元カレのことが忘れられない…【令和乙女のハッピーサプリ~もっと幸せになる方法】
辛い失恋をしてしまったのですね。
別れたあとで、彼のことを思い出して、どうにも辛くなってしまうのでしょう。何もかも手につかなくて、もしかすると世界の全部が終わったような気さえしているかもしれませんね。
だからこそ彼のことを忘れたいと願うのも最もだと思います。誰だって、辛い気持ちのままいたくはありませんからね。本当に、その気持ちは良くわかります。
そんな貴女のために、大切なことを、ひとつだけお伝えさせてください。
それは、急いで、その恋のことを忘れる必要はない、というものです。
というよりも、私たちは、過去の恋の記憶を都合よく忘れるようにはできていない──といった方が正しいかもしれません。
当たり前といえば、当たり前のことですよね。
心は言うことを聞いてくれるものではありませんから。すごく好きだった人のことを忘れるなんて、どうにも簡単なことではないはずです。
だからこそ、こう考えてほしいのです。どれだけ辛い恋だったとしても──最高に幸せな恋だったとしても──無理に忘れようとしなくても良いのだと。むしろ心の奥のアルバムに大切に保管してあげれば良いのですよ。
そうした自分だけの思い出を集めるのも、また人生なのですよ。誰にシェアする必要もありません。貴女の記憶なのですから。ただ心の奥に秘めるだけで良いのです。
もちろん、いま毎日が辛くて悲しいのはわかります。生きる気力も湧かないのもわかります。
しかし無理に回復しようとしないでください。むしろ、そのネガティブな気持ちのなかに浸りきってください。忘れる必要なんてなくて、むしろ悲しみ切ってやるんだというくらいに。
心が悲しみたがっているのだから、悲しんであげてください。その方がかえって回復も早いというものです。
すると、ある日、少しずつ失恋の傷が癒えていることに気づくでしょう。
風邪だって、無理に元気になろうとするよりも、しっかり寝こんだ方が治りも早いですよね。それと同じことです。心も寝込みたいときがあるのですよ。
さらに言えば、いまは信じられないかもしれませんが、SNSに投稿するわけでもないし、良い悪いの判断すら超えて、誰に伝えるわけでもない、ひとりで棺桶まで持ちこむような記憶の数々こそが人生の味でもあるのですね。
まわりの「何もありませんよ」「ただ幸せに生きていますよ」という顔をしている大人たちも、実は、こうした記憶をいくつも胸に抱えて生きているのです。
いまはただ、忘れなくていいんだ、と開き直ることが肝心なのですよ。ぜひ、このことを考えてみていただければ幸いです。

(@ASD_ELEGANT)
マジシャン&恋愛コラムニスト。女性メディアに連載中の「読むだけでモテる恋愛小説・わたしは愛される実験をはじめた。」が2020年に書籍&漫画化。自身のSNSが「恋が叶うオンライン恋愛神社」と呼ばれだし、恋に悩める乙女たちの参拝メッセージによってDMが24時間ナイアガラの滝のように流れている。この瞬間にも流れている。