【激レア 体験レポ】からあげクンがついに宇宙デビュー!? “宇宙で食べたい味”開発の舞台裏レポートに密着!
全国展開するコンビニエンスストア・ローソンで発売されている「からあげクン」。1986年の発売以来、老若男女の胃袋を満たしてきた人気フードの宇宙食化計画が立ち上がっているという。激レアバイトでは“宇宙で食べたい味”開発に関わる舞台裏をレポートするべく、食に興味を持つ大学生2人が参加した。
2016年に誕生30周年を迎えたからあげクン。そのジューシーな旨味もさることながら、期間限定フレーバーやご当地フレーバー、人気アニメ&ゲームとのコラボ企画も毎回話題となり、現在まで28億食を売り上げるローソンのメガヒット・フードとして知られている。
からあげクンのことをもっと知りたい!

(左)Rさん (右)Tさん
参加したのは、大学4年生のRさんと大学2年生のTさん。
無類のからあげクン好きで元ローソン・バイトリーダーというRさんは「からあげクンの製造過程を知れて工場見学ができ、さらに12月に発売される新作の試食討議にも参加できるということで、自分のからあげクン愛をぶつけていきたいです」と気合十分。
食に関わる学部に所属し、食に関わる仕事に興味を持っているというTさんも「大学で栄養について学んでおり、将来は商品開発やカフェの経営に携わりたいと思っているので、このような場に参加することで自分の人生経験のプラスにしていきたいです」と将来への投資としてやる気満々だ。
からあげクン勉強会スタート
まずはからあげクンの歴史を学ぶべく、会議室へと通された2人。
「からあげクン」の製造担当者や研究開発担当者などを交えて、「からあげクン」の歴史勉強会がスタートした。
各担当者から語られたのは、低カロリーの国産若鶏胸肉の一枚肉を使用していることや、誕生以来販売価格税抜200円をキープしているこだわりと企業努力の数々。
また1986年4月15日に発売されたことを記念し、2016年から同日が「からあげクン誕生日」として日本記念日協会に記念日認定されたことや、これまで販売されたからあげクンの粒を並べると月まで到達し、あと少しで折り返せる…などのトリビアが飛び出す実りの多い時間となった。
ヒストリー・エピソードを漏れのないようにノートにメモって“プチからあげクン博士”になった2人。ついに工場内にある製造ラインの見学へと向かう。
超レア・妖精付けの瞬間も目撃!
衛生・安全の観点から、筆記用具類は工場側が用意してくれたバインダーとひも付きボールペンにチェンジ。機械音のする工場内で担当者の指示を仰ぐためのインカム、入場ゲートを開くタッチキーも必需品だ。
服装もマスク&白衣にチェンジ。「めちゃめちゃ熱い。サウナの中にいるみたい」(Rさん)、「通気性が…」(Tさん)と夏場の工場で働く大変さを早くも実感したよう。
油ちょう工程から見学は始まった。フライヤーで揚げられたからあげクンが、コンベアーに乗って次から次へと流れてくる。ここでは1日45万食が24時間体制で製造されている。普段は見ることのできない圧巻の景色に2人はしばし呆然となる。
フライヤーで揚げられたのち、形が崩れたものなどがまずは人の手によって選別される。条件をクリアしたものが、すぐに巨大なフリーザーで一気に冷やされる。その温度マイナス約40度。
カチコチに冷やされて旨味が凝縮されたからあげクンは、包装室前で金属探知機やX線によって異物混入の有無が細かくチェックされる。その後は機械によって次々と包装され、マイナス約20度の巨大冷凍室で保管。各店舗への出荷を待つ。
さらにランダムで選ばれたからあげクンの粒にレーザー焼きでからあげクンのキャラクターを刻印する作業、通称“妖精付け”も特別に見せてもらった。
知らない人も多いかもしれないが、実はからあげクンの粒にはごく稀にキャラクターが刻印されたものが混じっていることがある。担当者曰く「店舗で1週間に1個見られるかどうか…」。この激レアな製作過程に2人も興味津々だ。
宇宙で食べたいのはブラックホール味!?
12月に発売される、人気漫画「宇宙兄弟」とのコラボ企画・宇宙で食べたい味。その試食討議会にも参加。一般公募約1万3千件の中から候補に挙がったのが、「いなり寿司味」「ギャラクシー味」「地球は青かった味」「オーロラ味」「ブラックホール味」の5つ。
開発担当者から「商品開発をしているとどうしても開発者としての目線で見てしまうので、消費者に近い目線から激レアバイトのお二人にアドバイスをいただきたい」と任命され、いざ実食。
ネーミングも見た目も5種5様の新味に驚きつつ、それぞれの味を試食した2人。Rさんはブラックペッパーの風味が口の中でガツンと広がる「ブラックホール味」推し。「見た目の真っ黒さがかなりのインパクト。食べるとブラックペッパー感があって美味しくて、大人向けのからあげクンだと思う」と率直な意見を述べる。
Tさんは銀河をイメージして七味をまぶした「ギャラクシー味」推しだが、「でも実際に宇宙に行ったときには『ブラックホール味』を食べてみたいかも」と笑わせた。果たして今年の12月にどの味が発売されるのか、期待したい。
宇宙食版からあげクン、そのお味は?
今回の激レアバイトのメインイベントとなるのが、宇宙食版からあげクンの試食!ローソンではJAXA宇宙航空研究開発機構の協力のもと、からあげクンを揚げ物宇宙食第1号にするべく研究・開発を行っている。
宇宙食版は、すでに揚げてあって食べられる状態にしたレギュラー味のからあげクンをフリーズドライ化したもの。JAXAの規定で宇宙食は1.5年の保存期間が必要で、現在はその保存試験の真っただ中。
フリーズドライにすることで保存性も上がり長持ちするほか、水分も蒸発して重量も軽くなる。またスナック感覚でそのまま食べられるということから、本来の「からあげクン」が持つ世界観や風味により近づくのだという。ほかでは絶対に食べられない激レア中の激レアであるスペース版からあげクンにドキドキしながら箸を伸ばす2人。
「普段食べている柔らかくジューシーなからあげクンとは違って、噛むときにサクっとなるのに驚きます。まるでスナック菓子みたいだけれど、噛んでいくと口の中でふやけていっていつものからあげクンが戻ってきます」(Rさん)。
「宇宙食とはいえ、からあげクンのブランドが守られている味。フリーズドライにすることによって鶏肉がまるでミルフィーユのような食感になっていることに驚きました」(Tさん)。
宇宙へ届け!JAXA認定の包材で梱包
そんな「スペースからあげクン」を宇宙に飛ばす際の梱包作業も体験。
登場したのは、銀色の光沢がスペース感をあおるJAXA認定の包材と、包材を数秒で真空パック化してくれる真空包装機。
一袋に2粒入れる単純な作業のように思えるが、厚みのある包材をねじって開く作業がなかなか困難。
手先の器用な女子力をTさんが発揮する一方で、男子・Rさんは悪戦苦闘でマスクの下は苦笑い。
ただ袋詰めすればいいのかというと、実はそうではない。宇宙への輸送を考えて、なるべくかさばらないようにするために、横の厚みを薄くするようにする。そのため粒が重ならないように、かつ平面部分を縦にすることを意識しながら作業は続く。
計10パックの包装を無事に終えて、すべての激レアバイトの任務は終了した。

「消費者の一人としてからあげクンがどのような過程を踏んでできがあるのかを考えたことはなかったけれど、衛生・安全面など様々なチェックをクリアしたものが各店舗に送られているということを改めて実感することが出来ました。今後の人生で食べることがないであろうレアなスペース版を試食できたのが一番の思い出です」

「試食も楽しかったし、真空パックにスペース版からあげクンを詰めるのも楽しかったです。食品開発の仕事にもともと興味を持っていましたが、今回の経験を通して、仕事の内容が想像から実感に変わったように思います。今後は食品生産に関する知識をもっと深めるため、大学での勉強により一層励んでいきたいです」
めったに見ることのできないレアな現場の数々に、今後の人生における糧を得た2人。この経験が社会人になった際に活きることは間違いなさそうだ。