寝違えの原因は首でない!? 痛みを簡単に軽減できる対処法を専門家に聞いた
朝起きたら寝違えて首が痛い。学校やバイトがあるのにどうしよう…。そんなとき、自宅ですぐできる対処法や、寝違えを起こす意外な理由などを、数多くのアスリートの治療を行う治療家の高林孝光さんにお聞きしました。
寝違えの原因は、首ではなく脇の下の神経
寝違えの原因は、首ではなく脇の下にあることが多いです。就寝中、寝返りを打たず同じ態勢のまま寝ることで、脇の下にある腋窩(えきか)神経が圧迫されることで、血流が悪くなり、首に痛みや痺れを感じることで寝違えを起こします。
そのため、寝違えが首に原因があると思い首を回したり、揉んだりしがちですが、脇の下が原因による寝違えの場合は、簡単なストレッチをするだけで早く痛みが軽減しやすくなります。以下で紹介するストレッチを試してみてください。
寝違えを治す簡単ストレッチ
立って行なうストレッチ
1.両腕を頭上に思い切り伸ばす。
2.上げている反対側の手で脇の下をおさえる。
3.腕を前方向に勢いよく7周回す。
4.腕を後ろ方向に勢いよく7周回す。反対側の腕も同様に行う。
座ったままできるストレッチ
1.右腕を横に伸ばし、左腕で引っ張るように10秒ほど伸ばす。左腕も同様に行う。
2.両肘を曲げ、顔の前で合わせ、肩甲骨を引き寄せるようなイメージで両肘を開く。この動きを5回繰り返す。
人と一緒に行うストレッチ
1.立って両腕を伸ばし片腕ずつ5回ほど回す。
2.仰向けに寝て右腕を引っ張る。
3.右腕を上に引っ張るように伸ばしながら、右脇を同時に押す。
4.右腕を上に引っ張るように伸ばしながら、右脇を同時に押す。
痛みが取れないときの対処法
血流や食生活、代謝を改善する
ストレッチをしても、首の痛みが取れないのは、首の筋肉を傷つけていたり、筋肉がつって筋痙攣を起こしている場合があります。これらの原因は「疲れにより血流が悪くなっている」「急な温度変化」「栄養素の不足」「代謝異常」が考えられます。体が疲れていると血流が悪くなり筋肉が収縮したり、急な温度差が起こると筋肉がこわばります。また、ビタミンB1やマグネシウム、カルシウムが足りないと筋肉が収縮しがちになるため、ビタミンB1が含まれる鮭や豚肉を摂ったり、カルシウムとマグネシウムの両方がバランス良く摂れるごまを積極的に食べるのをおすすめします。代謝異常は糖尿病など持病が原因で引き起こされるものもあります。
ネックピローなどで固定する
対処法は首の筋肉を固定すること。固定する際は飛行機など乗り物で使用するネックピローがおすすめ。ネックピローとタオルを使って首を2~3日固定しましょう。ネックピローは100円ショップなどでも売っているので試してください。それでも治らない場合は病院へ行って専門医の判断を仰ぎましょう。
右の首筋が痛い場合は要注意!
右の痛みが取れない場合は肝臓に理由がある可能性もあります。お酒の飲み過ぎで肝臓が疲れていると右の首から肩にかけて痛みが出る場合があります。心当たりがある場合は、お酒を節制して食生活を見直してみてください。
まとめ
寝違えたときは、揉んだり冷やしたりするのではなく、ストレッチが効果的です。もし、ストレッチをしても改善しないときは、無理をせずに病院で診てもらうようにしましょう。
高林孝光
アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長
鍼灸師、柔道整復師をはじめとする治療家として数多くのトップアスリートの施術を行う。TV出演も行うほか、『1日7秒手を伸ばしなさい』(ダイヤモンド社)、『病気を治したいなら肝臓をもみなさい』(マキノ出版)など著書も多数。
取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。