他人に厳しい彼。信じてもいい？ 【オオカミ男子に気をつけて 〜乙女のスマート恋愛術〜】

男はオオカミなのよ。

お嬢さん、この意味がわかりますか。この世には、乙女の心を弄ぼうという男がたくさんいるという意味なのですよ。

いいえ、もっとハッキリいいましょうか。

貴女を幸せにするつもりもないのに、ドキドキするようなことをして、好きにさせたあげく、貴女をいいように利用する男がいるのです。何年にもわたって──好きだから逃げられない──ボロボロに傷つけられることもあります。

まだピンとこないかもしれませんね。これから恋しようというのなら。

しかし真実ではあるのです。そして貴女には、そんな不幸な恋をしてほしくない。だからオオカミ男子と出会ったときに、さっと気づけるように説明しておこうと思ったのです。その手口を。

乙女たるものスマートに恋をしましょう。オオカミ男子に気をつけて。

自信ありげにみえる オオカミ男子

今回のオオカミ男子は自信に満ちているようにみえるかもしれません。

他人に対して、臆せず、堂々とふるまってみせるからです。

例えばデートのときも「あの店員さん手際が悪いね」と言ったりするでしょう。料理が遅いと「遅いよ」とハッキリ口にもするかもしれません。

会話のはずみに「あいつはダメだよ」と、後輩に厳しい批評をしたり、あるいは街を歩く、ほかの女の子たちをながめて「あの子の服ちょっと上下の色があってないよね？」と言ってみせるかもしれません。

そのふるまいに自信満々な男性（はっきり物が言える男性）という感じがするかもしれません。

その「強い男なんだぞ」という感じに、つい貴女の心はキュンキュンが止まらなくなるのです。

オオカミ男子は他人をディスる！？

「え？　何が悪いことなの？」

そう感じられたかもしれませんね。

確かに、彼は、他人に厳しくあたっているかもしれない。けれど私には優しくしてくれてるなら、特に問題もないし、彼を信じてもいいんじゃないかな。

いざというときに心強い味方になってくれそうだし。その堂々とした空気にドキドキする。という感じで。

しかし、よく考えてください。

他人に厳しくあたるとは、単に「相手にリスペクトを払わずにディスっている」ことになるのですよ。

つまり他人のことを見下しているのです。さらに言えば、基本的に、自分は正しくて、他人は間違っている──そういう価値観のもとに生きている可能性があるということです。

そして、大事な考え方があります。

ここで「私には優しいから大丈夫」だと考えないことです。

その安心は続かないかもしれないから。怖がらせるようですみません。

彼が、店員や、後輩や、街を歩く他人に厳しい物言いをするときの顔をごらんください。そのときの表情は「いつか、貴女にむけられる顔」なのですよ。

いま彼は、貴女に好意を抱いているわけです。打ち解けたい異性として。だからこそ優しく してくれている可能性があるのです。しかし、根本的には、他人のことを見下しているというのなら──その本性は関係が深まるほどに顔をだすことでしょう。

まわりに厳しくあたる男子は、ちょっと危険かもという話でした。キュンキュンしてる場合じゃないかもしれませんよ。

他人に厳しくあたる男子に気をつけて！

もちろん厳しい言い方をする、男子全員が悪いわけではありません。

厳しさにみえる優しさもありますから。例えば、大人になってから響く学校の先生の言葉のように。

シンプルに「他人をディスることで自己満足しているのか」「厳しくみえるけれど、相手のためになる言葉を投げているのか」を見分けることが大事なのです。

ここで「自分にだけは優しいから大丈夫。むしろ大好き」なんて考えないこと。

貴女の目的は、いまだけ優しく接してもらうことではなくて、長く続くパートナーシップを育むことのはずですから。ちゃんと他人に（好きな異性以外にも）リスペクトを持って接することができる男子を選んでくださいませ。

彼が他人に厳しくて、貴女にだけ優しいなら、心の底ではクールに考えるようにしましょう。いまだけではなくて、彼が、この先、どんなふうに変わるかまで想像できると強いですよ。これぞ、乙女のスマート恋愛術です。

くれぐれも、オオカミ男子には気をつけてね。

浅田さん@令和の魔法使い
（@ASD_ELEGANT）
マジシャン＆恋愛コラムニスト。女性メディアに連載中の「読むだけでモテる恋愛小説・わたしは愛される実験をはじめた。」が2020年に書籍＆漫画化。自身のSNSが「恋が叶うオンライン恋愛神社」と呼ばれだし、恋に悩める乙女たちの参拝メッセージによってDMが24時間ナイアガラの滝のように流れている。この瞬間にも流れている。