俳優・岡宮来夢さんインタビュー 「舞台は明日への活力を受けとれる場所。どんな仕事も誰かの幸せにつながっている」
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で、ロミオ役を務める岡宮来夢さん。世界中で愛される不朽の名作に挑む心境や、2.5次元作品からグランドミュージカルまで幅広く活躍する、次世代ミュージカルスターのひとりとしての思いをインタビュー。さらに、先輩俳優からうけた影響や多忙な日々を支える原動力、岡宮さん自身の夢を聞きました。
念願だったロミオ役、オーディションでは痺れるくらい緊張しました
――ロミオはいつか演じてみたいと憧れていた役柄だと聞いていますが、岡宮さんを駆り立てたものは何だったんですか?
芸能生活を始めたばかりの頃、ワークショップで初めて演じたのが、ロミオが絶命するシーンだったんです。その時に初めて戯曲を読んで詳しい内容を知り、ここから派生してできた作品がたくさんあることを知って。親交のある黒羽麻璃央くんがロミオ役で出演した2021年公演を観劇しまして、素敵な楽曲に感銘をうけて、いつか演じてみたいと思うようになりました。とはいえ、同時期に他の仕事もつまっていたのでスケジュール的に難しいかなと迷ったのですが、オーディションを受けずに終わるのはイヤだし、ダメならそれでもいいから、まずは僕の歌を聴いていただきたいとオーディションに参加しました。
――オーディション時の心境を聞かせてください。
最後に(演出家の)小池修一郎先生の前で劇中歌「僕は怖い」を歌唱したのですが、手足がビリビリ痺れるような、緊張を感じました。
――本作のどのようなところに魅力を感じますか?
作者であるシェイクスピアの時代から400年以上経っていますが、人間の根底にあるものはきっと変わらなくて、愛や憎しみ、死への恐怖など今も共感できるから残っている物語なのかなと。以前、「ハムレット」を演じた時に彼が抱えた復讐心について「なんかわかるな」と感じたり、現代において起こりうることなのかもしれないと思ったり。演じる人によって観る側の感じ方がまったく違うのに、共感できるのは不思議な魅力だと思います。
気負い過ぎることなく、親近感のあるロミオを目指したい
――出演中のミュージカル『刀剣乱舞 陸奥一蓮』 から『ロミオ&ジュリエット』の開幕まで短いスパンでの公演となりますが、お芝居の切り替えについてどう考えていますか?
デビューしたばかりの頃、ある先輩から「1=声、2=姿、3=芝居」という言葉を教えていただいて、これは声と姿がその役柄に見えているかが大事で、そのうえで芝居をのせていかなければいけないという意味なのですが、なるほどと思ったんです。役柄によって癖があって、例えば気弱な子だったら内股になるとか猫背になるとか。ミュージカル『刀剣乱舞』から『ロミオ&ジュリエット』の本番まで10日ほどありますので、なるべく私生活から変えていけたらいいなと。それはロミオが10代の少年であるということが大きいと思います。
――ご自身の10代の頃を思い返して演じたいということですか?
台本や戯曲を読んだ印象では、ロミオと性格的な共通点が少ないと感じました。僕は俯瞰でものを見る性格なので、一目惚れをして情熱的にワーッと走るみたいな行動はしないかなって。そんな部分を演じることに苦戦しそうですが、逆に楽しみでもあります。
――主人公たちは悲しい結末を迎えてしまいますが、2人の選択は理解できますか?
難しいですね。僕は家族のことがどうしても気になるので、一歩を踏み出せないんじゃないかな。でも、障壁があるからこそ、余計に燃えるものがきっとあると思うので、演じてみたら意外と理解できるのかもしれません。物語の最後に、残念ながら2人は死を迎えてしまいますが、これも2人にとっては幸せだったのかなとも思います。
――どんなふうにロミオを演じたいと思っていますか?
序盤でロミオが歌う「いつか」という楽曲の中に「女たちは僕のことを追いかけてくる、何もしなくても」というフレーズがあり、そこに続く部分も含めて、ロミオの人となりが語られていると思うんです。良家のお坊ちゃんならではの純粋さがあって、常に仲間たちの中心にいる。シェイクスピアがこの作品を書いた時代の若者と現代の若者とではギャップがあると思いますし、今作も6度目の上演なので、あまり気負い過ぎることなく、自分が生きてきた過程を思い返しながら、親近感のあるロミオを目指したいです。
先輩俳優・太田基裕の言葉に感銘を受け……
――仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?
作品を観てくださった方に「明日からも頑張ろう」と思っていただけることを一番に考えています。僕は表現したくてたまらないというタイプの役者ではなく、自分を含めて皆がいい方向に向かっていったらいいなと思っていて。プロデューサーの一人を務めている「ACTORS☆LEAGUE」を発足させる時も、「損をする人が出ないか」や「イヤな気持ちになる人がいないか」に重点をおきましたし、舞台をやるうえでも作品が伝えたいテーマは何で、ご覧になった方にどんな気持ちになってほしいかなどを常に考えるようにしています。
――そう考えるきっかけなどあったのでしょうか?
ミュージカル『刀剣乱舞 葵咲本紀』(2019年)に参加した時はわからないことだらけで、共演の太田基裕さんに「舞台に立つ時、何に気を付けたらいいですか?」という質問をしたんです。僕としては台本の読み方や演技についてお聞きしたかったのですが、「公演を観た後に、その方の人生が変わると思って自分は立っている」という言葉が返ってきて。予想外の答えにビックリしましたが、その言葉がすごく印象に残って。舞台って、生身の人間から明日への活力を受けとれる場所だと思うんです。僕はディズニーランドが大好きで行くたびに元気をもらっているのですが、僕も与える側の仕事をしているので、少しでもパワーを与えられる人でありたいなと思いながら、仕事に向き合っています。
舞台に立つ演者と観に来てくださるお客様はWINWINの関係
――これまでの活動において、転機になった出来事について聞かせてください。
昨年末に僕一人で演じる「クルム童話『ケリナツス~七匹目の仔山羊~』」というミュージカルをやりまして、稽古ってこんなに楽しいんだというのを実感する日々だったんです。大変なことも多かったけれど、演出の末原拓馬さんと二人三脚でつくり上げる楽しさを感じて。それまでの稽古は大変なことのほうが多かったけれど、クルム童話をやってから稽古でモチベーションを維持する力が明らかに変わりました。マインドの変化という意味では転機になりました。
――日々の仕事を頑張れる原動力は何ですか?
カーテンコールでお客様からいただく拍手です。僕たち舞台に立つ側とお客様ってWINWINの関係だと思うんです。お客様に幸せになってほしいという演者の願いと、作品から何かを受けとり、「よかったよ」と送ってくださるお客様の拍手。どんな仕事も誰かの幸せにつながると思っているので、僕は日々の仕事を頑張れます。
――今後のビジョンを聞かせてください。
大好きなディズニー作品や、新海誠監督作品の声優を務めることが直近の目標です。僕は好奇心がとても旺盛なので、自分の心が躍るような方向に進み、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいです。
――夢や目標に向かって奮闘する若い世代の皆さんにアドバイスをお願いします。
アドバイスだなんておこがましいですが、100人の人がいたとして、やりたいことに実際トライするのは10人で、継続できるのは1人という話をよく聞きます。今年の僕の目標が「健康第一」で、体を休めることもそうですし、人の体は食べるものでできているので、食事にも気をつけるようになったら自然とメンタルが安定してきて。自己満足ですが、そんなふうに継続できている自分を誇らしいと思うんです。続けることは自信にもつながるので、皆さんも「これをやってきたから自信がある」と言えるところまで頑張ってほしいです。
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2024年5月15日(水)〜2024年5月21日(火)23:59 まで
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— タウンワーク (@townworknet) May 15, 2024
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岡宮来夢(おかみや・くるむ)
1998年4月23日、長野県生まれ。2015年「第28回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞し、芸能界デビュー。主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(鶴丸国永役)、「王家の紋章」(ルカ役)、「The Fantastics」(マット役)、「進撃の巨人-the Musical-」(エレン・イェガー役)、「SPY×FAMILY」(ユーリ・ブライア役)、「BOOK OPERA クルム童話『ケリナツス~七匹目の仔山羊~』」、舞台「BANANA FISH The Stage」(奥村英二役)、「ブルーピリオド The Stage」(矢口八虎役)など。
◆Official Site:https://okamiyakurumu.com/
◆Official X:@okamiya_kurumu
『ロミオ&ジュリエット』
【東京公演】5月16日(木)~6月10日(月)新国立劇場 中劇場
【愛知公演】6月22日(土)・23日(日)刈谷市総合文化センター
【大阪公演】7月3日(水)~15日(月・祝)梅田芸術劇場メイン
ホール公式サイト:https://www.rj-2024.com/
公式X:@musical_RJ
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
スタイリング:能城 匠
ヘアメイク:村田 樹
取材・文:荒垣信子
衣装協力/タキシードアトリエ ロッソネロ