スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2021年10月21日

授業中に眠くならない脳になる!その方法を脳・神経科学者に聞きました

青砥瑞人 タウンワークマガジン townwork授業中に眠くなったとき、どうしていますか? 必死に眠気と闘っていても集中力は落ちていくばかり。どうして授業中に眠くなってしまうのでしょうか。そんな眠気のメカニズムから、眠くならない方法までを脳・神経学者の青砥瑞人さんに聞いてみました。

授業中に眠くなる原因とは

授業が始まる5分前までは眠くないのに、授業中になると突然眠気に襲われてしまう。このとき、脳の中では覚醒を導くオレキシンという神経伝達物質の分泌が少なくなり、脳が働きにくくなっている可能性があります。脳は理解できない情報に対して働きづらく、解釈するための脳機能がうまく使えない状態に陥りやすいのです。つまり、授業の内容が理解できなかったり、つまらないと思ったりするほど眠気が強くなる傾向があるのです。反対に授業が自分の知りたいことや、学びたいことであると脳からはノルアドレナリンやドーパミンという興奮性の神経伝達物質が分泌され、覚醒しやすくなります。

 

授業直前に実践!眠くならない脳を作る方法

ベストは授業内容に興味を持ってワクワクすれば、興奮性物質が出て眠くなりにくくなりますが、現実的にはすべての教科に興味を持つのはなかなか難しいところ。瞬時に眠気を吹き飛ばすには、水で顔を洗ったり、ガムを噛んだり、カフェインを摂取したりして体に刺激を与え、一時的に覚醒することはできます。ただ、あくまで一時的で数十分後には眠気が再び襲ってくる可能性は高い。そこで、授業前に実践できる眠くなりにくい脳の状態を作る方法をいくつか紹介します。

授業前に心拍数を上げる

軽い有酸素運動による心拍数の上昇はドーパミンを分泌させ、気分を高揚させるβ―エンドルフィンをつくりやすい状態にしてくれます。ただ、ハードな運動だと体が疲れてしまい、眠気を助長させてしまうため、階段を駆け上がるなど、少し呼吸が上がる程度の軽めの運動がいいでしょう。

授業前に笑えるものを見る

人気の先生は授業前に軽い雑談で学生を笑わせてから授業を始めたりしませんか? これはその後の授業に集中させる効果的な方法でもあるのです。脳が楽しいと感じるとドーパミンが分泌されやすくなります。そこで、お笑いやおもしろ動画など、自分が心の底から笑えるような、脳の刺激になるものを見て、覚醒状態を作り出しましょう。ただ、没頭しすぎて授業を忘れてしまうような、セルフマネジメントが苦手なタイプの人は要注意。短時間で終われるものを選びましょう。

授業前にテンションが上がることをする

自分の脳を自分でエンジンをかけ、活性化させるために、好きな漫画や映画を見てワクワクしたり、音楽などでテンションを上げるのも有効です。休み時間中に、好きな音楽を聴いて脳のテンションを上げてみてください。

 

普段から実践!授業中眠くならないための習慣

上記では直前にできることを紹介しましたが、眠くなりにくい脳や体を作るためには日々のちょっとした訓練が重要です。誰でも今日からできる、授業で眠くならない自分になれる習慣を紹介していきましょう。

自分に適した睡眠時間を知る

根本的ですが、慢性的な睡眠不足は眠気を誘発します。一般的には7~8時間睡眠が最適とされていますが、あくまで平均ですので、自分にとってベストな睡眠時間を取ることができれば、勉強面だけでなく健康面においてもパフォーマンスを発揮します。5~6時間ですっきり起きられる人もいれば、9時間眠らないとだるさが取れないという人もいるでしょう。自分で睡眠時間のバランスを調節して、ベスト時間を探ってください。そして、できるだけ就寝時間と起床時間は一定にすることもポイントです。

15分昼寝を身に付ける

どうしても眠いときは15分寝てしまいましょう。眠気を我慢しながら授業を受けるより、15分でも寝たほうが生産性は上がる可能性が高いです。ただし、15分以上寝てしまうと睡眠が深くなり、起きるのに時間がかかってしまうため、タイマーをセットして15分睡眠を身に付けるようにしてください。休み時間の15分、机の上につっぷして寝るだけで、その後の脳のリソースが上がります。

面白いものを探す習慣をつける

ドーパミンを出しやすい脳を育むための訓練はとても重要です。脳神経科学では「Use it, or Lose it」という原則があり、神経回路が使われれば細胞分子レベルで構造変化をもたらし、情報の伝達効率が高まる一方、使わないと神経細胞同士の結びつきが弱まっていくのです。そのため、意識的に脳を使うことが大切。自分の知的好奇心やワクワクする気持ち、新しい情報に対する学びに対して脳が反応しやすくなります。例えば、図書館や書店に行って自分が気になる本を手に取ってみたり、街を歩いているときに好奇心を刺激されるようなものを見付けてみたり。自分がおもしろいと思うものを見出す訓練を日々していると、脳はドーパミンを出しやすくなります。

 

まとめ

きちんと睡眠が取れているのに授業中に眠くなってしまうのは、授業内容に興味を持てていないことが原因かもしれません。勉強は先生が言ったことをただ聞いている受け身の姿勢だと、ドーパミンは出にくくなります。
どんな授業でも、何かしら自分のやりたいことや将来の仕事に結びつく部分があるものです。退屈に感じる授業はドーパミンを引き出す訓練の場と考えて、面白い要素を見出す努力をしてみましょう。そうすれば眠くならないだけでなく、集中力を鍛えることもできるのです。授業を楽しくするのは先生ではなく、あなたなのです。

■Profile
青砥瑞人
(あおと・みずと)
DAncing Einstein CEO

応用神経科学者。DAncing Einstein代表。米国大学UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の神経科学学部を飛び級卒業。神経科学を心理学や教育学などとコネクトし、人の理解を深め、その理論を応用、また実際の教育現場や企業とコネクトし、人の成長やWell-beingのヒントを与えられたらと、2014年にDAncing Einsteinを創設。近年では、海外や国連関連のイベントでの講演活動に加え、大手企業やNPO、教育機関と連携、提携し、新しい学び方、生き方、文化づくりに携わる。

■著書
『HAPPY STRESS』(SBクリエイティブ)、『4Focus』(KADOKAWA)、『BRAIN DRIVEN』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など

青砥瑞人 タウンワークマガジン townwork 青砥瑞人 タウンワークマガジン townwork

取材・文 中屋麻依子

早速バイトを探してみよう