テスト前日。ノー勉でやばい…！東大生に聞く、今からできる効率的な勉強法

テスト前日なのに、まったく勉強に手をつけていない…！と焦る状況の中、最低でも何をやればいいのかを知りたいですよね。テレビ『東大王』で人気の現役東大生で、書籍『勉強「しなきゃ」が「したい」に変わる　成績が上がる学びの習慣』を出版された紀野紗良さんに前日にやるべき勉強法を教えてもらいました。

テスト前日からの勉強って間に合うもの？

正直に言いますと、前日にノー勉はなかなか厳しいです（笑）。勉強内容よりも、「勉強していない、どうしよう！」という精神的に追い詰められている状況があまり良い結果を生み出さないからです。精神的にリラックスするためにも、テスト範囲が配られた時点で取り組み始めるのが理想だとは思います。ただ、前日からの勉強で10割を目指すのではなく、7割を目指すなど届きそうな目標を決めて、効率的に勉強することはできます。今日は前日からでもできる効率的な勉強法をお教えます。

テスト前日から勉強するためのポイント3

テスト前日まで全く勉強していなかった…！という人でも、前日から効率的に勉強をするためのポイントを3つお伝えします。

1）暗記系と演習系、それぞれにあった勉強をする

基本的に勉強は「暗記系」と「演習系」に分けられます。暗記系の場合は、とにかく教科書を読み込むこと。1回目はまったく頭に入らないと思いますが、2回、3回と繰り返し読むと脳に定着していきます。7割ほど頭に入ったら、次の教科へシフトしましょう。演習系の場合は、前日なので、基礎問題だけに集中して解いていきましょう。基礎問題は範囲内の一章にある基本的な一問だけをピックアップして解きます。全部解こうとすると、時間がないことに加え、解けずに焦ってしまうので、わかりやすいものを1問ずつ解いていくのがポイントです。余裕があれば、応用問題を1問程度、解いてみてください。

2）徹夜はNG。最低4時間は睡眠する

徹夜したい気持ちはわかりますが、睡眠は大切です。記憶の定着のほかに、定期テストの場合ですと連日テストが続くと思うので、初日に徹夜をしてしまうと体力がなくなり、どんどん脳が疲弊する可能性があります。理想は6時間睡眠ですが、最低でも4時間は寝てください。夜に7割まで勉強をし、翌朝にもう一度、教科書を読み直して8割まで頭に入れるのが定着しやすくオススメです。そして通学中などの隙間時間を有効活用し、教科書を読めば徹夜せずとも時間は捻出できます。

3）適度な休憩でメリハリをつけて勉強する

勉強中は休憩を挟むようにしましょう。10分間と時間を決めて、この時間は自分の好きなことをしてください。ゲームをしたり、友達に連絡したり、おやつを食べたり。好きなことでリフレッシュすれば気持ちも切り替わります。ただ、必ず時間を決めて、タイマーをセットしておくこと！

主要科目別、前日に勉強するポイント

英語

英語はテスト範囲内の教科書に載っている長文をひたすら読み返しましょう。前日に長文を書き出している時間はないと思うので、読みながらわからないと思った単語だけをピックアップして書き出してください。読む際は、英文と訳文の意味を一致させながら読み進めていくのが大切です。

国語

古文や漢文に関しては英語同様、暗記系なので範囲内の長文を何度も読み込みましょう。副詞や助動詞の働きに注目して読むのがコツです。前日なので国語の対策は暗記系だけに絞りましょう。

社会

歴史は暗記系になるため、教科書の読み込みが重要です。年号などを断片的に覚えるよりも、全体的な流れを掴んでおくほうが、全体の理解度が高まり点数が取りやすいと思います。前日は、勉強のポイントでお伝えした７割程度が理解できるまで読み込みましょう。

数学

数学に関しては、最低限公式だけでも前日までには覚えておいてほしいところ。前日には演習を中心に勉強をしてください。前日で時間がないと思うので、教科書の簡単な問題だけでいいです。「一章、一節、一問」のペースで問題を解き、テスト当日に基礎問題だけは確実に解けるようにしていきましょう。

理科

生物は暗記系のため教科書の読み込みが重要です。物理は演習系なので数学同様、基礎的なものを1問ずつだけ解いていきましょう。化学は暗記系も演習系もありますが、前日の場合は暗記系を優先。化学式や反応式などの基礎的な暗記項目を覚えること。余裕があれば演習系の問題を一問ぐらい解いてみてください。

どうしても勉強のやる気が出ない…ときのやる気を出す方法

前日の勉強でのやる気をアップする方法は3つあります。１つ目は得意な科目から進めること。苦手な科目ばかり続くと、ツラくなるので、苦手科目の間に得意な科目や好きな科目を挟むなどして、少しでもラクな状況を作ってみましょう。2つ目はご褒美をあげること。「●点まで取ったら、好きなものを買おう」など、ご褒美をエサにモチベーションを上げる方法です。3つめは自分を追い込むこと。勉強しないと赤点を取ってしまう！と嫌なことを回避するためにモチベーションをあげます。

まとめ

勉強は習慣化するのが一番だとわかっていても、なかなか手をつけられないテスト勉強。焦っているときは、紀野さんの前日勉強法をぜひ試してみてください。

■Profile
紀野紗良（きの・さら）2000年北海道生まれ。東京大学理科二類に入学し、現在、東京大学農学部に在学中。謎解きサークルAnotherVisionに所属。TBS系テレビ番組『東大王』に出演中。著書、『勉強「しなきゃ」が「したい」に変わる 成績が上がる学びの習慣』が発売中。

取材・文　中屋麻依子／撮影　八木虎造