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2021年07月02日

「好きなこと以外にも、語れる知識をもっておくと仕事につながる」モデル・プロデューサー 川後陽菜さん

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork乃木坂46を卒業後、フリーランスで“好きなことだけ”を仕事にしているという川後陽菜さん。20歳でアイドルを卒業し、セカンドキャリアを歩み始めた川後さんに、好きなことを仕事にするコツやアイデアを形にする具体的な方法を聞いてみました。

 

ネットで「フリーランス やり方」で検索してフリーランスになった

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork――アイドルからいきなりフリーランスで仕事をするのは珍しいと思うのですが、乃木坂時代から別の仕事をしようと考えていたのですか?

13歳でアイドルを始めたので8年ぐらいやっていたんですね。だから、そろそろ別のことをやりたいなとは思っていました。当時は事務所に入っていたので、仕事は基本的に事務所の意向を汲むことが多くて。お世話になっているので当たり前ですし、事務所だからこそできる仕事もたくさんありましたが、仕事をしているうちに、自分に向いていることと向いていないことがわかってくるんですよ。私は演技がどうも苦手で(笑)。

――8年もやっていれば向き不向きはわかりますよね。

会社員の方と同じで、給与をいただいている以上は向かない仕事もやらないといけません。でも、フリーランスになれば向いている仕事だけできるのかなと考えて。それで、アイドルを卒業したら、まずはひとりでやってみようかなと思いました。今はYouTuberなどフリーでの働き方もいろいろあるし、とりあえずチャレンジしてみようと。ダメだったら、また事務所を探せばいいですし。

――フットワークが軽いですね! 確かに今はいろいろな働き方があるし、ダメなら次にいけばいいだけで。

そうそう、その考えです。パソコンも使えなかったですし、フリーランスの知識もなかったけれど、ネットで「フリーランス やり方」と検索して始めました(笑)。スマホとインターネットがあれば大体できちゃいます。

 

やりたいことをより具体的に伝えて形にしていく

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork――とはいえ、いきなり別の仕事を得るのは難しいと思うのですが、具体的には何から始めたのですか?

乃木坂時代に川後Pというキャラもあって、いろいろな商品をプロデュースしてみたいと思っていました。あと、ファッションが好きだったので、それをSNSや周りの人に伝えていたら、実際にブランドプロデュースのお話をいただいて。今、日本酒のプロデュースもしているのですが、これも自分が日本酒が大好きで、いろいろな人に「日本酒のプロデュースがしたい」と話していたんですね。そうしたら、知り合いから酒造さんを紹介してもらって具体化することができたんです。

――すごいトントン拍子じゃないですか! でも、それって元アイドル効果なのかな…とか思ってしまうのですが。

そう思われちゃいますよね。確かにアイドル時代から人脈作りはしていました。自分がフリーになったときに相談できそうな人や協力していただけそうな人とつながる努力はしていましたね。でも、“元アイドル”の後ろ盾があったとしても、知識ややりたいことの具体的なビジョンがないと仕事にならないので、お酒の知識を着けるために専門学校に通ったりもしました。人脈作りや知識をつけることはアイドル時代からずっと大切にしています。

――ただ、待つのではなく、いろいろと行動に移していたんですね。

事務所にいたときは、動かなくても仕事はきましたけれど、フリーランスは自分が動かないと仕事がこないので。今はフードのプロデュースをするために、いろいろなレストランに行って試食をしたり、おもしろい食材の組み合わせをチェックしたり、シェフと知り合いになるなど知識や人脈を蓄え中です。

 

向いていないことでもその先に好きなことがあればモチベーションは下がらない

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork――話を聞いていると、川後さんは「好きなこと」を仕事にしていますが、「向いていないこと」はしていないのですか?

基本は「好きなこと」が仕事になっています。ただ、好きなことをするための過程で「向いていないこと」をやることはもちろんあります。でも、その先には必ず好きなことでの目標や完成形につながるものを選ぶようにしています。あとは、仕事を選択するうえで心掛けているのは、とても好きなことでもあまりにギャランティが安い案件や、反対にギャランティは高いけれど好きではないことは受けないこと。その中間ぐらいがちょうどいいかなと。

――基本は好きだけど、向いていないこともありつつ、ギャランティも納得できる…みたいな(笑)。

とてもざっくり言うとそうですね(笑)。これは自分の苦い経験からの教訓なんです。フリーランスになったばかりは、来るもの拒まずで何でも仕事を受けていたんですよ。そうすると「この仕事って何のためにやっているんだっけ?」「私、そもそも何がやりたいんだっけ?」と仕事に対するモチベーションが見えなくなってきてしまって。これじゃフリーランスになった意味がないと思って、それからはお仕事を受ける時に、きちんと考えるようになりました。

――好きなことを仕事にしたいと思っている人は多いですが、具体的に形にするコツは何だと思いますか?

やりたいことをより具体的に考えて、SNSや周囲の人に向けて発信することでしょうか。とにかく声に出すことが大事じゃないかなと。あと、好きなことや語れることはひとつのジャンルだけじゃなく、複数もっておくと広がると思います。私の場合は、好きなことから派生して、気になったことがあったらすぐ調べたり思いついたアイデアはメモしたり、そうやって自分が好きなこと以外にも語れる知識を自分の中にもっておくと、仕事につながると思います。

――特に人との出会いは、声に出すことで引き寄せられてくるものもありますよね。

今後の目標としては、アイドルのセカンドキャリアを応援する仕組みができないかを、周囲に声をかけて集まった何人かでチームを作って考えています。これまでアイドル以外経験したことがない人が次のキャリアに向かうのはなかなか大変なんですよね。なので、新しい仕事など別の道を示したり、私自身の経験を伝えたりしてサポートする方法をみんなで模索しています。声をあげて、行動する。これが形にするコツだと思います。

――これまでのモノづくりだけでなく、人や業界への貢献みたいなところまで広がっているんですね。

人もそうですし、あとは大好きな地元の長崎のこともすごく大切に思っているので、理想は地方創生、できれば九州を盛り上げる活動もしていきたいと思っています。今は地方のグルメのプロデュースなどをしていますが、将来的には、大好きなお酒を出しながら常連さんが集うようなスナックを経営したいですね(笑)

 

「好き嫌い」よりも「向き不向き」を知るほうが自分を深堀りできる

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork――いろいろ楽しみです(笑)。しかし、そういった川後さんの「やってみたい」というアイデアはどこから生まれるのでしょうか。

自分の経験や自分が好きなことが基本ですね。それプラス、先につながるものや今後、大きくなっていきそうなものを選んでいく。もともと好奇心は旺盛なので、アンテナを張るのは好きなんです。

――なかなか行動に移す一歩が踏み出せない人が、好きなことを仕事にするために「まず、これをやってみて!」というものあれば教えてください。

自分の向き不向きを知ることだと思います。好き嫌いは分かっていても向き不向きは意外とわかっていないことが多いので。好きで向いているものを仕事にするのがベストですが、そんな簡単にもいかないので、そこまで好きではないけれど、向いているなと感じるものも探すのがいいと思います。私も経験がありますが、やっていくうちに段々好きになることもあるので。まずは、自分を深堀りする作業から始めてみてください。

川後陽菜 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
川後陽菜(かわご・ひな)

1998年3月22日生まれ、長崎県出身。2011年乃木坂46第一期生として活躍。2018年に卒業後はモデルやアパレル・日本酒のプロデュースなどフリーランスとしてマルチに活動。

Twitter:@kawagohina3
Instagram:@hina_kawago
OFFICIAL SITE:https://kawagopro.com/

取材・文 中屋麻依子/撮影 八木虎造

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