【激レア 体験レポ】緊張度MAXのサガン鳥栖スタジアムDJ!2万人のサポーターと一体感を演出する“スポーツバイト”
今回の激レアバイトの舞台は2017年11月18日、佐賀・鳥栖のベストアメニティスタジアムで開催された明治安田生命J1リーグ第32節「サガン鳥栖 VS FC東京」。試合で欠かせないのが、放送室から試合に関するインフォメーションを流し、ピッチに立って観客を盛り上げる「スタジアムDJ」の存在だ。サガン鳥栖の創設20周年を記念するメモリアルマッチのスタジアムDJに、20代の男女2人が挑戦した。
サッカーの裏舞台を知りたい! お客さんを楽しませたい!
ベストアメニティスタジアムはJR鳥栖駅から徒歩2分。日本一の“駅チカ”を誇るサッカー専用スタジアムだ。チケットは既にソールドアウト。約2万人の観客が集まるスタジアムでトークする緊張度MAX!!の“激レアバイト”に挑戦したのは、ともにDJ経験ゼロの東京都在住の大学生、Sさん(21)と福岡県在住のカフェ勤務のフリーター、Kさん(26)だ。
Sさん
「大学サッカー部のサイドハーフ選手です。テクニックがあるわけではなく、得点感覚が優れているわけでもなく、どちらかといえば、下手な方ですが、一つのボールをめぐって、22人が奮闘する様子が好きです。選手がプレーでお客さまを楽しませる一方、試合以外でどのようなことをして、満足度を高める工夫が行われているのか知りたいと思いました」
Kさん
「正直、サッカーを見ることは少なく、知識も浅いかもしれません。小学生の頃に、地元にサッカーチームがやってきて、試合を見たことがあります。チームの色に合わせて応援している方やサッカーに詳しくない方でも一緒に盛り上がれ、テレビでは感じ取れない迫力と楽しさがあったことを、今でも覚えています。披露宴の演出を手伝ったこともあり、裏方の仕事に興味があります。DJの仕事には憧れもあり、挑戦したいと思いました」
ベストアメニティスタジアム到着。J1の2017シーズンは終盤戦。前節時点で、サガン鳥栖9位、FC東京11位という順位の近いチーム同士の戦い。早くから席取りの長い列ができていた。
チケットは完売。20周年記念試合へのサポーターの期待の高さが伺える。
サガン鳥栖のマスコット「ウィントス」。佐賀・筑後地方に生息するカチガラスのリーダー。快く記念撮影に応じてくれたが、Sさんの邪魔をする。茶目っ気たっぷりのリアクションに、2人も大ウケ。
サガン鳥栖の担当者にご挨拶。「よろしくお願いします」と2人。顔には少し緊張が。
早速、ピッチに入れてもらった。入場者全員にプレゼントされる20周年記念の迷彩ユニフォームを着る。
ご担当者に紹介され、スタジアムDJにご挨拶し、打ち合わせ。
選手を後押しする20周年記念仕様のアイテム「クラップバナー」を手にする。バナーを振ると、選手を鼓舞する音が鳴る仕掛け。
広げると、サポーターナンバーを意味する「17」が現れる。試合前、このクラップバナーの使い方を説明するほか、席詰めのアナウンス、ウェーブスタートのかけ声を担当することに。まずはピッチ上でのリハーサルだ。
スタジアム独占のリハーサル!! & 絶景の放送室でサポート!!
入場前のスタジアムで、マイクテストを兼ねて、リハーサル。スタジアムDJから、「自己紹介してみてください」と言われ、マイクを握るSさん。この時点では、あまり緊張していないように見えたが…。
続いて、Kさん。「福岡から来た金子真美です。今日はみなさんと一緒に選手を後押ししますので、よろしくお願いします!」。
リハーサルを終え、メインスタンドの最上階にある「場内放送室」へ。ここからはスタジアムDJの仕事をサポート。
スタッフさんに指示をしながら、場内アナウンスをするスタジアムDJ。11時45分のファンクラブ会員の優先入場開始から、分刻みのスケジュールに。あまりの多忙ぶりに、2人も驚きの様子。
場内放送室はスタジアム全体を見渡せる“特等席”。サッカー少年によるドリブルゲーム&キック飛距離競争が開催。このアナウンスをするのも、スタジアムDJの仕事。
進行台本を確認する2人。KさんはFC東京のスターティングメンバーのルビふりも手伝った。
台本の文言を読みながら、自分たちが話す内容を真剣に考える。
キックオフ1時間前、ピッチサイドでスタジアムDJの指示を受ける。いよいよ一発勝負の本番だ! 失敗は許されない……。
敵味方を越え、約2万人の観衆と一体感!ウエーブを作った!!
トップバッターはSさん。「みなさんとサンガ……」。ん? 「すみません、サガン鳥栖の選手を後押ししたいと思います」。緊張のあまり、「サガン」を「(J2の京都)サンガ」と言い間違えてしまった!! それでも、メインスタンドからは温かな拍手が。
続いてKさん。意気込みの後、クラップバナーの使い方を説明。「選手が入場する時には、17番の面を見せて、出迎えてください」。Sさんはクラップバナーを広げてアピール。
試合直前、再びピッチに登場。さきほど空席もあったメインスタンドは満席に。サポーターのみなさんが総立ちでクラップバナーを広げている。
約2万人で埋まったスタジアムで、最後の大仕事だ。大型ビジョンには「激レアバイト」の紹介も。まずは席詰めのお願い。こちらは滞りなく終えることができ、笑顔も。
試合に向け、一致団結!! スタジアム全体でウエーブを実施する。スタジアムDJの合図で、Sさん、Kさんが「3!」「2!」「1!」とカウントダウン!!
ウエーブは客席が埋まらないと、実現できないイベント。ウエーブの行方を興奮した様子で見つめるスタジアムDJの3人。
熱狂的なサポーターが集まるバックネット裏席では、フラッグも上がる。最後は対戦相手の東京FCのアウェイゴール裏のみなさんも参加。敵味方を越え、メモリアルゲームを祝った。
サガン鳥栖のスターティング・イレブン。元コロンビア代表のFWビクトル・イバルボを始め、Jリーグや各国を代表する選手らを間近で見ることができた。
大仕事を終え、ホッとした表情を見せるSさんとKさん。試合開始後は応援に専念。
試合は2-1でサガン鳥栖の勝利。観客は「サガンブルー」のジェット・バルーンで勝利を祝った。
仕事が終了し、スタジアムDJと記念撮影。すっかり、サガン鳥栖ファミリーの一員になった2人。
Sさん
「九州に来たのも、飛行機に乗ったのも初めて。まさに初めて尽くしの経験でした。もともとあがり症で、ガクガクすることはなかったけれども、緊張しました。大事なところで言い間違えてしまいましたが、終了後、メインスタンドのお客さんから『もう間違えないでね』と明るく声をかけていただき、ホッとしました。いろんな思わぬ出来事が起こる中、スタジアムDJがその都度、的確に対応されているのを見て、プロの凄さを体感できました」
Kさん
「こんなに大勢の前で、何かを発信することはありません。貴重な体験をさせていただきました。サポーターの方が盛り上がってくれるか心配でしたが、とても温かくて、返事もしてくれました。すごく楽しかったです。選手の感情、サポーターの鼓動を感じられました。やはり、生で見るのは違いますね。また、スタジアムで応援したいです!! 」
メモリアルマッチで一体感を演出した2人。極度の緊張を乗り越えた後に見せた笑顔には、充実ぶりが伺えた。