを尽くすんだ」
目からウロコが落ちるような三田先生の言葉の数々。気付けば時刻は深夜近く。三田先生との貴重な時間は終了だ。
「ありがとうございました!」
「はい。頑張ってください」
先生の仕事場を後にし、激レアバイトも終了。2人に感想を聞いた。
O・Mさん「面白かったです! 先生のお話はとても新鮮でした。『頑張ると長続きしないから頑張らない』というのは、なるほどなあと。私も社会人になったら三田先生がおっしゃる通り頑張りすぎないよう気を付けます!」
O・Nさん「先生の考え方は一貫して筋が通っていて説得力があり、とても面白かったです。これからパイロットの卵になる自分ですが、違う世界のプロの考え方には本当に学ぶものがありました!」
プロフェッショナルが本気で語ってくれた教えは力強い。それぞれ全く違う道を歩み始めるバイトたちにとっても、その教えは道標となり、彼らを明るい未来へと強く導いてくれるに違いない。
二人のバイトの様子は、三田紀房先生の公式サイトでもご覧いただけます!
■三田紀房公式サイト
http://mitanorifusa.com/news/post-12587/