田島芽瑠(HKT48)インタビュー『苦手な中にも好きを発見するようにして克服しています!』
博多を拠点に活動するHKT48。広い視野とポジティブな思考を持ってお仕事に向き合う田島芽瑠さんにお話を伺いました。さらに、4月10日にリリースされるシングル「意志」の歌詞についてや、同グループを卒業する指原莉乃さんへの思いが溢れたMV撮影の様子も聞きました。
新曲は力強い曲。歌詞に描かれている世界にはすごく共感できた
――HKT48の12枚目のシングル「意志」は、タイトルが象徴するように強い意志、これからへの可能性、決意を感じられる楽曲になっていますね。
これまでHKT48は明るい曲が多くて、明るさの中に切なさがあったり、明るさの中にキュンとする瞬間が紛れていることがあったんですけど、「意志」はこれまでにはなかったカッコいい雰囲気で、まっすぐに伝えたいメッセージをぶつけている力強い曲だなと思いました。歌詞に描かれていることすべてに共感できました。
――とくに共感できたフレーズをあげるとしたら?
“強情だってわかっているんだ 失うものばかりで それでも僕は歯を食いしばって孤独でいるよ”という箇所ですね。私は自分の気持ちをさらけ出すのが苦手で、悩み事とかがあっても誰にも言えない性格なんです。自分の弱いところを見せたくなくて、ついつい強がってしまうんですけど、唯一相談できたのがさしこ(指原莉乃)ちゃんで。
というのも、私が何も言わなくても「どうしたの? 大丈夫?」って気にしてくれて、“この人には何かセンサーがついているんじゃないかな?”って思うぐらい変化に気づいてくれるんです。
――今作は、4月28日にグループを卒業する指原莉乃さんにとって最後のシングルとなりますが、どんな思いでレコーディングやMVの撮影に臨みましたか?
立ち位置がさしこちゃんの真後ろだったので、この後ろ姿を見るのも今回が最後なんだって痛感しながらMVの撮影をしました。記念に残したくて背中の写真も撮ったんですけど、こんなに細くて小さな背中に、どれだけのものを背負ってきたんだろうって。その存在がいなくなってしまうというのは、こんなにも心細いものなんだなって改めて感じたんです。でも、この曲を聞いたときに、さしこちゃんの想いを私たちに託してくれてる気がして、これからは私たちが意志を引き継いで、HKT48をもっと盛り上げていかなきゃって、撮影中は瞬きひとつしないように意識しながら、私なりの覚悟を表現しました。
少数派になった時に自分の意見を隠してしまう自分がいたけど、少しずつ変化してる
――この曲を通して伝えたいメッセージはありますか?
“真実はいつも 多数決じゃない”って最後に描かれているように、たとえ少数派だったとしても、周りに味方がいなかったとしても、自分の意見が正しいと思うのならば、その道をまっすぐ信じて、自分の意志を大切に突き進んでいきたいし、聞いてくれる人にもそう感じてもらえたら嬉しいです。
もしかしたら孤独も人生にとっては大切なことかもしれないから。ぜひこの曲が皆さんの強い意志に変わるような曲になったらいいなと思います!
――ご自身は少数派と多数派、どちらになることが多いですか?
私は自分に正直でいたいと思っているので、時には少数派になることもあります。でも、やっぱり自分の気持ちではどうにもならないこともたくさんあって、とくに私は12歳からHKT48に加入して、小中学校のころからずっとこの世界で過ごしてきたので、少数派の意見を持っていたとしても言えない自分、隠してしまう自分がいたんです。
多数派のほうが安全だし、味方がたくさんいるから守られているけど、いつまでも自分に正直にいられないのも苦しくて。
だから、本当に自分が正しいと思ったことは、失うリスクもあるかもしれないけれど、怖がらずになるべく伝えるようにしています。それは本当に少しずつですけど、変化してきたところなのかもしれないです。でも、自分を貫くばかりじゃなくて、周りを冷静に見て判断することも時には必要だと思うようになりました。
どうにもならないことは、次に繋げられるようにメンタルを切り替えるようにしてる
――12歳からいきなり大人の世界に飛び込むのはすごく勇気がいったと思うんですけど、この世界を目指したキッカケは何だったんですか?
アイドルになりたいというよりは、そのころオーディションに挑戦することが楽しくて。HKT48だけじゃなく、いろいろなアイドルグループのオーディションを受けていたんです。今思うと、自分を試したかったのかな。自分自身を客観視することには限度があるから、他人から自分がどう見られているのかを知りたかったし、自分を評価してもらえるとすごく嬉しかったんです。
――自分を評価されるのは怖くないですか? 面接は一番緊張する場面だし、普段の自分が発揮できなかったりしませんか?
それは普段の自分以上に良く見せようと無理しているからだと思うんです。面接してくださる方も、時間を割いて向き合ってくれているので、感謝の気持ちを持って挑もうと思っています。
緊張して下を向いていたり、目が泳いでしまうと、前向きなイメージが減ってしまうので、面接の方への敬意をもちつつ、目を見て笑顔でお話するようにしているのと、自信を持って面接会場には行きます。
――確かに、この人と一緒に何かをしたい、この人に夢を託したいとも思えないですしね。そういった意味では、総選挙もオーディションの一環と言えますが、評価が順位となって表れることに関しても平気ですか?
数字に左右されて苦しくなることもありますけど、総選挙ほどファンの方たちと団結できる瞬間はないですし、みんなと一緒に喜べたり、感情を共有できるのは総選挙でしか味わえない感覚だと思っています。
総選挙は毎年の大きな目標だったので、今回開催されないのは、人に判断される材料が減ってしまって、残念な気持ちもあるんですけど、これまでのアイドル人生で初めての経験になるので“総選挙がない1年はどうなるんだろう?”って、新しい世界にワクワクする気持ちも大きいですね。
広い視野を持って、何が大事なのかを見つけていきたい
――お話を聞いていると、とてもポジティブ思考な印象を持ったのですが、うまくいかなったときはどうやって対処しますか?
自分が頑張って直せるところであれば、全力で正しい方に向かう努力をしますけど、自分の力ではどうしようもないときは、しょうがないじゃんって(笑)。諦めるというよりは、大変なことは必ずあるものなので、それを次につなげればいいんだって思うようにしています。
なので、SNSとかで厳しい意見を言われることもあるんですけど、ちゃんと見てくれているというのが嬉しいですし、心無い言葉に傷いたり凹むこともありますけど、それぞれの意見だから感謝しつつ参考にしたいなとは思っています。
――仕事をする中で苦手を克服する方法はありますか?
正直、同じ仕事を何年もしていると、自分の不得意なことや苦手なことも見えてくると思うんです。でも、その中でも楽しいとか、幸せだなって、小さいことでもいいから、そこにある楽しさや幸せに気づける余裕を持つこと、苦手な中にも好きを発見するようにしています。
逆に、嫌だという気持ちしかなくなって、心にまったく余裕がなくなってしまったら、その仕事から離れてみるのもアリなのかなって。まだまだ経験していないこともたくさんあるので、1つに固執するのではなく広い視野を持って、何が大事なのかを見つけられたらいいなと思いますね。
やってみないと吸収できないことがたくさんからから、バイトも経験してみたい!
――最後に、もしアルバイトできるとしたら、何をしたいですか?
私は本が好きなので、本屋さんとか図書館で働いてみたいです。あと、子どもも好きなので、保育園とか幼稚園とか。他にもコンビニの店員さんになってレジ打ちとかしてみたいですし、カフェの店員さんになって「ご注文、何にしますか?」って聞いてみたいです。もう、いっぱいありすぎて(笑)。そこでどんなことを経験して、吸収できるかはやらないとわからないと思うので、今はなんでも経験してみたいんです。いつか1日バイト体験もしてみたいです!
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田島芽瑠(たしま める)
2000年1月7日生まれ/福岡を拠点とするHKT48のメンバー。2012年に加入(2期生)。Team Hに所属。KBCラジオ『HKT48 ラジオ聴かナイト!』23:30〜に出演中。
HKT48はAKB48・SKE48・NMB48に続く、AKB48プロジェクト第4弾として福岡で発足。メンバーは総勢60名。2011年10月に西武ドームでデビューし、翌月から劇場公演をスタート。2013年3月にデビューシングル「スキ!スキ!スキップ!」を発売以降、連続のシングル首位という新記録を更新中。
◆HKT48 OFFCIAL SITE: http://www.hkt48.jp/
◆田島芽瑠 OFFCIAL TWITTER: @meru_chan_07
企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:星野彩乃