「やりたいことがないんです」と悩んでいる人に伝えたいこと│夏ノ瀬 いの
こんにちは!
こちらの4コマ漫画を描かせて頂いた、夏ノ瀬 いのと申します。
私は、フリーの漫画家としてSNSやウェブ上で作品を公開しているのですが、若い方からよくこんな相談を頂きます。
「“やりたいこと”がありません」と。
このお悩みがとにかく多い!
なので今回は、誰の心にもいるであろうネガティブ思考の「ネガちゃん」と、皆の頼れるお姉さん(的ポジションを狙っている)ポジティブ思考の「ポジさん」で漫画を描いてみました!
“やりたいこと”がないっていう悩みは、人に相談するには抽象的すぎるし、答えがない分、真面目な人ほど抱え込んでしまって、しんどいのかもしれないですね。
ここで急な自分語りに突入しますが、楽観的に見られる私でも、悩んでいた時期が一応あったんですよ。
と言うのもわたくし、過去に一度夢破れておりまして。
やりたいことがあったのに、プレッシャーを感じて思うように頑張れず、挫折したことがあります。
本当にやりたかった仕事だったからこそ、挫折後は他にやりたいことが見つからず、抜け殻のようになっていました。
当時は好きだった漫画や音楽、絵を描くことでさえ負け犬の自分には楽しむ資格がないと思い、だんだん遠ざかっていきました。
そんな中でも「社会には属さなきゃ」という気持ちがあり、何となくで仕事を決め、働いてみましたが、結局“やりたいことがない”という空っぽな自分への焦りからは、解放されませんでした。
毎日が退屈すぎて、久~~しぶりに絵を描いてみたんですよね。それがめっちゃ楽しかったんですよ…!その日からはもう毎日描いてました!
次はどんな画材買おうかな~、こんな漫画も参考になるな~など、お金の使い道も有意義なものになり、働くことにも張り合いが出てきました。「何のために働くのかわからない生活」から一気に、「やりたいことをする為に働く生活」へと変わりました。
そこでやっと自分の思い込みに気づいたんです。必ずしも“やりたいこと”=なりたい職業とは限らないんだと。“やりたいこと”ってのは、シンプルに自分の好きなことでいいんだと。
漫画の中でポジさんも言っていますが、周囲の価値観に合わせようとして背伸びしちゃうと、自分を見失っちゃうこともあります。
“やりたいこと”は自分の中の価値基準でいいんです。
例えば、好きな漫画の全巻読破であったり、好きなゲームの全編クリアだったり。旅行やライブの追っかけだったり。
好きなことがあれば、お金を稼ぐ意欲になるし、仕事は好きなことをするため資金を得るものと割り切って選んだっていいんだと。
そう思うだけで、少しラクになりませんか。
少なくとも私は、他人と比べて焦ることが減りました。
そしていつの間にか漫画家という職業にたどり着きました。
最初になりたかった職業と、今の職業は違いますが、自分の“やりたいこと”を大事にできる今の生活が私は気に入っています。
周りの友達が就活のために資格を沢山取ったり、ボランティアやインターンで経験をたくさん積んでたり、ことあるごとに自分と比較して落ち込むこともあると思います。
ただ、そんな時「自分には何もない」と卑下しないでほしいです。
あなたの好きなものは、突き詰めればあなたの職業になるかもしれない。
あなたが落ち込んだ時、あるいは、直接的に仕事でなかったとしても、誰よりもそばで支えてくれるものかもしれない。
まだ好きなものがなくたって、今後のいろんな経験から、抱え切れないほどの「好き」に出会うかもしれない。
周囲がどうであれ、“やりたいこと”は自分の価値観でいいんです。好きなことがあれば大丈夫ですよ。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。