もうレポート提出のときに悩まない! レポートを正しく書くために必要なルール
大学の講義で欠かせないものといえばレポート。でも、どうやって書けば正解なのかイマイチ分からないという人も多いと思います。そこで、教育学者の小笠原喜康さんの著書「新版 大学生のためのレポート・論文術」から、今すぐレポート作成に実践できて高評価につながるルールを紹介します。
レポートは大きく「論証型」と「調査型」の2つ
レポートの種類は大きくわけて、自分の考えや意見などをまとめる「論証型」と資料やインターネットなどで調べた情報などをまとめる「調査型」の2つがあります。それぞれの書き方のポイントをまとめます。
「論証型」は結論から書き始める
論証型の構成の基本は、まず結論をのべてから、結論にいたる道筋を説明していくことです。よいレポートかどうかは、題名と最初の3~5行を読めばわかるといわれるほど。そのため、いいたいことの重要点を冒頭でスパッと書きましょう。
例:全国学力調査について
1 結論、もしくは一番主張したいことを書く。
「本レポートでは今年10回を迎えた全国学力調査が信頼性に欠けたものであることを論証する」
文頭で何についてのレポートであるかをはっきりと簡潔に書きます。
2 テーマの内容を紹介する。
「全国学力調査では昨年に引き続き今年も●●県が1位であり、2位に●●県、3位に●●県と続く」
結論のあとは、レポートのテーマを詳しく紹介します。
3 問題点を提起する。
「しかしながら、この調査では学力が高いといわれる私立高校が参加していない」
レポートの肝となる問題点をあげて、結論へつなげていきます。
4 その問題点に対して自分の主張を書き結論に導く。
「これでは日本の子どもたちの学力を正しく反映しているとはいえず、信憑性にかけている~」
自分の考えをのべたうえで、最終的にどうすべきなのかを結論とします。注意してほしいのは、一般論になりすぎないようにすること。あくまで結論となる考えを書きましょう。
「論証型」は自分の考えを相手に伝えるために書かれるものです。率直に結論を出してから、問題点に対して自分の考えをのべる構成だとよりダイレクトに読み手に伝わりやすいです。
「調査型」は細かい項目に分けて書く
「調査型」はある程度、調べたうえで自分の意見を加えることが求められます。ただし、インターネットで調べた情報をコピペしただけでは高評価はもらえません。項目を順序立てて「読ませる」ことが必須です。
例:動物園の教育活動について
1 テーマの概要を書く
●●動物園の概要(所在地・歴史など)を書く。
2 内容を説明する
●●動物園でおこなわれている特徴的な教育活動や方針などを紹介する。
3 調査したテーマの考察
教育活動に対する自分の考えや分析などを完結にまとめる。
4 参考にした資料文献の一覧
新聞、書籍、統計情報など参考資料を最後に記します。
ポイントは3の考察。ただ単純に感想ではなく、テーマに関する代表的な議論をふまえたうえで、分析・評価しながら自分の意見を書くことが大切です。このように順序立てされた文章は読みやすく、評価がしやすいレポートとなります。
いまさら聞けないレポートの超基本ルール
構成を理解しても基本的なルールがわかっていないと減点の対象になることも。知っているようで意外と知らないルールを紹介します。
●A4用紙、横書き、平成明朝、10.5ポイント
所属学科やゼミの指定がある以外は基本的にA4用紙を使い、横書きでフォントは平成明朝、サイズは10.5ポイントだとバランスよく見えて読みやすいです。
●「である」と「ですます」を混同させない
意外と見落としがちなのが「である」と「ですます」の文体が混ざっている文章。どちからに統一することを心掛けましょう。ただし、論文は「である」に統一。
●一文は30文字以内
文章を分かりやすくするため一文は30文字以内がベスト。長くても40文字、80文字を超えると読みにくくなってしまいます。
●同じ言葉を繰り返さない
短い文章にするテクニックは同じ意味の文章を入れないこと。
○靴は大きく二つのタイプに分けられる。
「二種類のタイプ」は「種類」と「タイプ」の二重の意味になります。
●1ページに段落を5~6個たてる
段落がないと文章が読みにくくなるため、文字数に関係なく1ページに5~6個立てて、読みやすくしましょう。
●「考える」「思う」を使わない
レポートは自分が「考えて」「思っている」ことを書くため、この文は必要ありません。言葉は削ってすっきり見せましょう。
●「~というのは」を使わない
使いがちな言葉である「~というのは」。この言葉はあいまいさが増すため極力削りましょう。
×「レポートを書くというのは」
まとめ
知らなかったルールはあったでしょうか? 簡単な心掛けで読みやすい文章が書けるので、次回のレポート作成の際、ぜひ実践してみてください。
文:中屋麻依子