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2017年08月03日

どこがダメ文章か分かる? 朝日新聞ベテラン校閲記者に聞く、誰でも簡単に文章が上達する方法

文章 書き方 タウンワークマガジン
SNSでコミュニケーションをとることが増え、短文でのやりとりが基本になっている今。アルバイトの履歴書の志望動機など、少し長い文章を書くときに頭を悩ましてしまうことも多いのでは。

そこで、『マジ文章書けないんだけど~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』の著書で朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長の前田安正さんに誰でも簡単に書ける文章のコツを教えてもらいました。

文章が苦手な人が陥りがちなポイント

文章が苦手な人が書いてしまいがちな、志望動機の例文を紹介します。あなたはどこがNGか分かるでしょうか? 前田さんにNGの理由と改善点を解説してもらいます。

■NG文

私がこのカフェを志望する理由は(①)、昔からスイーツ好きだったので(②)、高校時代から友達とよく食べ歩きをしていて、このカフェ(③)にも何度か来たことがあったので(②)、安心感を感じる(③)のと、ここで食べたパンケーキの美味しさに感動したのと、店員さんの接客がとても感じがよかった(④)ので、私もここで働きたいと思いました。(※⑤)

■解説

ポイント① 前置きはいらない


この欄は志望動機について書くものですから「私がこのカフェを志望した理由は」の文はいりません。文章が苦手な人ほど、本題にすぐ入るのを恐れてしまい「前置き」を書きたがる傾向があります。ムダな文章は入れずに、すぐに本題に入りましょう。

ポイント② 「ので」「だが」はできるだけ使わない


理由・原因などを表す接続助詞「~ので」や、逆接の接続詞「~だが」は、できるだけ使わないようにしましょう。この言葉を使うと文章が続きやすく、どんどん長くなってしまいがち。特に「だが」は逆接ではなく、単に文章をつなぐためだけに使われることが多いのです。

一つの文は短い方が、主語と述語の関係が明確になります。「文は短く」。これが好い文章を書くための基本です。ここでいう「文」は、ひとつのまとまった内容を表す基本の単位。大概、最後に句点「。」がつくもの。この「文」が連なった言語作品を文章といいます。ひとつの「文」にはひとつの要素(内容)だけ入れ、短くすることを心掛けましょう。

ポイント③ 重複した言葉に気を付ける


文章の中に二回「このカフェ」という言葉が出ています。相手に伝わりやすいよう丁寧に書きすぎると、かえって分かりにくくなってしまったり、文章が長くなってしまったりするので注意。

また、「安心感を感じる」など慣用表現の間違いにも気を付けましょう。正しくは「安心感がある」。他にも「まず先に→先に(まずは漢字で書くと先ず)」、「満面の笑顔→満面の笑み(面は顔の意味)」などがあります。

ポイント④ 伝えたいことをできるだけ前に出していく


伝えたいこと、大事なことは「前に、前に」の意識で書いていきましょう。言いたいことを最初に書き、足りない要素を肉付けしていけば読みやすく、かつ伝わりやすい文章になります。

ポイント※⑤ まとめきれない人は要素を箇条書きにまとめる


主語に対して、その動作や状態などを表す言葉のかたまりが「述語」です。主語に対して、述語がきちんと対応していると読みやすい文章になります。「主語」と「述語」の関係がいまいちわからない人は、まず、文章に入れたい要素を箇条書きしましょう。

・もともとスイーツが好きで食べ歩いていた
・その時に見つけたカフェのパンケーキを食べて美味しくて感動した
・接客も素晴らしかった

この内容を句読点でつなげるだけで簡潔で分かりやすい文章ができあがります。箇条書きした中で一番伝えたいことを文頭にもってきて、つなげていくのがポイントです。

①~⑤のポイントを意識して書き直した文章が以下になります。

■改善文

スイーツが好きで、よく食べ歩きをしていました。貴店で頂いたパンケーキのふっくらした美味しさに感動しました。また笑顔あふれる接客の素晴らしさにも感銘を受けました。こうした感動や感銘を、私も多くのお客様に伝えたいと思い、応募しました。

解説

まず、ここで働きたいと思った切っ掛けや理由を書いていきます。文頭にもってきます。その後に箇条書きした、その他の理由を接続詞を使いつなげていきます。その時、単に「美味しかった」「素晴らしかった」という感想だけでなく、なぜそう思ったのかという理由も簡単に添えると、アルバイト先の方にも共感されやすくなります。

ここでは、パンケーキについて「ふっくらとして」、接客に対して「笑顔あふれる」という理由を書いています。こうすると短い文章の中でも、志望した理由が簡潔にわかりやすく相手に伝わります。

まとめ

意外と簡単な心掛けで、読みやすく、伝わりやすい文章があっという間に書けてしまいます。前田さんが教えてくれた文章テクニックは志望動機でなく、さまざまな場面でも使えるもの。ぜひ、試してみてください

■Profile
前田安正

朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長、未来交創ビジョンクリエイター。国語問題、漢字についての連載やコラムを担当。著書に『マジ文章書けないんだけど~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』『3行しか書けない人のための文章教室』などがある。

【著書】

「マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~」

大和書房 刊
1,404円(税込)

https://www.amazon.co.jp/dp/4479795863

取材・文:中屋麻依子

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