【激レア 体験レポ】野外イベント「宙フェス」の演出アシスタントをする“宇宙バイト” in 京都
今回の激レアバイトの舞台は、2017年10月8日(日)、京都で開催された「宙(そら)フェス 2017」。「上を向いて遊ぼう!」を合言葉に、さまざまな星空と宇宙の楽しみ方を集めた「サイエンス」と「カルチャー」の融合イベントだ。作家、演出家と幅広く活躍する大宮エリーさん、プラネタリウム映像クリエーター、CG作家のKAGAYAさんら宇宙にゆかりの深い著名人によるトークステージの演出アシスタントに、二人の大学生が挑戦した。
待ち焦がれた祭典の演出を手伝いたい!!
会場は阪急嵐山駅から徒歩6分の法輪寺。宇宙を意味する本尊「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」を祀っている。採用されたのは、ともに「宇宙が好き」という、大学4年生のKさん(22)とNさん(22)だ。

Kさん(左) Nさん(右)
Kさん「一昨年初めて宙フェスに行った時、トークショーや来場者を巻き込んだ宙ガールファッションショーなど、斬新で新旧を織り交ぜたエンターテインメントに感動しました。今年は著名人の方が5名もいらっしゃるということで、来場者のみなさんが最大限楽しめる場づくりをしたいです」
Nさん「空が好きで、宇宙が好きで、きれいなものが好きな私にとって、『宙フェス』は一年に一度の待ち焦がれた祭典です。トークショーには6年前より大ファンであるKAGAYAさんが来られると知りました。私が好きなものを、同じように好きなお客様に喜んでいただけるよう全力で働きます」
好天に恵まれ、法輪寺の境内は人、人、人。宙と星をモチーフにしたアクセサリー作家や、雑貨ブランドが多数出店している。
現場責任者にご挨拶し、少し緊張気味。空色のスタッフ用ビブスを着用すると気持ちが引き締まる。
最初に任されたのは、野外テントで行われる、星占いの記事で人気のライター・石井ゆかりさんによるトークショーだ。
10月中旬というのに、夏のような日差しで最高気温28度。体感では30度近く。来場者に少しでも涼しく過ごしてもらおうと、幕を設置する。
徐々に観客が集まってきた。メールによる完全予約制で、席数30に233人の応募があったプレミアムなイベントだ。
イベント開始。小道具のボードを使って、テント内に風を送るNさん。
石井さんが来場者にプレゼントされた、星にまつわるカードをゲット。Kさんのカードは“拡大と成長の星 木星”。「トークの中でも出てきたので、うれしい!」。Nさんは“星をたよりに旅をする”。「自分は旅と宇宙が大好きなので、ピッタリな言葉ですね!」。
世界的な人気クリエーター、KAGAYAさんと対面!!
本堂にて、出演者、スタッフの全体打ち合わせに参加。温かな拍手で迎えられる。
オーロラ研究の第一人者、片岡龍峰さん(左)と幻想的な宇宙や星座の世界を描く人気クリエーターのKAGAYAさん(右)。Nさんにとって、KAGAYAさんは憧れの存在だ。
進行台本を渡され、現場での役目について指示を受ける二人。「さすがに少し緊張してきました」とNさん。
舞台袖で動き方を最終確認。いよいよ、Kさんが楽しみにしていた「宙ガールファッションコンテスト」が始まる。
宇宙をモチーフにしたファッションに身を包んだ宙ガールが登場する「宙ガールファッションコンテスト」がスタート。スタッフが事前に「これぞ宙ガール!」という女性をスカウトし、この場で審査するというイベントだ。
Nさんは、舞台前から出演者に指示を送るフリップを出す係。
Kさんは舞台袖から小道具を出す係。ファッションショーの豪華賞品(目録)を住職に手渡すのだ。
賞品の紹介が始まった。
イベントが進むと、Kさんにも笑顔が。次はメーンイベントだ!
演出家、大宮エリーさんを“演出”する!!
夕闇が迫る中、KAGAYAさんによるトークイベント「ここにしかない景色の作り方」がスタート。絵画制作をコンピューター上で行う「デジタルペインティング」の世界的な先駆者であるKAGAYAさんが、作品作りの裏側を解説するというものだ。
Kさんの仕事は、KAGAYAさんが撮影した写真パネルを観客に見せること。トークの邪魔にならないように前へ。
写真パネルを裏側から支えているのがKさん。登壇のお二人に分かるように表の面をチラ見せする配慮も忘れなかった。
幻想的なKAGAYAさんの作品。順番通り、8点のパネルを掲示して、このイベントは終了。
日没後、さらに幻想的な雰囲気に。大宮エリーさんと片岡龍峰さんによるサイエンストーク「芸術家と研究者の最果てトーク」がスタート。
片岡さんが「まずは、ここ京都とゆかりが深いオーロラの話をしたいんですけども。実はこんなものを持ってきました」と切り出す。
Kさんの出番だ。片岡さんが用意したパネルを持っていく。パネルは、京都で見られたというオーロラを描いた古い絵。「え、京都でオーロラが見られたんですか?」と大宮さん。
一方のNさんは舞台下に。大宮さんの小気味の良いトーク回しで、片岡さんのオーロラ話も“舌”好調。タイミングを見計らって、Nさんが「終了10分前 一般の方からの質問」というフリップを出す。
「質問のある方? 手を挙げて」と大宮さん。こちらも、大盛り上がりのうちに終わった。
19:00、エンディングの演出用として、タレントの山岸愛梨さんからサインボードに言葉をもらうKさん。これにて、激レアバイトは終了。
19:45、エンディング。(左から)山岸愛梨さん、KAGAYAさん、片岡龍峰さん、大宮エリーさん、法輪寺の藤本住職が登壇。二人が出演者から集めてきたボードを元に、トークが展開される。
大役を滞りなく終えたKさんとNさん。エンディングを一観客として見届け、笑顔を見せる。
イベント終了間際には、ピンク色の大きな月が上り、たくさんの来場者がカメラを向けていた。
渡月橋近くでは夜空と音楽を楽しめる優雅な屋形船も。「宙フェス2017」の有料参加者数はのべ5800人。法輪寺単独でも4529人という過去最高の参加者数となった。
Kさん「ステージはみんなで作り上げていくものなのだな、と体感できました。来春からは百貨店でシステムエンジニアとして働きますが、クリエイティビティは大事な要素。今回の経験を仕事にも活かせるよう頑張ります」
Nさん「ステージは予定通りにいかないので、臨機応変に振る舞うライブ感がとても大切ですね。憧れのKAGAYAさんを前に緊張しました。いちファンとしてお会いするのとは違い、一緒にお仕事をさせていただき、支える側の立場になれたことは貴重な経験でした」
来春、社会人になる二人。今回の激レアバイトは、大きな思い出と刺激となったようだ。バイトが終わっても、会場から去りがたい様子で、「来年も宙フェスに参加したいです!!」と話していた。
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