アーティスト・宇野実彩子(AAA)インタビュー『続けることで得られる経験や達成感の積み重ねが自信につながる』
2枚目のソロシングル「Summer Mermaid」をリリースする宇野実彩子さん。AAAのメンバーとして、女優として幅広く活躍する宇野さんに、“好き”を仕事にする醍醐味や、デビュー後に感じた葛藤、そして歌の魅力など仕事観について伺いました。
新曲は季節感とハッピーを詰め込んだサマーソング!
――2ndソロシングル「Summer Mermaid」は、開放的な夏にピッタリの心が弾けるポップチューンとなっていますね。
夏のリリースなので、夏生まれで夏が好きな自分らしく思いきり盛り上げてくれるような楽曲にしたくて(笑)。1stソロシングル「どうして恋してこんな」の失恋ソングとは違って、無条件に楽しくなるようなハッピー要素の強い楽曲に仕上がりました。
――女の子の心情をキュートなフレーズで彩った歌詞と歌声が印象的で、楽曲の世界観と見事にマッチしていました!
私の理想を重ねたり、過去の夏を思い出したり、妄想しながら恋愛模様を描いていきました。聴いただけでスッと入ってくるようなキャッチーな言葉や、MVのシーンとして映えるようなシチュエーション、具体的なアイテムをピックアップしやすいように私が思うキラキラワードを並べました。レコーディングでは、いろんな表情を持っている女の子になりたかったので、いい意味で肩の力を抜いて、ふわふわ浮かれた気持ちで歌いました。
――MVでも、笑顔のキュートな宇野さんや、歌詞を体現した振りやカラフルなセットや衣装……など、スイート&カラフルな映像が楽しめますね。
MVの監督さんが私の歌詞を繊細に拾ってくださって、楽曲と一体感が出るMVに仕上がりました。トレンド要素が満載で、このタイミング、この曲だからこそできたMVだなと思います。
――「Summer Mermaid」というタイトルはどこから生まれたのでしょうか?
夏に恋する女の子の可愛さとか妖艶さとか小悪魔っぽいところなど、全部を表現してくれてるなと思ったんです。夏の人魚って、すごくスペシャルで限定な感じがしますし、この曲がみなさんの夏(の恋)をより素敵に彩ってくれたら嬉しいです。
――今回も作詞をされていますが、歌詞を書くときのシチュエーションは?
カフェで書くことが多いですね。この歌もカフェでソイラテを飲みながら、ほかの方の邪魔にならないように、端っこの席で書きました(笑)。
――そして10月からはツアーも始まりますね。
32歳のタイミングで、初のツアーも発表できるなんて、ソロ活動においてもたくさんの夢があるなと感じています。私にとって、いつが最強の幸せの時期なのかはわからないですけど、今すごく充実しています。音楽を通してみんなとハッピーな時間を過ごせたらと思っています。
根拠のない自信——それは今でも大事なことだと思う
――ここからは仕事観についてお伺いしたいのですが、まずは改めてこの仕事を目指したキッカケから教えてください。
兄姉の影響で、小さいころからダンスや音楽に触れていたし、マイケル・ジャクソンが好きだったんですけど、小学6年生の時に鈴木亜美さんを見て“私も芸能人になりたい”と憧れるようになりました。中学生の頃からオーディションを受け始めて、高校1年生の時にavexのオーディションで優勝をいただいたことで、この世界に入りました。
――オーディションを受けた時は自信もあったのでしょうか?
振り返ると当時のほうが今よりも自信があったというか。根拠のない自信なんですけど、何も知らないからこそ怖いものなしでしたね(笑)。その時はまだ何も始まっていないわけだから、審査してくださる相手の方は当然、私のことは何も知らない。だから、見栄をはる必要がなかったので、そのままの自分でぶつかりました。たとえ、その時にダメでも、軌道修正して次に生かせばいいと思っていたんですよね。とにかく自分を信じる気持ちが強かったし、それは今でも大事なことだと思っています。
――では、初めて夢がかなったと実感できたのはいつですか?
デビューや日本武道館のステージに初めて立った日とか、たくさんあるんですけど、やっぱり一番はAAAを結成した時ですね。デビューしたのは、avexに入ってから2年後ぐらいだったので、“いつデビューできるんだろう?”ってずっと不安な状態だったのが、いよいよデビューできるんだ”“グループのメンバーとして、自分という存在を世の中に知ってもらえる日がくるんだ”と思えた日でした。
第三者の目や意見、反響が返ってくるようになって“仕事になった”と感じた
――仕事としての意識が芽生えたのもそのタイミングなのでしょうか?
ライヴでお客さんが入り始めるようになってからかな。最初はそれこそお客さんより、メンバーのほうが多いような時期もあったので……。お客さんが増え始めて、スタッフさんも増えて、第三者の目や意見、反響が返ってくるようになって改めて“仕事になった”と感じるようになりました。
――音楽が仕事になることの大変さや醍醐味も教えてください!
歌には、正解や不正解がないし、限界がないところは大変な部分であり、醍醐味でもありますね。それとその時々の自分の心理的なものがすごく影響するので……感情や人間力が現れるぶん、人としても成長していかないといけない。でも、それはどんなお仕事に対しても言えることだと思います。
あとは“音楽は人の心に届く”というのも醍醐味です。たとえば、ライヴに来てくださるファンの方以外にも、音楽を聴くことで応援してくださる方もいますし、直接会えてはいないけれど出会えている。それはすごいことだと思うんです!
楽しいことを見つけて続けるのが辛い時期を乗り越えるコツ
――では改めてお伺いしますが、歌は好きですか?
“好きな気持ち”はずっと変わらないです。ただ、自信がある時期ばかりではなかったので、しんどい時もありました。とくにデビュー2年目あたりから、2年間ぐらいは自分に自信がなかったり、正解がわからなくてもがいていた時期だったので、心に余裕がなくて、他のアーティストの歌が聴けなくなった時もあったんです。当時は、周囲の人からの優しい言葉も、ネガティブにしかとらえられなかったり……。
——それを乗り越えられたのは?
辞めなかったこと。続けることで得られた経験とか、達成感を感じられる瞬間の積み重ねで自然と解消されていきました。それと辛い時期でも、寝られたし笑えたので(笑)。どんな時でも、楽しい時間って少しはあると思うんです。仕事=修行ではないから、ちょっとした楽しいことを見つけながら、たまに自分を“よしよし”してあげつつ、続けられたらいいなと思いますね(笑)。
初めての仕事の時にだけ許される“教えてください”の精神!
——宇野さんは、初めてのことに挑戦するのは好きですか?
私はビビりなので、新しいことを始める時は不安で仕方がないんですけど、お話をいただいてやると決めたら妥協はしたくないので、ひたすら練習をします。この間も、初めて野球の始球式をやらせていただいたんですけど、最初は難しくて、とにかく練習しました(苦笑)。それと、最初の現場では“教えてください”って自分から言うようにしているんです。それが許されるのは初めてのお仕事の時だけですけど(笑)。独学も大切だと思いますけど、私は仕事仲間やスタッフさんの経験を聞きますね。
——どんな仕事にも共通しそうですね。
そうですね。人見知りなので自分から声をかけるのは緊張するんですけど、仕事こそ、やりがいや達成感を共有しやすいと思うんです。人の魅力って、どんな時に感じられるかわからないから、一緒に仕事をして共有するなかで、相手との関係性も変わっていくと思うので、なるべくコミュニケーションをとるのは大切だなと思っています。
宇野実彩子(うの・みさこ)
男女6人組のパフォーマンスグループAAA(トリプル・エー)のメンバーとして、 2005年9月にシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。2005年末、「第47回輝く!日本レコード大賞最優秀新人賞」受賞。今年はデビュー13周年を迎え、秋に2年連続となる4大ドームツアー『AAA DOME TOUR 2018 COLOR A LIFE』の開催が決定している。
個人としては女優、ソロアーティストとしても活動。今年2月に「どうして恋してこんな」で待望のソロデビューを果たす。
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企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:星野彩乃
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