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2023年02月10日

何をやってもうまくいかない…疲れたと感じたときの対処法

何をやってもうまくいかない タウンワークマガジン townwork「最近、何をやってもうまくいかない」「自分なりに頑張っているのに結果が出ない」。そんなとき、どうすればいいのか、具体的な対処法を精神科医の井上智介先生に教えてもらいました。

「何をやってもうまくいかない」と感じてしまう原因とは

「何をやってもうまくいかない」と感じてしまう人は、自分の性格や思い込みが原因になっている場合があります。

完璧主義・マスト思考の人

物事を完璧に失敗なく進めようと考えている完璧主義の人は「何をやってもうまくいかない」という状況に陥りがちです。周囲から見れば十分できているのに、本人はできていないと思い、疲弊してしまいます。自分がやれること以上に期待値をあげてしまうので、うまくいかないと感じることが増える傾向にあります。
そして、マスト思考とは「○○すべき」「○○してはいけない」という考えに縛られていること。義務感を常に持っていて「最後まで自分でやらねばならない」と自分が決めた“マスト”な考えに捉われているタイプです。わからないことがあっても人に頼れず「うまくいかない」と八方塞がりになってしまうのです。

自分に自信がない人

自分の能力や自分自身に自信が持てず「これで大丈夫なのかな」と不安が大きい人も、注意が必要です。このタイプの人は自信がないために、人に認めてもらいたい気持ちが大きすぎて、自分のことを後回しにして他人を優先してしまいます。例えば、友達関係でも自分のやりたいことが言えず、友人の言うことばかり優先してしまい、最終的に「こんなはずじゃなかった」と必要以上に疲れてしまうことがあります。

休養がとれていない人

勉強もバイトも人間関係も何事においても、良好に継続するにはアクセルとブレーキのバランスが重要です。そのバランスがうまくとれず、アクセルを踏みっぱなしで疲れてしまう人もいます。休養がとれていないと、人は疲弊して判断を見誤ったり、うまくいかないことも増えてしまいます。

 

何をやってもうまくいかない…原因別の対処法

「うまくいかない」スパイラルに入ったとき、どう抜け出せばいいのか、タイプ別に対処法を紹介します。

完璧主義・マスト思考の人の対処法

完璧主義・マスト思考の人の共通点は、全てひとりで抱えてこんでしまうことです。テスト勉強で分からないことがあっても自分だけで解決するのではなく、先生や得意な人に聞いたり、バイトで苦手な作業のときには他のスタッフに手伝ってもらったりして、周囲を巻き込む工夫をしてみましょう。

とはいえ、人に頼るのが苦手なこのタイプの人に「周囲を巻き込んでみて!」とアドバイスをしてもなかなか難しいのもわかります。そんなときは、勉強でもバイトの作業でも3~5割程度できたところで、先生やバイト仲間などに「これで大丈夫ですか?」とチェックしてもらって、うまくいかなくなる前にブレーキをかけるのがおすすめです。

自分に自信がない人の対処法

自分に自信が持てない人は「うまくいかない」というネガティブな感情が出たときに、そこから抜け出せずに負のループに入ってしまいやすくなります。対処法としては負のループに入らないように、ネガティブな感情を一旦横に置くこと。ネガティブな感情を持つことは当たり前ですし、悪いことではありません。ただ、引きずられてしまうと、他のことが手につかなかったり、落ち込んだ状態から抜け出せないのが問題なのです。

そうならないために、ぜひ、やってほしいのがネガティブな感情を俯瞰してみることです。コツは心の中で「私は今、○○なのだな」と言ってみる。例えば「私は今、バイトでミスをして落ち込んでいるんだな」「私は今、テスト勉強が間に合わなくて焦っているのだな」と心の中でつぶやいて、ネガティブな感情と一旦距離をとる。「ミスをした」という事実だけで止めて、それ以上に進まないようにしましょう。このように自身を俯瞰することで、「ミスをしてしまった→なんで私はいつもミスをするんだろう→自分は何をやってもうまくいかない」と負のループに入ってしまうのを止めることができます。

休養がとれていない人の対処法

十分な休養がとれていないとき、「うまくいかない」だけではなく、体からなんらかのSOSが出ている場合があります。頭痛や腹痛がしたり、肩凝りを感じたり、汗が良く出るなど。症状は人により異なりますが、その人にとっては一定のサインがあるはずです。いつもとは違う変化を感じた場合は睡眠時間を1時間プラスしてください。それだけでも疲労回復効果があります。症状がある場合、頭痛薬など薬を飲んでごまかしつつ、休息をとらないのは一番やってはいけないこと。いつも以上に睡眠をとることを心掛けましょう。

 

うまくいかないときにやってはいけないこと

「うまくいかない」と思ったときにやってはいけないのは、何かをプラスすることです。人はうまくいっていないときに限って、現状を打破するために何か新しいことをやろうと考えてしまいます。例えば、勉強ができなかったら塾に通うとか、スキルアップのために何か習うとか、人間関係を円滑にするために新たな出会いの場へ行ってみるなど。
うまくいっていないときこそ引き算です。気持ちに余裕がない状態で何かを加えても、吸収することはできません。むしろ、現状から何を手放すかを考えてください。すべてを手放すことは難しいと思うので、私がおすすめしたいのは半分引くこと。勉強では半分頑張ったら休んだり、人間関係では友達からの連絡に対して毎回返信するのではなく、2回に1回返信するようにするなどです。ポイントは「半分引き算」です。

 

人生うまくいく人になるには?

物事が上手くいっているなと感じるのは、自分を俯瞰的に見れて、キャパシティを理解している人です。うまくいく人は自身の得意・不得意をわかっていて、できない自分のことも許せているので、弱い部分も周囲に見せられるし頼ることもできるのです。
とはいえ、不得意な事や弱さを認めて、全部をさらけ出すのはハードルが高いので、これも「半分見せる」という意識でやってみるといいと思います。半分までは努力した上で残りを周囲に頼る。助けてもらえるという体験を自分にさせることで、徐々に苦手なことは周りに頼むことができるようになります。

そして、ネガティブに引き込まれない習慣をつけること。出来ない事ではなく、出来る事に目を向けましょう。うまくいっていないときは「自分に得意なものなんてない」と考えてしまいがちですが、小さなことでいいんです。「時間が守れる」とか「よく笑う」とか「面白い動画を見付けるのがうまい」とか。寝る前などに、自分を褒める癖をつけましょう。得意な事を伸ばして、苦手な事は極力人に頼む、という考えにアップデートできれば、少しずつ変わってくると思います。

 

■取材協力
井上智介
(いのうえ・ともすけ)
精神科医・産業医。数々の病院でプライマリケアを学び、産業医として多くの会社を訪問。現在、精神科医を務めるほか、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターとしても活躍。最新著書に『どうする? 家族のメンタル不調』がある。
Twitter:@tatakau_sangyoi
Instagram:@tatakau_sangyoi

取材・文 中屋麻依子

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