【激レア 体験レポ】映画のエンドロールに自分の名前が! アニメ「オーバーロード」劇場版に出演する声優バイト!
人気沸騰中の激レア“声優”バイト。今回は大人気アニメ「オーバーロード」の劇場版に声優として出演するというもの。さらにエンドロールには出演者として名前がクレジットされる! ファン垂涎の激レアバイトに密着した。
自信は全くありません… でも爪あとを残したい!
2015年にTVアニメ化され大ヒットを記録した「オーバーロード」。仮想現実体感型オンラインゲームの世界に取り込まれた主人公が、骸骨の姿をした最強の大魔法使いモモンガ(アインズ)となって暗躍するというダークファンタジーだ。
原作は丸山くがね先生の小説。Web版は1000万アクセスを超え、書籍版もシリーズ累計300万部を突破。コミックスも絶賛連載中だ。
そしてついにファン待望の「劇場版総集編 オーバーロード」がスクリーンに登場! 前編「不死者の王」が2017年2月25日から、後編「漆黒の英雄」が3月11日から全国公開された。

Sさん
この劇場版にエキストラ出演するのは「オーバーロード」の大ファンだというSさん。中学の時から志していた声優になる夢を諦めきれず、大学を1年間休学してまで養成所に通ったという声優志望者だ。
「プロの現場は初めてなので緊張しています。養成所で学んだことが現場ですぐに対応できるか不安です。自信は全くありません。でも何かひとつ爪あとが残せればという思いです!」
いざスタジオへ! 待ち受けるのはどんなセリフ?
緊張の面持ちでレコーディングスタジオへ。出番までしばし待機。体と緊張を解きほぐすべく、入念にストレッチや深呼吸を繰り返す。
「それではスタジオへどうぞ」
促されてスタジオに足を踏み入れたSさん。「うわあ、広いですね!」
音響監督さんが台本を持って登場。収録シーンについて説明してもらう。
役どころは、カルネ村を襲う神官たちのうちの一人。圧倒的な力を持つ主人公アインズに、神官たちが口々に攻撃の魔法を唱えて対抗する場面だ。
与えられたセリフは「ファイヤーボール」という呪文。
「自分の命が懸かっている状況。必死さ、恐怖、焦り、そういう心境でアインズに抵抗してください」と音響監督さん。
「わかりました!」
すでに養成所で学んでいるということで基本事項のレクチャーは割愛。マイクの高さだけ調節してもらうと、もう準備完了だ。
Sさん一人を残し、音響監督さんはじめスタッフ全員がブースから退出。さあ、舞台の幕は上がった!
渾身の演技! 激レアバイト史上最も…?
シーンを数回再生し、セリフのタイミングを確認すると早速テスト。
「少し早口になっていますね。もう少しゆっくり詠唱するように言うと、より強力な魔法になると思いますよ!」音響監督さんから指導が入る。
「わかりました!」
2回目のテストで合格をもらうと早くも本番に突入だ。
「ファイヤーーボーール!!」
「いい感じですね!」と湧くコントロールルーム。
「彼、すごく上手いから、もっと長めにもらいましょう」
ということで、少し手前のシーン、神官がうろたえる場面から収録してみる。
「ち、ちくしょう! ファイヤーーボーール!!」
「いいですねー。さらに欲が出てきました。もっと手前からいきましょう!」と、音響監督さん。
最終的にさらに手前のシーンからの収録となった!
「じゃあ本番行きます!」映像が再生される。
「は、はああ…。ち、ちくしょう! ファイヤーーボーール!!!!!」
Sさんの渾身の演技にコントロールルームは拍手喝采。
「バッチリです!! これ、もらいます!!」
なんとOKが出た! 激レアバイト史上過去に例を見ないほどスムーズかつスピーディーに任務完了だ。
どうやったら声優になれる? 音響監督さんからアドバイス!
驚異的な早さで終了したアフレコ。
「実は、このシーンじゃないかと予想していたのです!」とSさん。
小説とアニメを何度も見返し、自分が使われそうな場面にヤマを張り、イメージトレーニングをしていたという。
この下準備の良さにスタッフ一同感心しきり。
予定よりもかなり早く収録が終わったということで、特別に音響監督さんとお話できる時間をいただけた。これは滅多にないチャンス!
Sさんは勇気を振り絞り、どうしても聞きたい質問をぶつける。
「あの…声優って、どうやったらなれるでしょうか?!」
「おお!」このストレートな質問に音響監督さんは思わず苦笑。しかし丁寧に答えてくださった。
「やはり事務所に入るのが一番。仕事を発注する側からしてもやりやすい。いきなりフリーでやるのは難しいよ。実績がないとね」
では事務所に入るにはどうすればよいのだろうか?
一般的なのは養成所に通い、そこを運営する事務所に入るというルートだそう。ただ全員が事務所に入れるわけではない。中には、自分でボイスサンプルを作り各事務所を回る人もいるそうだ。
「聞いてもらえないこともあるかもしれませんが、可能性はありますよ」
現役バリバリの音響監督さんからの直接もらったアドバイスはSさんの心に響いているようだ。
最後に音響監督さんは、エンドロールの名前のクレジットと、Sさんの声がしっかり聞こえるように調整することを約束してくれた。
「ありがとうございました!」
心からのお礼を言いスタジオを後にしたSさんに、感想を聞いた。
「音響監督さんから声優になるためのアドバイスをいただけた時間が一番貴重でした。再び養成所に通いながら、ボイスサンプルを作って事務所を回ってみようと思います! ダメでもともと。今日の激レアバイトだって、最初から無理だろうと思って申し込まなかったら実現していない。やってみる価値はあると思います!」
養成所で学んだ経験と入念な下準備できっちり“声優バイト”の任務を果たしたSさん。今日の経験を味方に、今度は“プロの声優”に向けての一歩を力強く踏み出したようだ。
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