介護に真剣に向き合う人に、安心して仕事を続けられる環境や働き方の選択肢を用意|マンパワーグループ株式会社
介護業界の労働力不足の解消と、スタッフが安心して仕事を続けられる環境の整備を目指しスタートしたマンパワーグループ株式会社・ケアサービス事業部。2名体制でのスタッフフォローや資格支援制度などの取り組みを積極的に行う同社の野口愛城ケアサービス事業部長に取り組みやその背景などお話を伺いました。
全国に34拠点を置き、地域に密着したサービスを展開
― ケアサービス事業部は2019年にスタートしたばかりなのですね。
はい。現在、日本国内では75歳以上の人口が急速に増加しており、特に介護分野で働く人材の不足が懸念されています。ケアサービス事業部はこの労働力不足の解消を目指し、介護に特化した専門事業部として2019年5月に大阪、神戸、名古屋の3拠点からスタートしました。2019年内には首都圏を含む全国17拠点に事業所を設置、現在では24都道府県に34拠点を置き、地域に密着したサービスを展開しています。
― 事業部としての理念、スローガンがあれば教えてください。
私たちは、お年寄りの方が住み慣れた地域で安心して介護を受ける体制の整備が必要だと考えています。そのためには地域ごとに介護スタッフを採用し、経験を積み、長く働いていただく仕組みを作ることが急務です。そこで「支える人を、支えたい」をスローガンとして掲げ、「日本全国で介護という仕事に真剣に向き合っている人のサポートをしたい」という思いで事業展開しています。今後も積極的に拠点を広げ、派遣スタッフが自宅の近くで働ける環境や、課題があればすぐに相談できるサポート体制を整えていきたいですね。
介護スタッフの約半数は未経験から就業。時短やダブルワークのスタッフも多い
― 扱っている職種や、就業されている方について伺わせてください。
全体の8~9割は介護スタッフ、介護補助スタッフです。次に看護助手や調理補助、そして送迎ドライバーも依頼があれば対応しています。未経験歓迎の求人も多く、現在就業されている介護スタッフの約半数が資格や経験がありませんでした。未経験で始めたスタッフには「介護に興味はあったけれど一歩踏み出せなかった。でも勇気を出して人の役に立つ仕事をしてみたい」「子育て中なので時短で働きたい」「ダブルワークしたい」など、さまざまな方がいらっしゃいます。一方、経験者は「介護の仕事が好きなので続けたいが、職場環境を変えたい」「待遇面の条件を上げたい」という意見が多いですね。40代を中心に10代~80代まで幅広い年代の方が登録にいらっしゃいます。
― 介護スタッフ、介護補助スタッフは具体的にどのような仕事をされるのですか。
派遣先の施設によっても異なりますが、介護スタッフは食事介助、入浴介助、排泄介助が基本業務で、未経験の方は介護補助からスタートします。入浴や食事介助は2名体制で行うことが多く、経験のある介護スタッフのサポートを補助スタッフが行います。補助スタッフは先輩のサポートを行いながら徐々に仕事を覚えていきます。
営業、フォロワーの2名体制でのサポートに加え、資格取得支援で長く仕事を続けられる環境を提供
― 未経験で就業される方も多いとのことでしたが、未経験者向けのフォロー体制があれば教えてください。
まず、応募のタイミングから仕事の提案、職場見学、就業後のフォローまで同じ営業担当が担当します。就業後は専任のフォロワーと営業担当の2名体制にすることで、コミュニケーションを取りやすい環境を提供しています。フォロワーとは、就業に関する悩み・相談を行っていただけます。就業初日はもちろん、3日目、1週間後に電話やメールで様子を確認し、月1度は職場に訪問して就業環境の確認などを、派遣スタッフと派遣先担当者双方の話を伺います。介護業界では、「明日から働いてほしい」「明日から働きたい」という企業側、スタッフ側からの要望も多く、就業前に介護職の説明を行った後、派遣先で働きながら仕事を覚えていただくこともあります。
― 資格取得の支援をされているということですが、具体的にはどういった制度ですか。
弊社の指定スクールで資格取得を目指していただく制度です。当社から派遣先に就業して6カ月経った方には、介護の基礎から応用までを学ぶことができる「介護職員初任者研修」と、より実務的な知識と技術の習得を目的とした「介護福祉士実務者研修」を受けていただけます。
― 介護職未経験でもすぐに受講できるのですか。
弊社で就業6カ月経てば、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」ともに受講可能ですが、未経験であれば「介護職員初任者研修」をお勧めします。より専門的な知識と技術を要する「介護福祉士実務者研修」は、修了し、実務経験が3年以上あれば介護福祉士の国家試験の受検資格を得ることができますので、介護業界でステップアップすることが可能です。
― スクールに通うには時間もお金もかかりそうですが。
受講や勉強には時間を割かなければいけませんが、当社では営業担当が派遣先にシフトを調整していただくよう交渉するので、「研修のために休まないといけないが言いづらい」などご心配いただく必要はありません。資格取得のための費用は、就業後6カ月経っており、資格取得された場合にも当社が負担します。ご本人のキャリアアップのためにも、積極的に利用していただきたい制度です。
― 資格を取得されると、ご本人にもメリットが多そうですね。
資格取得をすると本人の意欲や姿勢も変わりますし、時給アップはもちろん、より責任のある業務を任されるなどステップアップをされる方が多いです。資格があることで企業側から直接雇用を希望されるケースもあり、この仕事を長く続けるきっかけにもなりますね。
― ほかに会社として設けられている制度はありますか?
給与の前払い制度を設けています。マンパワーは月末〆の翌月払いが基本ですが、希望があった場合に1週間単位で前払いをする制度もあります。
報酬や福利厚生などの待遇改善で、介護の世界で長く働ける環境を作りたい
― 事業部として積極的に取り組んでいる課題はありますか?
大きく二つあります。一つはみなさんが介護業界で長く働ける環境を作ることです。介護の仕事を離れる理由として「思っていたのと違う」「体力的にきつい」「人間関係」というのがありますが、施設側の状況や仕事内容をより深くヒアリングする、営業担当だけでなくフォロワーの設置をして相談窓口を広くする、就業直後のフォローを厚くする、資格支援制度を設けるなどで、介護の仕事に安心して長く携われる方を増やしたいと思っています。
二つ目は介護の仕事にチャレンジしたいという方を増やすことです。経験者、有資格者だけでなく、未経験の方にもぜひ介護の仕事にチャレンジしていただきたい。そのために時給アップや柔軟なシフトに対応できるよう派遣先に交渉したり、職場までの距離が近い案件を多く獲得するなど、未経験でもチャレンジしやすい環境を整えています。
― 今後力を入れたい領域などはありますか。
病院での看護助手、看護師は案件を増やしていく予定です。また、今年から保育領域の取り組みも始め、保育士、保育スタッフの方のキャリアにも力になりたいと思っています。特に保育士に関しては、資格を持っているが働いていない潜在保育士が現在約6割いると言われています。この方たちがもっと活躍できるよう当社がシフト調整や希望条件を交渉して待遇を改善していきたいですね。
― 最後に、派遣や介護職を検討している方にメッセージをお願いします。
マンパワーグループは日本で人材派遣サービスを提供して、55年以上の歴史があり、さまざまな働き方を支援してきました。期間や時間、場所などご希望に合ったお仕事をご紹介することができ、働いた後の悩みや不安を解消できるサポート体制があります。「初めて介護の仕事にチャレンジしたい」「介護の仕事をしているけれど、もっと待遇を改善したい」など、介護に興味がある、人の役に立ちたいと思っている方は、ぜひ登録にいらしてください。
■プロフィール:
野口 愛城(のぐち あいじょう)
マンパワーグループ株式会社 ケアサービス事業部事業部長 執行役員
人材サービス業界を17年経験し、2019年にケアサービス事業部長としてマンパワーグループ株式会社に入社、介護・医療の人材派遣・紹介サービス事業の立ち上げに従事する。2021年から執行役員に就任。2023年1月には保育領域の人材派遣・紹介サービスの立ち上げに従事している。
■マンパワーグループ株式会社
介護業界で働く
https://www.manpowerjobnet.com/feature/kaigo/
取材・文/荒川文乃 撮影/八木虎造