いよいよ夏本番! プール、イベント、引っ越し…夏バイトで注意したい熱中症予防
まもなく夏本番! 夏休みにバイトやレジャーの計画を立てている人も多いと思いますが、夏の暑さを甘くみていると熱中症でダウン…なんてことも。そこで、熱中症の初期症状や具体的な予防策などを熱中症に詳しい医師、三宅康史さんに教えてもらいました。
熱中症ってどんな病気?
「気温が高いと人間の体は、汗の蒸発や熱の放出のバランスを崩してしまいます。そうすると血流が滞り体温が著しく上昇。このような状態を熱中症といいます。暑い場所に長時間いるときや、いた後などに発症します。最高気温が28℃以上の場合、発症率は高くなるといわれています」
こんな症状が出たら危ない
症状は大きく3つに分けられます。
Ⅰ度(軽度)…めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗
Ⅱ度(中度)…頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感
Ⅲ度(重度)…意識がなくなる、痙攣する
熱中症の対策法をバイト別に知ろう!
①屋外日なた/屋外イベントスタッフ、プール監視員など
(大量に汗をかくバイトではスポーツドリンクなら2リットル以上、水も同等以上必要)
・休憩時間は涼しい場所で体を休める。
(15分おきに働いた同じ時間以上の休憩が理想)
・帽子をかぶり直射日光を避ける。
・体をしめつけるような服を着ない。
・バイトの前日はしっかり睡眠をとる。
・三度の食事はしっかりとる。
長時間の屋外作業の場合はこまめな水分補給と休憩をとり日陰で体を休めることが大切。スキニーデニムやタイトなTシャツは体をしめつけ血流を悪くするため、できるだけゆったりとした服を選びましょう。また、食事には塩分や水分、栄養が含まれているため、しっかり食事をとらないと熱中症になる危険性が高まります。
②屋外日陰/ショップ軒下のイベントやキャンペーンスタッフなど
(大量に汗をかくバイトではスポーツドリンクなら2リットル以上、水も同等以上必要)
・できるだけ日陰にいて強い日射と紫外線を避ける。
(15分おきに働いた同じ時間以上の休憩が理想)
・空気を通す通気性のいい服を着る。
強い紫外線が脳の機能不全(頭痛や嘔吐など)や皮膚の炎症を引き起こすため、直射日光が当たらないとはいえ、やはりこまめな水分補給と休憩は必須。水以外にも塩分補給のためスポーツドリンクを用意しましょう。
③屋内/ショップスタッフ、事務スタッフなど
・室温は28℃以下を心掛ける。
・エアコンは乾燥しやすいためこまめな水分補給を行う。
・屋内でも汗が蒸発しやすい服装をする。
屋内だからといってエアコンをつけなかったり、設定温度が高いと熱中症になる可能性は大きいです。正しい設定温度を守り、エアコンによる乾燥を防ぐため水分を補給しましょう。また、化繊やポリエステルなど通気性の悪い服は汗が蒸発しにくいため、この時期は避けるのがおすすめです。
朝は元気だったのに突然具合が悪くなることがほとんどの熱中症。自分の体力を過信せずにきちんと対策を立てて夏のバイトやレジャーを楽しみましょう。
※水分補給の量や休憩時間は、その日の暑さ(日射)や働く時間、労働の強度により異なります。また、夏場の屋外での過度な労働には気を付けて熱中症を起こさないようにしましょう。
昭和大学医学部救急医学教授
昭和大学病院救命救急センター長
三宅康史さん
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日本救急医学会評議員・専門医・指導医、熱中症に関する委員会委員長。熱中症に関する著書やメディア登場も多い。
取材、文:中屋麻依子
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。