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2020年07月07日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」書店バイト編

カレー沢薫 タウンワーク私事だが、先日連載している漫画が打ち切りになりかけた。

私が平素から「無職」と名乗っているのは、嘘、まして謙遜などではなく、フリーランスと無職というのは社会保障的にはほぼ差がなく、違いと言えば、何らか仕事があって収入があるか否か、程度しかないのである。
つまり、仕事が切られれば、昨日のフリーランスが今日の無職、俺とお前とハローワークなのである。
ならば先行して無職を名乗った方が効率が良い、このように、フリーランスには「未来を見据える力」も必要なのだ、素人にはお勧めできない。

サッカー漫画として始まったものが、メンバーを11人集めることすらできず「フットサルに転向」と言った「急すぎる最終回」が何故起こるかというと、前述の通り「打ち切り」になったからである。

何故打ち切りになるかというと、圧力とか陰謀とかはレアケースであり、大体は「人気がなかった」からだ。
雑誌アンケートの順位が悪かった時点で打ち切りになる場合もあるが、大方出した単行本の売れ行きによって判断される。

つまり、私の漫画が打ち切りになりかけたのも、本が売れてなかったせいなのだが、今回は本の発売直後に、某社会情勢の影響により「都内の大型書店が軒並み休業」というどうしようもないことが起こっていたのである。
売る所が閉まっていれば売れるはずがないのだ。
書店が開いていれば売れたのか、と問われたら困るが、せっかく閉まっていたのだから、閉まっていたせいにするしかないだろう。

このように、電子書籍のシェアが増えたとは言え、未だ紙に異常な執着を持つ日本において「書店」というのは、文字通り作家にとって生命線なのだ。

前置きが長くなったが、そんな、我々の生殺与奪を握る「書店」でのアルバイトが今回のテーマだ。

 
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書店バイトの業務内容は、レジでの接客、棚の整理整頓、返品作業、商品の品出し、店内の清掃などが挙げられる。

業務としては他の小売店と大差ないので、必ずしも本に詳しい必要はなく、最初は詳しくなくても、やっていくうちに雑誌の発売日を覚えたり「今はこのおにめつが流行っているんだな」と売れ線も理解できるようになるという。

だが、本が好きで詳しい方がより仕事に慣れやすいというのも事実だ。

何故なら、書店というのは、お客さんに「この本はあるか」という質問を受けることが多いからだ。
商品の場所を尋ねられることは他の店でもあるが、スーパーに「あの白くて四角い、みそ汁に入れたり、角に頭をぶつけたりするのに使うやつありますか?」と「豆腐」という名前をうろ覚えでやってくる客というのはあまりいない。
だが書店というのは、他の店に比べ、お客さんが、商品名や作者名を正確に覚えていないケースが多いのである。
特に最近は「隣のツンデレおせっかい幼馴染が異世界転生して二度と会うことはなかった」など、タイトルが長い上に世界観が似ている作品も多い。
最近は、書店に検索システムを置いていることも多いが、それもお客さんが多少でも正確なキーワードを覚えていなければ使えない。
「昨日テレビで紹介されていた本ありますか?」という高難易度クエストが発生する場合もあるのだ。

よって、本に対する知識や情報がある人ほど、お客さんの漠然としたキーワードにもひらめきやすいのである。

必ずしも案内できなければいけないというわけではなく、わからなければわかる人にバトンタッチすれば良いが、書籍に関して情報通で、流行に敏感な人の方がより活躍できる職場ということだ。
このように、他の小売店よりも接客がマニュアル通りにいかない場合が多いので、ある程度コミュニケーション能力は必要ということだ。

しかし「こやつデキる」と思われれば、商品の発注も任せてもらえるかもしれない。
本の数に対し書店のスペースは限られているので、この世の全ての本を置くわけにはいかない。
よって、どの本を置くか選んで発注するのだが、意外とこの発注というのは書店員の趣味で行われていることがある。

もちろん、売れ線を完全に無視して、大型書店をヴィレッジ風にすることは出来ないが、人気作とは別に、書店員個人が「誰がなんと言おうが俺はこれを売りたい」という動機で作っているようなコーナーが存在する書店もある。

つまり、書店に自分の好きな本を並べることができるかもしれない、ということだ。
しかし、好きな本を並べるだけで満足してはいけない、それなら自分の家でやれと言われてしまう。

そこで、書店では本がより売れるよう「POP制作」という仕事をすることもある。
POPとは、本がお客さんの目に触れやすいよう、その本のあらすじや見どころを書いた紙などのことである。それを商品の傍に掲示し、目につくようにするのだ。
POPのデキがよければ、一見のお客さんにも作品を手に取らせることが出来る。

つまり、自分の推し本を仕事として布教できるということだ。
POP制作がしたければ、事前にPOPに力をいれている書店をリサーチして応募するというのも手である。

本に詳しくなくてもできるが、やはり本好きの方が楽しくやりがいを感じられる仕事のようである。

お客として書店に行った時、自分の本が棚差しになっていると、つい目立つように面出ししたくなるが、それは書店にとってすごく迷惑だと聞いたので抑えている。
しかし、自分が書店員として働けば、最初から自分の本を目立つように配置できるかもしれない。

しかし逆に自分の本がいつまでも売れず、自分の本を自分で返本しなければいけないかもしれないというリスクがある。

本が好きな人間には間違いなくお勧めなバイトだが、本を書いている人間にもお勧めかは場合によると言ったところだ。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter @rosia29
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