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2022年09月13日

【精神科医に聞く】スマホ依存をやめたい…ダラダラ見続ける生活から抜け出す方法

スマホ依存 タウンワークマガジン townworkなくてはならないツールのスマホですが、気が付けば1日中触っていたり、手元にないと落ち着かなかったり、寝る寸前まで手放さなかったり。「これってスマホ依存では…」と心配になることはありませんか?そこで、スマホに依存せず上手に付き合える方法を、精神科医のバク先生に聞いてみました。

スマホ依存になる原因

スマホ依存になる原因は、主に二つあると考えています。一つは、周囲が知らないような得をする情報を得たいという心理からです。人間は自分にとって得になる情報を得ると脳ではドーパミンと言われる物質が出ます。これを人は「気持ちいい」「楽しい」「嬉しい」と感じます。この仕組みから、人よりも情報を多く知っていることに高揚感を感じ、知らず知らずのうちに「人が知らなさそうな情報」を探そうとスマホに触る機会が増え、気がつけば常にスマホを見ている…という状態になってしまうのです。

もう一つは共感が欲しいという心理です。人はSNSでいいねなどの反応をもらうことで「共感してもらえた」「肯定してもらえた」と感じます。このように他者から受け入れてもらったと感じる時、脳内ではオキシトシンという物質が分泌されます。この物質は人に安心感や癒しを感じさせる効果があります。 つまりスマホは高揚感を感じるドーパミン、安心感を感じるオキシトシンの両方を簡単に手に入れることができるため、依存性が高くなるのです。

 

スマホ依存になるとどうなる?

スマホ依存になることで起こりやすいのが、「スマホに振り回される」状態になってしまうことです。
スマホがないと他のことが手につかないという人は、ハマり過ぎの「スマホ依存」かもしれず、日常生活に支障が出てしまう場合があります。例えば、スマホを忘れて取りに帰って授業に遅刻した場合。単に、手元にないと落ち着かないという理由でわざわざ取りに帰る人は要注意です。授業に遅れる方が自分にとって損なはずなのに、その人の中での損得のバランスが崩れてしまっています。スマホを使っている立場なのに、いつしかスマホに振り回されてしまうなら、それは大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。
また、常に最新の情報を追い続け、更新し続けることに重きを置いてしまう毎日は、心を疲弊させます。
あくまで必要なときにスマホを「使う立場」でいることが、健やかなメンタルでいられる秘訣です。

 

スマホ依存をやめる方法

それでは、スマホ依存にならないための工夫をいくつか紹介していきます。

机に出すときは裏返しにする

スマホ依存になる原因として、常に触れられてしまうからという現状があります。画面をタップするだけで、通知やメッセージなどいろんな情報が目に入る。だから開けたくなってしまいます。通知が目に入らないように、ただ裏返すだけでも効果があります。

スマホカバーを手帳タイプのものにする

これも上記と同様、触れるのにひと手間かける方法です。カバーを手帳のように開くタイプのものを選べば、何気なくタップすることも減って、必要なときにしか開けなくなるはずです。簡単に触れられないようにするだけで接触時間は減っていくでしょう。

アナログな趣味を持つ

絵を描いたり小物を作るなど、手を動かすアナログな趣味を持ってみましょう。友人や推しに手紙を書くのもいいでしょう。精神科の治療法のひとつとしてもあるのですが、最初は「いまどきハンドクラフト!?」という反応ですが、実際にやってみると自分の手を使いながら物が出来上がっていく過程に夢中になり、精神的にも穏やかになる傾向が見られます。手を使うようなアナログな趣味を持つと、自然とデジタルから離れていくでしょう。

軽い運動をする

ランニングやヨガなど運動をするのもいいです。最近ではジムのランニングマシンでスマホを持ち込む人も多いと思いますが、体を動かすことに集中してください。おすすめは外でのランニング。外に出て、景色や風や太陽の光を浴びながら体を動かすと心身ともに健やかな精神状態になれるでしょう。

充電を1日1回にする

上記の方法では全然スマホを触る時間を減らせない!という人は思い切って充電は1日1回まで!と決めてみるのも良いかもしれません。そうすると本当に調べたいものや、ゲームもやりたいところまでやったりと区切りながら使うようになります。終わりがあることを前提にすれは、本当に必要なことでしかスマホを使用しなくなるでしょう。

リアルのコミュニティを複数もっておく

SNSは共感し合える場ですが、そこだけにコミュニティを限定してしまうのは危険です。スマホの中だけでなく、中学、高校などリアルの友達に会ったりバイトを始めるなど、いろいろな人と出会って視野を広げることが大切です。
学生のうちは、限られたコミュニティで人間関係が形成されていて、その輪からはみ出るのは怖いと思ってしまうかもしれません。限られたコミュニティ=群れの中にいるのは一見安心に見えますが、その狭い世界が自分の世界、目の前にあるものがすべてと思わないでほしいです。今あるコミュニティに固執せず、いくつものコミュニティを持ち、ダメだと思ったら次にいけるような身軽さでいられると、世界は広がります。

 

まとめ

スマホは私たちの視野を広げてくれる素晴らしいツールだとバク先生は言います。自分がよりよい生活を送るために、アナログもデジタルも、どちらか一方に偏るのではなく、無理のないバランスでまぜていくことが大切だそう。スマホに振り回されたり、共感に一喜一憂するなど、心を支配されることのないよう、自分が支配者という意識で上手に使ってくださいね。

 

■取材協力
スマホ依存 タウンワークマガジン townwork
バク@精神科医
アルコール依存症をはじめ、依存症患者への治療経験がある。現在は急性期精神科病棟で勤務。自身も適応障害(抑うつ状態)から休職経験があり、ADHDの医師として講演や発信を行っている。著書に『依存メンタルを力に変えるレッスン』がある。

取材・文 中屋麻依子

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