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2020年02月10日

RINA(SCANDAL)インタビュー『これからは音楽にもっと人間味をプラスしていきたい』

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork2008年のデビュー以降、国内外で多くのライブを展開。メンバー全員が作詞・作曲もこなすなど高い音楽性でも注目を集めるガールズバンド・SCANDAL。ドラムのRINAさんに、中学時代から続けてきたバンドへの思い、自分自身との向き合い方について伺いました。

 

今やりたい音楽を正直に――遊び心と挑戦に満ちたアルバム

――アルバム『Kiss from the darkness』が、プライベートレーベル“her”からリリースされますが、以前と変化はありますか?

メンタル面ですごく変化しました。自分たちのアトリエのような新しい場所が出来たからこそ、そこから発信していく音楽は挑戦が感じられるものにしたくて、コンセプトを決めずにサウンド的にも振り切ってみたり、遊び心をもって取り組むところから始めました。

――リード曲「Tonight」からは、新たな方向性を感じました。

トラックと生のバンドサウンドをミックスさせています。ドラムに関しても、今まで自分の中にはなかったフレーズが叩けて新鮮でした。

――かと思えば「Fuzzy」では、バンドサウンドが前面に押し出されていますね。

「Fuzzy」は、あえて録音した音をあまり編集せずに収録しています。バンドが生む生々しさがパッケージされて、音源の中にも緊張感のある仕上がりになったと思います。

――今作で特に印象深い楽曲はありますか?

MAMIが作曲をして、私が詞を書いた「A.M.D.K.J.」は、アルバム内でも激しめで攻めた曲なんですが、歌詞も今までであれば書かなかったような言葉をあえて使っています。喜怒哀楽でいう怒の部分を表現できたことで、バンドとしても自分たちの殻を破るキッカケになりました。

――それは挑戦したいという思いからなのでしょうか?

はい。この曲に限らずアルバム全体を通して、感情をさらけ出した作品にしたかったので、喜怒哀楽の“怒”や“哀”といった一見ネガティブなものからインスパイアされた楽曲も作ろうと思いました。それは、今まではどこか避けていたので挑戦でしたね。

――ちなみに、「A.M.D.K.J.」の怒りというのは?

コンプライアンスが過剰になって、アート表現を規制するニュースを目にすることが多くて、それに対して評論家の方が、「アートはよく分からないけれど、これはダメだと思う」という発言をしていたんです。知らないことは悪いことではないけれど、一度知ろうとしてみてほしいなと感じました。

表面だけを見て何かを評価するのはもったいないことだと思うし、それで誤解も生まれていく。そこに違和感を覚えたんです。ただ、最終的には怒りそのものより、前衛的なものほど賛否が分かれるからこそ、そこに臆することなく表現とは真っ直ぐに向き合っていこうという気持ちも込めています。

――そして、キュートな「まばたき」や、優しく切ない「月」など、本当に様々な感情の幅を感じました。

“同じ人間が書いてるのかな?”と自分でも思いますね(笑)。感情が生まれる=心に波がある時に言葉が出てくることを改めて感じられたアルバムで、人間味の溢れたものになっていると思うので、ぜひ聞いてもらえたら嬉しいです。

 

不器用で最初は上手くいかないけれど、小さい頃から好奇心は旺盛だった

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork――ここからは仕事観について伺いたいのですが、この仕事を目指したキッカケは?

子どもの頃から何かを作ったり、作った物を人に見てもらうことが好きだったので、最初は幼稚園で劇団に入りました。その後、中学に入って大阪のダンススクールに通ったことで、今のメンバーに出会ってSCANDALを結成しました。

――ダンススクールに通っていたのは意外でした。

ダンスに興味があったというよりは、芸能界への憧れがあって、そのスクールでチャンスを掴みたいと思って入ったので、ダンスは1ヶ月くらいしかやっていないんです(笑)。あまり自分にはしっくりこなくて、何が本当にやりたいのかを探していた時期にバンド結成のお話をいただいたので、挑戦することにしました。

――新しいことには物怖じしないタイプですか?

私はすごく不器用で、最初は何をやっても全然ダメなんです(笑)。でも、なんでも、“やってみよう!”という気持ちは小さい頃からありましたね。

 

バンドを始めて少しずつ出来ることが増えていくのが嬉しかった

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork――バンドを始めた当時のことも教えて下さい。

分からないことが多すぎて、「楽器店ってどこにあるんだろう?」というレベルからのスタートでした。毎回必要なチューニング(楽器の調律)も、1回したらしばらくは大丈夫だと思っていたり、機材を入れるケースの存在が分からなくて、スニーカーショップの袋で持ち運んでいたり(笑)。

――初々しいですね(笑)。

そんな状態でしたが、みんなで楽器店を回って機材を揃えたり練習していくうちに、毎回新しい発見があったり、少しずつ出来ることが増えていくのが楽しかったですね。当時は、メンバー全員が楽器を持つことも初めてで、同じスタートラインから一緒に高め合えたことも続けられた理由だと思います。

――学生時代からSCANDALとして活躍されていますが、バンド活動が仕事になったと感じた瞬間はありますか?

中学3年から活動をしていますが、10代の頃はバンドを仕事だとは思っていなくて……というより、仕事だと思いたくなかったんだと思います。

――“純粋に楽しむもの”といった感覚ですか?

そうですね。そこから大人になるにつれて、徐々に仕事という意識に変化していきました。今は音楽が仕事だということを実感しているし、やりがいも感じています。大きなキッカケはないので、学生時代を経て音楽1本の生活になったことがターニングポイントだったのかもしれません。

 

アーティストとして、リアリティのあるものを表現していきたい

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork――では、仕事をするうえで大切にしているのはどんなことでしょうか?

今回のアルバムのテーマとも重りますが、バンドやアーティストとして表現していくうえで、最近はリアリティのあるものを表現するように心がけています。

昔は、バンドでは前向きでキラキラした部分を表現したいと思っていたので、メンバー全員、辛さとか怒りという負の要素は出さないようにしていました。でも、自分自身も、ほかのアーティストの音楽に触れるうえで、制作の苦悩や、普段感じている感情が伝わってくるもののほうが魅力的に感じたんです。作り手として、これからさらに音楽に人間味がプラスされたらいいなと感じています。

 

嫌いになるのは、それが大事なものであり居場所だからこそ

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork――やりがいを保つための方法はありますか?

難しいですよね。この先、どれだけ生きてもSCANDALより大事なものは出てこないんじゃないかと思うほどバンドは自分の核なんです。一番大事だからこそ、すごく嫌いになる時もあるし、力不足を感じて自分自身のことが嫌になる時もあります。

――どうやって克服していますか?

焦って“1日1曲作ろう”とか、自分にノルマを課したこともあるんですけど、それが出来ないと苦しくなる。そういう時は、あえて立ち止まってリセットします。でも、結局は何かを生み出したり、自分の力不足を解消することでしかモヤモヤは解決しないので、その方法を探すために一度離れてリフレッシュして、また自分の大事な居場所に戻るんだと思います。

――メンバーに話したりは?

昔は1人で抱えるタイプでしたが、今はメンバーやスタッフに自分の気持ちを伝えられるようになりました。1人で抱えていると、その悩み以上に不安がどんどん膨れて負の連鎖に陥ってしまうので、「こういうことについて不安なんだ」とか、「これがやりたいんだ」とか「どうしたらいいのか分からなくなっている」と伝えられるようになったのは変化した部分ですね。

――最後に、夢を追いかける読者へのメッセージをいただけますか?

誰しも不安になることはあると思いますし、気持ちが滅入って整理がつかない時は「何に悩んでるか分からないけど、すっごく調子悪いんだよね」くらいアバウトでもいいので、気持ちを口に出してみてください。それで、整理されていくこともあると思うので、自分にも周囲の人にも素直に向き合ってみてください!

SCANDAL RINA 音楽 インタビュー タウンワーク townwork

■Profile
RINA
(SCANDAL)

2006年大阪・京橋で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。 国内外問わずに多くのフォロワーを持ち、世界中でコンサートを行っている。 近年ではファッションアイコンとしても注目を集め、自身のアパレルブランド “Feedback!”をプロデュース。 2018年にはプライベートレーベル“her”を設立するなど、名実ともに日本を代表するガールズバンド。

◆SCANDAL Offical HP:https://www.scandal-4.com/
◆RINA Official Twitter:@scandal_rina

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:Kuro 取材・文:原 千夏

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