アーティスト・MACOインタビュー『笑顔はその場の空気を変えてくれるものだから、いつでも楽しむことを心がけています』
ラブソングを中心に、10代~20代の男女に絶大な人気を誇るシンガーソングライターのMACOさん。仕事論にも通じる“笑顔は伝染する”の言葉通り、とても楽しそうにコンビニや飲食店等での、アルバイト経験について聞かせてくれました。ACUVUE®タイアップ曲「恋するヒトミ」が収録された最新アルバム『メトロノーム』制作エピソードと合わせてお届けします。
せつなくて、ちょっと温かい世界を耳元に感じ取ってほしい
――アルバム『メトロノーム』の制作に入るうえで意識されたことは?
制作当時に考えていたのは、みなさんの心にグッと刻み込めるような曲たちにしたいということでした。それと、11月のリリースなので、せつなく温かい曲が作りたいなとも思っていました。
――その意味ではリードトラックの「Sweet Memory」は、まさにせつなく温かい1曲ですね。
ここ最近の私のシングルや表題曲は、ラブソングだったり、応援歌だったり、どちらかというと、ハッピーな曲が中心で、MACO=幸せなラブソングというイメージがあったと思うんですけど、今回はせつなくて悲しい曲を表題曲にしたくて、恋している人でも、この曲を聴いたら“失恋したときの気持ち”が溢れるような、破壊力のある曲を届けられればと思って作りました。
――作詞に関して、こだわったことは?
じわじわくる悲しさや、せつなさを表現したかったので、最初はシンプルな失恋の曲だったんですけど、さらに“友達”という関係性を描くことで、距離がグッと近くなったり、よりせつない曲にたどり着きました。
――アルバム制作を振り返って、大変だったことや印象的なことはありましたか?
大変だったのはやっぱりレコーディングですね。毎回すごくこだわるので大変なんですけど、今まで以上にこだわったというか……つらかったです(笑)。
――つらかった!?
制作期間には余裕をもっていたつもりだったんですけど、細かい部分での自分にしかわからないこだわりが強く出てしまって、ギリギリまで試行錯誤しました。とくに「メトロノーム」や「Sweet Memory」はかなり長い期間取り組みましたね。何テイク重ねても、最初のものがよかったり……。歌ったテイクは全部覚えているので、一番しっくりくる歌声のイメージを探しました。
――アルバムは約1年ぶりですが、MACOさんご自身の変化はこのアルバムにも反映されていますか?
そうですね。26歳になってできたアルバムなので、落ち着いて、地に足がついたアルバムになったんじゃないかと思っています。正直、楽曲制作はバタバタすることもあったんですけど(笑)、でも、1曲1曲に対して、書きたいこと、伝えたいことをしっかり描けたと思っています。できれば、1曲目から12曲目までを通して、ぜひこの順番で聴いて欲しいなと思います。自分でトラックリストも考えたので、アルバム全体のストーリーを感じてもらえたらうれしいですね。シチュエーションとしては、通勤・通学の時にイヤホンで聴いて欲しいかな。このせつなくて、ちょっと温かい世界を耳元から感じ取っていただければと思います。
コンビニのバイトで感じた、今まで買う側だった商品を“作る”という楽しさ
――そして、ここからはアルバイト経験の話も伺えればと思います。
アルバイトはラーメン屋さんとかコンビニとか、家電量販店とかいろいろやりましたね。一番最初は、高1の時、周りの友達がバイトを始めたのに影響を受けて、コンビニで働きました。
――コンビニでのバイトで一番思い出すことは?
ホットスナックですね! 買う側だった商品を自分で作るというのがすごく楽しかったんです。けっこう匂いが、髪とか体についてしまうんですけど、それもいい思い出だなと。今でもコンビニでその匂いをかぐと懐かしいなと思ったりしますね(笑)。
――作る作業が好きだったんですか?
“お仕事としてやっています”っていう感覚が楽しかったんだと思います。それに、接客も好きなほうだったので“レジでお釣りを渡して商品を渡す”という短い時間でもお客さんと会話があったりして、そんな瞬間も楽しかったですね。
――レジでの何気ない会話ですね。
本当に数秒なんですけど、ちょっとしたコミュニケーションが取れると嬉しかったですし、いろんな世代の方からもよく話しかけられていました(笑)。
――きっと、MACOさんの対応にも話しやすさがあったからなんでしょうね。
仕事は楽しんだほうが周りも明るくなるし、それはいつでも心がけるようにしています。
——ちなみに初めてのバイト代のことは覚えていますか?
はい、お金は洋服代に消えていました(笑)。ただ、その頃は、もう音楽を始めていたのでライブ用の衣装代にもなっていましたね。
ラーメン屋のバイトはネギを切るのが楽しかった!
――次がラーメン屋さんですか?
そうですね。ラーメン屋さんは友達に誘われて始めました。
――ここでは、どんな作業が好きでしたか?
注文をとったり運んだりがメインでしたけど、お皿洗いや簡単な調理も手伝っていました。そのなかでも楽しかったのはネギを切ることですね(笑)!
――ネギを切る(笑)?
そうなんです。ネギを切ったり、キャベツを切ったり、具材を乗せたり、そういう作業が好きだったんです。しかもネギとかは、すごく切れる業務用の包丁を使わせてもらっていて、切れ味がよかったですし、大量にネギを切ることなんて普段はないので(笑)。そういう特別な感じと、単純作業が好きだったみたいです。
――逆に、大変だったのはどんなことですか?
ラーメン屋さんなので当たり前なんですけど、ラーメンを運ぶのは大変でした。けっこう繁盛しているお店だったので、忙しい時は、お盆に6つぐらいお皿や丼が並ぶことがあって、そのたびに失敗しないように緊張していました。
――ちなみに元々料理はするほうだったんですか?
母の手伝いで料理はしていたので、それはバイトに活きたなと思います。
身についたのは、決められた時間のなかで作業すること
――では、アルバイト中に心がけていたことはありますか?
何気ないことですけど、口角を上げて笑顔を作ることですね。笑顔ってお店の中に伝染するんです。やっぱり、嫌な接客をされると、美味しいものも美味しくなくなるじゃないですか。だから常に笑顔は心がけていました。
あとは、スピード感。私けっこうマイペースなので、最初は“決められた時間のなかで作業する”というのがちょっと苦手だったんですけど、徐々に慣れました。ちなみに、食器洗浄機を使うんですけど、洗浄機に入れる前にお皿を軽く洗うスピードは、私すごく速かったんですよ(笑)!
仕事がうまくいかない時は、視野を広げてリセットします
――では、仕事のスタンスについてもお伺いしたいのですが、MACOさんは高校生の頃から作詞作曲を始めて、音楽活動をされていたそうですが、趣味でやっている音楽と「仕事」としてやる音楽は、どんな時に差を感じましたか?
東京に来てライヴがどんどん決まっていって、それに合わせてスタジオでの練習期間が組まれるんですけど、その時に“これは仕事だ”と認識した気がしますね。今までは、自分が好きな時や余裕がある時に作業していたのが、ちゃんとスケジュールがあって、作品作りにも期日が生まれる。作詞も、高校生の時はホントに書きたいと思った時に書いていたんですけど、今は常に面白いなと思った会話をスマホにメモしたり、ちょっとしたことや、うれしかった言葉とかをメモする習慣がつきました。でも、それだけ歌と関わっていられるのは嬉しいことですし、歌が好きなので、仕事として歌えていることには感謝しています。
――たとえば、うまくいかなかったり落ち込んだ時は、どう対処していますか?
一回その事柄から離れるんです。もちろん向き合うことは必要ですけど、向き合ってもどうしてもうまくいかない時は“今はそういう時なんだろうな”と思って距離を置きます。天気とかその時の月とか星の位置関係のせいにしたり(笑)。新月だったら新しいことが始まるけど、満月はけっこう滞ったりするもの……とか。追い詰められて視野が狭くならないように、あえて一度リセットして気持ちを切り替えるようにしています。
――では最後に、今後の目標を教えていただけますか?
『メトロノーム』というアルバムを、ぜひ多くの方に聴いていただきたいです! さらに先の目標としては、自分史上最大規模のライブがいつかしたいですね。そしてシンプルですけど、もっともっといい歌を歌っていきたいです。
MACO(まこ)
2014年にメジャーデビュー以降、ラブソングを中心に共感を呼ぶ歌詞や、歌声で10代~20代の男女に絶大な人気を誇るシンガーソングライター。メジャーデビューのきっかけとなったテイラー・スウィフト「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない~ We Are Never Ever Getting Back Together」の”テイラー公認”日本語カバーを筆頭に注目を集めた。今年は第一弾シングル「恋するヒトミ」が『ACUVUE®キャンペーンCMソング』としてON AIR。リリース後のツアーでは、初の全国ホールツアーを展開し、ファイナルでは自身最大規模のパシフィコ横浜を大成功におさめた。来年1月からは『MACO メトロノームツアー 2018』も決定している!
◆OFFICIAL SITE:http://www.macoopc.com/
◆Official Twitter:@maco_opc
編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:田部井徹
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。