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2022年09月06日

1時間寝るのと徹夜どっちがマシ?大事な明日の乗り切り方

徹夜 仮眠 タウンワークマガジン townworkテスト前日など時間が惜しいとき、徹夜で勉強したほうがいいのか、少しでも仮眠をとったほうがいいのか悩むところですよね。寝るのと寝ないの、どちらが翌日の試験でパフォーマンスが発揮できるのか気になるところ。そこで睡眠学の専門家、宮崎総一郎医師に聞いてみました。

1時間睡眠でも徹夜でもなく、短い仮眠がおすすめ

大前提、学習において徹夜は良くありません。ですが、どうしてもという時に、1時間寝るか、このままオールで徹夜するかを迷ったら、おすすめは20分~30分の仮眠をとることです。少しでも脳や体を休ませることで、完全な徹夜より、翌日、乗り切りやすくなります。

深い眠りに落ちない短い仮眠をとる

仮眠時間は短いことがポイントです。個々の睡眠リズムにもよりますが、仮眠で1時間は寝すぎ。深い眠りに入ってしまい、起きても頭がすっきりせず勉強に集中ができません。寝すぎないように時間をコントロールするのが大事です。

3時間サイクルで仮眠する

仮眠のタイミングも重要です。17~21時までは1日の中で体温が最も上昇して眠りにくくなる睡眠禁止ゾーンなのでこの時間内に仮眠をとらないこと。夜通し勉強する予定なら午前2時から20~30分仮眠をとり3時間勉強して、午前5時にまた20~30分仮眠するコースがいいでしょう。人間の睡眠リズムと眠気が3時間周期に訪れる性質を生かしてこの時間をおすすめします。

ベッドなどには入らない

仮眠をとるときはベッドや布団に入って横になってしまうと本格的に寝てしまう可能性があるので、机にうつぶせになったり、椅子に座ったまま背もたれに身をあずけるなどして、少し緊張感のある態勢で仮眠をしましょう。仮眠後はガムを噛んだり、顔を洗ったりするとしっかり目覚めることができます。

 

徹夜(オール)することの体へのダメージ

徹夜は体のメカニズムを無視している異常事態だと思ってください。徹夜は思っている以上に体に負担をかけてしまいます。体の動きや感覚をコントロールしている大脳はいわば脳の司令塔です。大脳は起きている間、ずっと働いており、眠ること以外で休息ができません。徹夜で睡眠不足だと大脳が十分に働かず、イライラしたり体内器官の機能修復がうまくできなかったりと、肉体的・精神的に病気を進行させてしまう可能性があります。

 

どうしても徹夜(オール)する時の注意点

徹夜はおすすめしないことを前提に話しますが、それでも徹夜しなければならない時の注意点をお伝えします。

カフェイン摂取はおすすめしない

一般的に徹夜時はコーヒーなどのカフェインを摂取するといいと言われていますが、これに私は反対です。カフェインは無理矢理目を覚まさせている状態のため、疲労が蓄積して仮眠の質も悪くなります。翌日に十分な実力を発揮したい時には、できるだけノンカフェインの飲み物を摂り、仮眠の質を高めることが効果的です。

朝はしっかり目を覚ます

また、朝になったら陽の光をしっかり浴びてセロトニンを浴びて元気のホルモンを活性化させたり、朝食では納豆に魚などたんぱく質を摂って体内時計を整えたりしてください。

 

やっぱり理想はしっかりと寝ること

専門機関の研究では、夜に勉強をして睡眠をとると翌日の忘却率は2~3%で済みますが、睡眠をとらないと15%まで低下する結果が出ました。人間の脳は睡眠中に記憶の回路を最適化し、必要な記憶と必要でない記憶を睡眠中に整理しています。記憶の定着と整理には、7~8時間以上しっかり寝ることが理想です。
切羽詰まったら仮眠で乗り切ることになりますが、試験で効率的に記憶を取り出すには寝ることがやはり大事です。

■Profile
宮崎総一郎医師

中部大学生命健康科学研究所特任教授、医学博士、日本睡眠教育機構理事長。日本で初めて睡眠学講座を滋賀医科大学にて開設。社会に向けて睡眠知識の普及・啓蒙活動を行っている。主な著書に『脳に効く睡眠学』『睡眠と健康』など多数出版。
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