結婚や出産への焦りは自由からの逃走【DJあおいの「働く人を応援します!」】

イラスト:沼田光太郎
「自分らしい生き方の選択肢が多様な時代」といっても、それはここ最近のムーブメントであって、まだ答え合わせができていないんですよね。
仕事や趣味に人生を捧げた結果、生涯独り身を選択した結果というのがまだあまり見られないんです。
対して昔ながらの幸福のアイコンのような結婚出産というムーブの結果は、様々な形で身近に見られるじゃないですか。
もちろん結婚が残念な結果になってしまった人もいるのですけども、それも学びになり得るし、失敗してしまったとしてもリカバリーの方法が確立されているんですよね。
人が最も恐怖を覚えるのが「わからない」という不確実性です。
将来が見えない状態はコントロールを失った感覚や無力感につながり、危機感を覚えることが多く、これは人間が予測と計画を重視する傾向にあるからです。
明確な答えがないと人はストレスを感じやすいので、まだ答え合わせができていない「自分らしい生き方」に不安を感じてしまうんですよね。
だから周囲に結婚出産をする人が増えてくると「想像しやすい未来」が羨ましく思えて、不確実性の高い自分らしい自由な生き方を捨てたくなってしまうんです。
結婚や出産は女性に「妻」や「母」といった明確な役割を提供し、自己の存在意義を定義しやすいのですが、「自分らしい生き方」は自分で自己の存在意義を作っていかなければならないんですよね。
そういった自由に伴う自己責任の重圧もあって、結婚や出産を焦ってしまう。
「自由からの逃走」という心理が働いているのかもしれませんね。
結婚出産という選択肢は幸福のひとつではあるので、「この人となら結婚して出産してもいいかな」という特定の人がいれば、周囲の結婚出産ムーブに便乗するのも悪くはないと思うのですが、結婚や出産をしたいがために特定の人を探すというのはあまりにも動機が不純かと感じます。
まず目的があって相手を探すというのは世間で言うところの「遊び」です。
結婚のため、出産のため、という目的がある時点でそれは相手方の人権を無視した不純な動機になるんです。
そもそもが恋愛は単なる結果であって目的ではありません。
人間関係を育んだ上で勝手に恋愛になってしまっただけで、結婚も出産もその延長線上にあっただけなんです。
焦りというのは必ず目的が存在するものです。
だから焦りが生じるのは不純の証になるんですよ。
夫婦関係も親子関係も人間関係の一形態に過ぎません。
つまりは愛している人がいるか否かで幸福か不幸かが決まるのです。
だったら周りにいる人を愛していればいいんじゃないですかね。
自分の持っている人間関係を愛し続けていれば、その結果として様々な関係性が生まれる。
もしかしたらその結果の中に恋愛関係もあるのかもしれない。
そうなったときにはじめて「結婚出産」を考えるべきであって、今は自分らしい生き方を確立させるのが優先なんじゃないですかね。
「あのとき焦ってよかったな」という思い出なんてひとつもないはずですからね。
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謎の主婦。Xで独自の恋愛観を綴り、一般人としては異例のフォロワー22万。サブアカウントではフォロワーの恋愛相談にも乗り、こちらも異例のフォロワー15万。著名人のファンも多く、幅広い層から支持されているが、その素性はいまだ謎のまま。
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