【激レア体験レポ】TVアニメ「異世界チート魔術師」に声優として出演! 声優の卵たちがプロの現場に挑む!
現在、AT-X、TOKYO MX、KBS京都ほかにて放送中のTVアニメ「異世界チート魔術師」。話題沸騰中の同作品に声優として出演できるという、まさに激レアなバイトが実現した! プロフェッショナルが集う緊張の収録現場で、はたしてバイトの2人はスタッフを納得させる演技ができるのか……? その一部始終をお届け!
「異世界チート魔術師」は、どこにでもいる普通の高校生・西村太一と、運動神経抜群でモデル体型の美少女・吾妻凛が異世界へと導かれ、“チート”な魔力を持った冒険者として活躍する物語。「小説家になろう」発、シリーズ累計200万部を突破した異世界ファンタジー英雄譚を原作とするアニメである。
今回、採用されたのはMさんとIさん。
Mさん「声優を目指して養成所に通っています。演技経験はレッスンや養成所内での公演だけですが、皆さんに『この人でよかった』と思っていただけるようにがんばります!」
Iさん「すばらしい作品に出演させていただけて光栄です。声優を目指し、フリーで活動しながら事務所を探しています。やるからにはプロとして、先輩方にも負けないような芝居をお見せしたいと思います!」
監督さんや立石音響監督と打ち合わせ! 嬉しいサプライズも!
2人がやってきたのは都内の某スタジオ。中ではすでに別の収録が行われていた。
緊張の面持ちで二人が待っていると……。
「それでは収録を始めますので、お入りください。」
スタッフさんから声がかかった!
2人が案内されたのは、アフレコ収録が行われるブース。マイクやモニターが設置されており、隣はスタッフの方が音声のチェックや指示出しなどを行うミキシングルームとなっている。2人の表情にも緊張の色が浮かんだ。
まずは筑紫監督にご挨拶。
「本日はよろしくお願いいたします!」
2人の緊張をほぐすように、監督さんが今回の役どころについて優しく説明してくれた。
「今回、収録するのは、街を大量の魔物から守るために住人や冒険者たちが戦っているという場面。2人にはそんな街の住人である若夫婦を演じていただきます。」
通常であれば、こうしたモブ(脇役)には名前がなく、台本には「村人A」のように記されている。しかし、今回は「名前があった方がやりやすいでしょう。」という筑紫監督からの特別な計らいにより、2人の役には「クルト」と「アデリナ」という名前をつけてもらえることに!
まさか名前をもらえると思っていなかった2人にとって、これは嬉しいサプライズ。プロの声優と同じように扱われていることに喜びを感じると同時に、大きな責任感が生まれたようだ。
まずは練習から! プロのアドバイスで2人は着実に成長していく
打ち合わせが終わり、台本を入念にチェックする2人。
自分たちが演じるセリフはもちろん、どんな場面なのか、前後のセリフはどんなものなのか、そうした周辺情報もきっちり把握しておかなければならないのだ。
しかし、そこはさすが演技経験者の2人。台本を読み、自分なりの注意点などをメモしていく。そこに「バイトだから」という妥協は一切感じられない。
そこに立石音響監督がやってきて、演技を直接指導していただけることに。
Iさんが演じる夫・クルトは20代前半の青年。魔物と戦って負傷し、救護所に運ばれてきている。一方Mさんが演じるクルトの妻・アデリナは、そんな夫を気づかいながらも「がんばって!」と激励するしっかり者。
そんな若夫婦の掛け合いを演じるにあたって、まずは練習からスタート!
モニターの映像を見ながら、実際に声を出していく。
Iさん「ありがとう。助かったよ、お嬢さん。」
Mさん「ええ、外には魔物がいっぱいいるのに。あなた、がんばってね。」
Iさん「ああ、この街を守るためだ。このくらい平気さ。」
想像していたよりも、ずっと長く難しいセリフだ。
特にIさんの第一声は、すでに収録済みで今回の掛け合いに参加していないキャラクターに向かって話しかけている言葉。状況をしっかり理解した上で演じなければ、前後の繋がり的にも不自然な印象を与えてしまう恐れがある。
「負傷している感じがもう少し出るといいですね。」
「これは奥さんのセリフなので、もう少し距離が近い感じでお願いします。」
「アクセントをちょっと変えてみてください。」
立石音響監督からの的確な指摘が次々に飛び、そのアドバイスをメモする2人。プロの言葉を真剣な表情で受け止めていた。
ついに本番! 果たして2人の演技はどう評価されるのか?
「では、そろそろ本番いきましょうか。」
ついに立石音響監督から、GOが出た。収録なのでやり直しができるとはいえ、できればスタッフさんに手間をかけないようスムーズに進めたい。これまでにない大きなプレッシャーが2人にのしかかる。
そんな2人の様子を見て、立石音響監督からは「リラックスして楽しんで! 肩を回すといいですよ。」とアドバイスが。
さあ、ついに本番の収録スタートだ!
Iさん「ありがとう! 助かったよ、お嬢さん。」
Mさん「ええ、外には魔物がいっぱいいるのに……。あなた、がんばってね!」
Iさん「ああ、この街を守るためだ。このくらい平気さ!」
先ほどの練習の成果がしっかりと出ている! 夫婦らしい自然な掛け合いで、物語にもしっかりと溶け込んだ演技だ。
「練習より良くなってますね! でも、もっと良くなりそうだから、もう少し録ってみましょう。」と立石音響監督。
MさんとIさんならもっと良い演技ができることを期待して、リテイクを要求されているのだ。
練習のときよりもずっと具体的な指摘が入るようになり、立石音響監督の声も熱を帯びていく。
「『ありがとう』をあまり強く言うと、後ろを向いている人に声をかけている感じが出ないので少し抑えてください。」
「魔物がいっぱいいるのに夫のケガの手当をしてくれた人に感謝する言葉なので、もう少し申し訳なさそうな雰囲気を込めてください。」
「本当は戦場に行かせたくないけれど、それを飲み込んで夫に発破をかけているというニュアンスを出してください。」
期待に応えるために、何度も演技を繰り返す2人。求められる演技ができず、悔しそうな表情を見せる場面もあった。
そして10回以上のリテイクを経て、ついにすべてのセリフにOKが出た! 筑紫監督や立石音響監督からも「良かったですよ!」という言葉をいただくことができた。
思わず安堵の表情を浮かべる2人。プロの声優としてのミッションを見事にやり遂げたのだ。
今回の激レアバイト、2人はどんな思いを抱いたのだろうか。
Mさん「マイクの前に立つと頭の中が真っ白になり戸惑ってしまいましたが、やり遂げることができてよかったです。ひとつのセリフにもちゃんと意味があり、作品世界を作っていることをあらためて実感できました。」
Iさん「感謝の気持ちでいっぱいです。自分自身の芝居の未熟な部分が見えた収録でした。プロの方々と共にお仕事できたことは、役者としてとても有意義でした。いつかまた、今度はプロとしてあの場に立ちたいと心から思います。」
プロの声優を目指す2人にとって、今回の経験はきっと将来につながるはず。2人が出演したTVアニメ「異世界チート魔術師」は、現在放送中。2人が出演するのは第7話なので、ぜひご覧いただきたい。
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