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2022年08月05日

夏バテの治し方と予防法。即効く食事と運動は?スポーツ栄養士に聞いた

夏バテ タウンワークマガジン townwork今年の夏も猛暑続き。食欲が落ちたり、体がだるかったりと夏バテぎみの人も多いのでは。そこで、多くのアスリートを栄養面からサポートしている公認スポーツ栄養士の鵜澤響子さんに、夏バテを解消する食事と運動法を教えてもらいました。

夏バテの原因とは

夏バテは、気温の上昇に身体が順応できない暑熱順化(しょねつじゅんか)によるものです。人間の体は汗をかくことで体温を下げようとしますが、急激な温度変化で自律神経が乱れて発汗がうまくできず体温が上がり、発熱した状態のようにだるさや食欲不振を引き起こすのです。通常、体が暑さに慣れるまでは、2~3週間かかるといわれています。

暑熱順化ができていない状態が続くと、食事量が減り、栄養バランスが崩れ、だるさや下痢などさまざまな症状が起こります。そのため、食事を見直すことと、発汗を促す運動をすることが夏バテ解消には大切です。

 

夏バテ解消に効く食事

夏バテしたと感じたときにまず見直したいのが食事です。摂取したい栄養素やおすすめの食材を紹介していきます。

夏バテ解消にはエネルギー源の確保を

夏バテを解消するにはエネルギーが必要です。暑さやだるさで食欲が湧かず十分な食事をとれないとエネルギー不足になり、夏バテを悪化させてしまいます。まずはエネルギー源となる「たんぱく質・糖質・脂質」を確保しましょう。これにビタミンやミネラル、食物繊維などもプラスしてバランスのよい食事になるようにします。

たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれ、1回の食事で肉や魚なら80~100g程度が目安です。糖質は炭水化物などの主食でお米や麺類、パンなどです。脂質は肉や魚に含まれるものや調理で使うオイルやバターなど。食欲が出ず体重が落ちてしまう人は、食用油でカロリーを確保するのもおすすめです。油は1gで9キロカロリー摂れる高エネルギー食材です。サラダにオリーブオイル入りのドレッシングをかけたり、お豆腐に醤油とごま油をかけると少量でエネルギーを確保することができます。

夏バテ解消におすすめの食材

食欲が出なかったり、作る元気がないときでも、扱いやすい食材と簡単に作れるメニューを紹介します。食事は、冷たいものよりも温かいものの方が内蔵に負担をかけません。20~30回を目安にしっかり噛むことで吸収率もよくなります。水分補給は1日1.5リットルを目安に、常温のものをこまめに摂ると胃腸の働きもよくなります。

・鯖缶、鰯缶、ツナ缶などの魚の缶詰
魚の缶詰は手軽にたんぱく質が摂れるので常備しておいてほしい食材です。魚缶とごはん、味噌汁を一緒に食べれば、手軽に栄養バランスの良い食事になります。
・豚肉
夏バテに良いといわれるビタミンB1を多く含む豚肉は、糖質の代謝を助ける働きがあります。そうめんやパスタなど単品のみの食事になりがちな人は、豚肉も一緒に食べるといいでしょう。
・キムチ
代謝をよくするカプサイシンをはじめ、食欲を増進する香辛料がたくさん含まれています。豚キムチはもちろん、豆腐の上に乗せたり、ツナ缶と和えてそうめんに乗せると一品でも栄養バランスのよい食事なります。ごま油をひと回しかければ風味づけと脂質も摂れるのでおすすめです。
・香味野菜
しそやしょうが、みょうがなどの香味野菜は胃液の分泌を促進し、食欲を増進させる効果があります。食欲が落ちたときは、香味野菜を食べましょう。しょうがやみょうがは発汗作用を高めるともいわれているので、体温調節を促す食材でもあります。
・トマトやきゅうりなどの夏野菜
旬の野菜は栄養価が高い食材。一般的に夏野菜は体を冷やすといわれていますが、適量であれば、ミネラルを多く含み利尿作用があるためむくみをとってくれる食材です。
・梅干し
梅に含まれるクエン酸には疲労を蓄積しにくくする働きがあります。また、酸味は消化器官を刺激して食欲を促進してくれます。そうめんやお米など炭水化物にプラスすれば、栄養素を効果的に摂取してくれます。
・インスタント味噌汁とカットわかめ
冷房の効いた部屋にずっといると、体が冷えてしまいます。できれば1品は温かい汁物を摂るのがおすすめ。手軽に食べられるインスタントの味噌汁にカットわかめを追加すれば、ビタミンや食物繊維も同時に摂れてバランスの良い食事になります。

 

夏バテ解消に効く運動

夏バテは発汗を促すことでも解消されるため、適度な運動も良い対策です。とはいえ、猛暑の中で運動するのは熱中症の危険もあるので、簡単な運動を紹介します。

・ウォーキングなどの有酸素運動
朝や夜の涼しい時間帯に20分程度歩くのがおすすめ。わざわざ歩くのが難しいのなら、通勤や通学の際、一駅分歩くなどでもいいでしょう。
・簡単な筋トレ
1日10分程度、スクワットなど簡単な筋トレも効果的です。筋肉は水分を多く含んでいるので、筋肉量が多いと、体に水分を回しやすく脱水が起きにくい体になります。筋トレ代わりに、椅子に座るときに太ももの力を使ってゆっくり座るなど、普段の生活で筋肉を使ってみるのもおすすめです。
・寝る前のストレッチ
寝る前にベッドの上で前屈や腕を伸ばすなどの簡単なストレッチをしましょう。日常の動作で丸まりがちな体を伸ばしてあげるのがポイントです。

 

エネルギー源になる食事と軽い運動で夏バテ解消を

夏バテ解消には、エネルギー源の確保と軽い運動で汗をかくことが大切です。無理のない範囲で取り組んで、暑い夏を乗り切りましょう。

■Profile
鵜澤響子

公認スポーツ栄養士、管理栄養士、健康運動指導士、認定心理士。企業の栄養士として勤務する傍ら、陸上競技長距離専門のスポーツ栄養士としても活躍。講演やセミナーなどにも登壇。
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